ニカラグアと香港の問題にみる米国の世界戦略の変化、武力から策略へ
世の中に氾濫している情報には、バイアスがかかっている場合が多い。いくらメディアリテラシーを身に着けていても、テレビやインターネットを通じて接する洪水のような情報に接していると、真実が見えなくなることがある。
先日、このブログでニカラグアのサンディニスカ政権が、独裁政権に変質したとする『週刊金曜日』の報道を紹介したが、これも「西側報道」である可能性が高い。もっともわたしは、現地を取材していないので、推論でしかないが、まったく別の見方もあることを紹介しておこう。
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ベネズエラにTeleSurという放送局がある。TeleSurというのは日本語に訳すと「南テレビ」という意味である。つまり南アメリカ放送というニュアンスである。ラテンアメリカで最も有名なメディアのひとつである。左派色が強い。
このTeleSurが2年ほど前に、ニカラグアのFSLN(サンディニスタ民族解放戦線)政権に対する学生たちの反政府運動を取り上げた。この運動がエスカレートして、現在、ニカラグアは混乱に陥っているだ。『週刊金曜日』は、FSLNのオルテガ大統領が独裁者であるとまで書いている。【続きはウェブマガジン・全文公開】