1. あたらしいタイプの携帯基地局問題が浮上、地権者がマイクロ派の人体影響に気づき「撤去したいが、賃貸契約が壁に」

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2015年06月04日 (木曜日)

あたらしいタイプの携帯基地局問題が浮上、地権者がマイクロ派の人体影響に気づき「撤去したいが、賃貸契約が壁に」

携帯電話の基地局設置をめぐる問題に新しいタイプのものが浮上してきた。

電話会社に基地局の設置場所を貸す地権者が、基地局稼働後にマイクロ派による人体影響を知り、撤去を申し入れても、契約書に明記された賃貸期間が終了していないことを理由に、電話会社が応じない問題だ。

プラバシーに配慮して問題が起きている地域は明かさないが、ここ数日で、MEDIA KOKUSYOに対して2件の情報提供があった。

【ケース1】
電話会社と20年の賃貸契約を結んで、自宅から30メートルのところにある私有地に基地局を設置した。その結果、体調が悪くなり、電磁波過敏症を疑うようになった。奇形植物も発生した。

基地局を撤去したいが、20年の契約期間が壁になって対策がない。

【ケース2】
基地局を設置した後、近隣住民からマイクロ波による人体影響について聞かされた。撤去したいが、契約書が壁になっている。

◆電話会社はやりたい放題

これらの問題には共通点がある。電話会社が地権者と基地局設置の契約を結ぶ際に、マイクロ波による人体影響のリスクについて説明していないことである。この点に触れると、契約を締結できなくなる恐れが生じるからだ。

たとえ説明するとしても、総務省が定めた安全基準を順守して操業することを強調する。が、日本の場合、基準値そのものが、たとえばEUに比べて1万倍もゆるい。それゆえに、容易に「安全宣言」ができる。

したがって一旦、基地局を設置してしまうと、電話会社はやりたい放題のことができる。

しかも、総務省は基地局に関する情報をほとんど開示しない。現在はセキュリティー(テロ防止、緊急時の通信網確保)を理由に、おそらく基地局に関する情報を、特定秘密保護法の特定秘密に指定している。

無線通信網はもはや廃止が不可能なほど日本の隅々にまで張り巡らされている。それを支えているのが基地局である。

基地局の設置は、いまや迷惑行為の域を超えて、合法的な凶器になり始めている。自宅を手に入れた半年後、近隣に携帯基地局が設置されたら、その家族の夢や希望は消えてしまう。安心して暮らせなくなる。