1. 裁判官、検察官、法務省のトライアングル 公正な裁判を妨げる温床に 財団法人・法曹会の実態

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2014年01月10日 (金曜日)

裁判官、検察官、法務省のトライアングル 公正な裁判を妨げる温床に 財団法人・法曹会の実態

次にリンクしたPDFは、「法曹会役員・各委員会会員」と題する資料である。

 ■「法曹会役員・各委員会会員」= ここをクリック???

一見するだけで、裁判官、検察官、法務省の職員が名を連ねていることが判然とする。法曹会はほとんど知られていない組織であるが、法律が国のありかたや人々の生活のかたちを決めるとすれば、その役割を担っている人々のサークルである。

法曹会のホームページによると、同会の概要は次の通りである。

1 名称  一般財団法人 法曹会

2 事務所  東京都千代田区霞が関1?1?1 法曹会館

3 設立   明治24年9月

4 沿革   明治24年9月  法律研究の任意団体として発足。

明治41年12月  財団法人に改組。

平成25年1月  一般財団法人へ移行。

5 目的   法律の調査研究及び法律実務の進歩発展を図ることを目的とする。

6 主な事業

?(1)月刊法曹専門誌「法曹時報」及び各種判例集・研究論 文・執務資料等司法関係の印刷物の刊行。

?(2)法曹会館の運営。

 MEDIA KOKUSYOに上記PDF資料を提供したAさんは、次のように話す。

「法曹会が一般財団法人になったことで、主務官庁(法務省)のチェックが入らなくてすむようになりました。例えばこれまで義務付けられていた役員名簿や収支決算報告書などの提出は不要になります」

 一般財団法人へ移行した「平成25年」には、役員を変更した。その後、同会はホームページで役員名簿を公表したが、次に示すように役員の肩書きが完全に消えていた。

◇裁判官、検察官、法務省のサークル

 ?■ 肩書きが消えた「法曹会役員・各委員会会員」=ここをクリック?????

? 前出の役員名簿では、肩書きが付されていたが、新しいものでは、略されている。ちなみに新名簿の冒頭に明記された会長の島田仁郎氏は、第16代最高裁判所長官である。副会長の笠間治雄氏は、元検事総長である。

 改めていうまでなく、裁判官、検察官、法務省の職員が、ひとつのサークルを形成することは大きな問題がある。違法行為ではないが、たとえば情を深めた裁判官と検察官が同じ法廷で顔をあわせた場合、公平な裁判ができなくなる可能性が高い。

 最高裁判事のおよそ半分が退官後、(広義の)天下りをしている事実から察するモラル感からすると、最高裁判事が「社会正義」を絶対的な原則として法廷の高壇に座を占めているとは思われない。と、なれば裁判そのものが、検察官との茶番劇になりかねない。

? また、法務省の職員がサークルに参加しているのも大きな問題がある。たとえば次のようなケースである。

 法務省民事局は、法案を作成する部署で、たくさんの弁護士(特に大手弁護士事務所)が出向している。そうすると法務省民事局と弁護士たちの意向を受けて成立した法律をもとに裁判官が判決を下す構図が成立してしまう。

こうした情況は、特に企業法務を専門としている弁護士事務所にとって歓迎すべき事態である。実質的に自分たちが作成した法律に沿って、裁判官が判決を下してくれる可能性が高くなるからだ。

? 法曹会に参加しているエリートは、国民から選挙で選ばれているわけではない。それにもかかわらず、この国を方向づけているのである