1. キューバ、モンカダ兵営襲撃事件から67年,

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2020年07月27日 (月曜日)

キューバ、モンカダ兵営襲撃事件から67年,

フィデル・カストロらがキューバ革命の狼煙をあげたモンカダ兵営襲撃事件(1953年)から、7月26日で67年になる。この襲撃は失敗して、フィデルは逮捕されたが、その後、海外へ亡命した。フィデルらはメキシコで革命軍を結成し、ゴルフ場で射撃訓練を重ね、1956年12月2日にグランマ号でキューバに潜入した。

荒れ狂う波はグランマ号の船体をもてあそんだ。喜びは風の中に溶け込み、不快感、嘔吐、疲労にかわった。われわれは不測の事態に悩んだ。次の日、だれかが叫んだ。水だ。船体は傾いていた。ヨットの内部に水が増えてきた。排水ポンプは故障していた。われわれは桶を使った。まもなくポンプはなおり平静を取り戻した。だが、不安はまだ去らなかった。水平線上の船、空の飛行機がわれわれの気をもませた。しかし、パイロットが繰り返す言葉がわれわれを元気づけた。

「ヨットの舳先とともにキューバへ向かっている。」

グランマ号というのは、12人乗りのクルーザーで、そこに88人の戦士が乗り込んだのである。しかし、上陸直後に政府軍に襲撃され、その大半を失う。生存者は12人。

それから約2年後の1959年1月1日に、革命軍がハバナを占領した。キューバ革命は、短期間で成就した。モンカダ兵営襲撃事件から数えて5年半。グランマ号の上陸からたった2年。開始から完結までが早い。

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ニカラグアの革命も、FSLN(サンディニスタ民族解放戦線)の再建から、10年あまりで成就している。エルサルバドルのFMLN(ファラブンド・マルティ民族解放戦線)は1980年に結成され、12年の内戦を経て参政権を得た。そして合法政党として2009年に政権の座に就いた。結成から29年、和平からわずか17年である。

グアテマラのURNG(グアテマラ民族革命連合)は、1982年に設立され、96年に和平により合法政党となった。この間、14年。その後、民主化の流れの中で、2013年には、内戦時代の元将軍であり大統領職にあったリオス・モントに対して、グアテマラの裁判所は、禁固80年の実刑を下した。

ラテンアメリカでは、歴史の流れが速い。

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1993年に小沢一郎さんが改革を叫んで自民党を飛び出してから27年。その後、延々と政界再編を繰り返したが、結局、非自民勢力は何ひとつ成果をあげることができなかった。方針が間違っていたのだろう。あるいは「改革」そのものが茶番劇だったということだ。

日本をより住みやすい国にするどころか、逆にコロナ感染が拡大しても、政府が対策の方向性する示せない国にしてしまった。社会格差も広がった。何かが根本的に間違っていたのだろう。制度上の欠点があるのではないか。たとえば選挙制度など。新聞・テレビが果たす負の役割とか。

政治家の全部とはいわないが、その大半は住民の利益よりも、自分の生活の安定を考えている。政治家という職を収入源にしているだけで、なかには無知な人も混じっている。これでは政治改革などできるはずがない。

キューバ革命に例にみるように、物事は命をかけなくては成就しない。従って、立憲民主党と国民民主党の合流には何も期待しないほうがいい。

野党と共闘している腐敗した反差別カウンター運動にも期待しない。