1. マイクロ波の規制値を大幅に厳しくできる決定的証拠、ソフトバンクが測定した電力密度は国の規制値の5204万分の1

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2014年11月11日 (火曜日)

マイクロ波の規制値を大幅に厳しくできる決定的証拠、ソフトバンクが測定した電力密度は国の規制値の5204万分の1

次のPDF書面は、ソフトバンクが2003年2月7日に神戸市鈴蘭台にある携帯基地局の周辺で測定した電力密度である。

電波測定結果報告書PDF

この地区では、ソフトバンクの携帯基地局を撤去させる住民運動がある。ソフトバンクは、住民に安全性をPRするために、電力密度の測定を行い、公表したのだが、その数値は驚くべきものだった。何に驚いたのかといえば、数値の異常な低さである。

その「異常な数値」に言及するまえに、比較の基準にする代表的な規制値を紹介しておこう。

日本の総務省が定めている規制値は:1000μW/c㎡

 EUの提言値:0.1μW/m2 (室内は0.01μW/c㎡  )

  ザルツブルク市の目標値:0.0001μW/c㎡

これに対してソフトバンクが神戸市で測定した数値は、たとえば、③の地点では、次のようになっている。

0.000019215808μW/c㎡

(電波測定結果報告書では、[mW/c㎡]の単位が使われているので、規制値の単位と同様に[μW/c㎡]に換算した)

この数字を見て、読者は違和感を感じないだろうか?まず、世界一厳しいザルツブルク市の目標値である0.0001μW/c㎡よりも、はるかに安全な数値になっていることである。

ザルツブルク市の場合、目標値であるから、実際には目標値よりも高い数値が観測される可能性が高い。しかし、そのザルツブルク市の目標値を、ソフトバンクは軽々とクリアーしているのだ。

総務省が定めている規制値1000μW/c㎡と、ソフトバンク測定の0.00001921580μW/c㎡を比較すると、約5204万分の1になる。

◇規制値を厳しくできる決定的な証拠

この数値を見たとき、わたしは自分が何か勘違いしているのかと思った。そこで専門家に問い合わせてみたが、やはり間違いなかった。ソフトバンクはこのような数値を、住民に示したのである。

ちなみに本当このような低い数値で通信が支障なくできるのであれば、総務省はなぜ1000μW/c㎡という高い数値を規制値として設定しているのだろうか?EU並に0.1μW/c㎡(室内は0.01μW/c㎡)ぐらいに設定しても差し支えないはずだが。

念のために、ソフトバンクの広報部へ、次のような質問状を送付した。
ソフトバンク様

発信者:黒薮哲哉(フリーランス・ライター)

連絡先:☎048-464-1413
        メール xxmwg240@ybb.ne.jp

質問:

 お世話になっています。
 添付した書面は、貴社が神戸市鈴蘭台■■町の住民に提出されました電波測定の結果です。この数字を見ると、極めて電力密度が低いように思いますが、正確な測定データなのでしょうか。

 間違いがある場合は、上記のメールまでお知らせいただくようにお願いします。メディアに公表する数値なので、よろしくお願いします
ソフトバンクの広報部とは、電話でも話した。回答するとのことだったが、回答は来ていない。

◇各地でソフトバンクがトラブル

このところ基地局の設置をめぐりソフトバンクが各地でトラブルを起こしている。わたしが取材しただけでも、東京都調布市、東京都多摩市のケースがある。いずれも住居の至近距離に基地局を設置して、住民から撤去を求められている。

孫正義氏は、原発には反対で、携帯ビジネスには賛成という立場を取っている。が、原発のガンマ線も携帯電話のマイクロ波も、同じ電磁波の仲間で、遺伝子毒性が指摘されている。

■冒頭の動画:東京都調布市の基地局問題