楽天モバイルは回答せず、「電磁波からいのちを守る全国ネット」の公開質問状
昨年(2020)年の12月3日、「電磁波からいのちを守る全国ネット」は、楽天モバイルに対して、4項目からなる公開質問状を送付した。しかし、1ヶ月が経過した今年の1月4日の時点で、楽天からはなんの回答もない。回答期限は12月18日だったので、その後、「全国ネット」は回答を催促したがやはり回答はなかった。
4項目の質問は次の通りである。
1、マイクロ波に非熱作用がないと考える根拠はなにか?
2、アメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告について、貴社はどのような見解を持っているのか。
3、貴社の基地局周辺で健康被害が発生した場合、どのように対処する計画なのか。
4、基地局の設置が原因で、不動産の価値が下落した場合、どのような補償を考えているのか。
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昨年の秋ごろから、楽天モバイルの基地局設置計画に対して住民が計画の撤回を求めるケースが相次いでいる。「全国ネット」は、住民から支援要請があれば、チラシのひな形を提供するなど支援活動を続けてきた。その甲斐があって、大半のケースで問題は解決しているが、東京都目黒区本町のケースのように解決に至っていない例もある。
目黒区本町のケースは、化学物質過敏症の患者が集うサロン「はなちやんカフェ」の近くに携帯基地局が設置された例である。電磁波の影響で、「はなちゃんカフェ」は運営そのものが難しくなっている。
楽天をはじめとする電話会社が総務省の電波防護指針を守って基地局を操業していることは事実だが、規制値そのものが欧米に比べると異常にゆるやかで、実質的には規制になっていない。
たとえば欧州機構が定めているマイクロ波の勧告値は、0.1μW/c㎡ であるのに対して、日本の総務省が定めている規制値は1000 μW/c㎡である。天地の差がある。なぜ、これだけ大きな差があるのか、その理由も明らかになっている。
マイクロ波に遺伝子毒性があることを前提にして欧州機構が勧告値を決めたのに対して、日本の総務省は、マイクロ波には遺伝子毒性がないという前提で規制値を決めたからである。従って、総務省の見解が誤っていれば、日本国民は将来的に計り知れない被害を受ける可能性が高い。癌や神経系の病気が、激増すると予測される。
公開質問状の無回答は、住民が電磁波による被害を受けた場合も、楽天は責任を負わないという表明である可能性が高い。