2015年01月22日 (木曜日)
地下鉄の車両内で高い数値のマイクロ波を記録、EUの安全基準の約4倍、将来的に発癌のリスクが拡大
電車で通勤・通学する人々にとっては、歓迎すべからぬニュースである。が、それを避けて通ると将来、発癌という後悔しかねない事態を招きかねない。
地下鉄の車両内でマイクロ波の測定を行ったところ、人体に悪影響を及ぼすと推測させる数値が観測された。
1月21日、午後8時ごろ、地下鉄有楽町線の社内で、わたしは高周波電磁波の測定器を使って、マイクロ波を測定した。観測された数値(6分の平均)は、 1223.6mv/mだった。この数値を国際比較するために、「μW/c㎡」に変換すると、「0.397μW/c㎡」となる。
ちなみに測定時には、座席がすべて埋まっていた。立っている乗客が10人程度。その多くの人々がスマフォなどの通信機器を使っていた。観測場所は、車両のドア付近である。
観測された「0.397μW/c㎡」をどのように評価すべきだろうか。マイクロ派の規制値を国際比較することで検討してみよう。恐るべき実態が見えてくる。
◇諸外国の規制値
ザルツブルグ市:0.0001μW/c㎡ (屋内の目標値)
EU:0.1μW/c㎡(屋外の提言値)、0.01μW/c㎡(室内の提言値)
イタリア:10μW/c㎡
スイス:6.6μW/c㎡
日本:1000μW/c㎡
有楽町線の中で観測された0.397 μW/c㎡は、日本の基準は軽々とクリアーしているが、ザルツブルグ市やEUの基準から評価すると、危険な領域とされている。
最も懸念されているマイクロ派のリスクは、遺伝子毒性である。発癌性である。ザルツブルグ市やEUは、遺伝子毒性のリスクを考慮して、極めて低い数値を設定している。
日本の規制値は、箸にも棒にもかからない。
ちなみにマイクロ波は、X線やガンマ線、さらには紫外線などと同様に「見えない」「匂わない」、おまけに被曝しても痛みを感じない。それゆえに安全だと勘違いしている人が後を絶たない。
2011年5月に、WHOの外郭団体・世界癌研究機関は、マイクロ波に発癌性がある可能性を認定している。携帯電話が普及しはじめた1990年代には、安全とされていたが、現在ではリスクがあると考えるのが常識となっている。
通勤・通学の際に高密度のマイクロ波を、1年、2年、5年、10年、あるいは20年と長期にわたって被曝した場合、人体影響を受ける可能性が高い。