1. 癌患者の急増と携帯電話の普及率は同じ上昇線を描く、2011年には国際がん研究機関がマイクロ波に発癌性がある可能性を認定

携帯電話の基地局問題に関連する記事

2015年11月06日 (金曜日)

癌患者の急増と携帯電話の普及率は同じ上昇線を描く、2011年には国際がん研究機関がマイクロ波に発癌性がある可能性を認定

The Hunffington Postの日本版が、5日に「育児中にがんと診断、年間5万6千人もいた」と題する記事を掲載した。

国立がん研究センター(東京)は4日、18歳未満の子どものいる国内のがん患者が年間約5万6千人発生しているとする初の推計結果を発表した。

2009年から13年までに同センター中央病院に初めて入院したがん患者のデータをもとに都道府県のがん登録のデータなどから推計した。患者の平均年齢は男性46・6歳、女性43・7歳。子どもの総数は約8万7千人に上り、0~12歳が63%を占めた。

2011年に国内で新たにがんと診断された患者は推計で年間約85万人とされ、今回の約5万6千人は患者全体の約7%に相当する。

このところ癌患者の増加が指摘されている。噂ではなく、公式データでも裏付けられている。わたしはその原因が携帯電話の普及にあるのではないかと、考えて、牛歩ながら検証を進めている。

次に示すのは、拙著『電磁波に苦しむ人々』(花伝社)に収録して資料である。携帯電話の普及率(ページ上段)と癌患者数の年度別変化(ページ下段)を比較したものである。

■携帯電話の普及率と癌患者数の変遷PDF

2つのグラフを比べてみると、両方とも同じような上昇線を描いている

携帯電話は1990年代の初頭から普及が始まり、90年代の半ばを過ぎたころから爆発的に急増した。2013年の段階では、普及率が95%にも達している。それに伴いマイクロ派を送受信する携帯基地局も増えている。

一方、癌患者が増え始めるのも90年代の半ば以降である。

◇マイクロ波に発癌の可能性

メディア黒書で繰り返し注意を喚起してきたように、WHOの外郭団体であるIARC(国際がん研究機関)は、2011年にマイクロ波に発癌性の可能性があることを認定している。携帯電話基地局の周辺に住む人々が癌になる確率が相対的に高いと結論づけた疫学調査もある。特にドイツ、イスラエル、ブラジルで行われたマイクロ波と癌の関係を検証する疫学調査は有名だ。

さらに世界の著名な研究者がまとめた「バイオイニシアチブ報告2012」は、極めて微弱なマイクロ波であっても頭痛や睡眠障害の原因になることを指摘している。

ちなみに日本の総務省が定めているマイクロ波の規制値は、1000μW/cm2である。これに対して、たとえばオーストリアのザルツブルグ市の目標値は、0.0001μW/cm2である。日本の10万分の1である。欧米と日本では、マイクロ波の危険性についての認識が根本から異なっているのだ。

◇リスクがあるのは基地局周辺だけではない

最近までわたしは、癌のリスクにさらされるのは、携帯基地局の近隣住民だけと考えていたが、この考えは正しくないようだ。次の実験の結果だ。

わたしは、携帯基地局が近くに設置されていない住宅の一室で、携帯電話を通話の状態にしてマイクロ波の強度を測定してみた。その結果、携帯基地局の周辺とほとんど変わらない数値、あるいはそれ以上の数値が観測されたからだ。

つまり携帯電話で通話すると、本人だけではなく、近くにいる人々もマイクロ波による被曝が及ぶと言えよう。

携帯電話と脳腫瘍の関係は周知になり、通話の時はイヤホンを使う人がいるが、影響を受けるのは、本人の頭部だけではない。当然、電車内で携帯電話を使えば、同じような被曝状態になる。毎日、1時間、あるいは2時間、車内でイクロ波に被曝していれば、5年後、10年後に人体影響が生じるのはむしろ当然といえるだろう。