2014年11月06日 (木曜日)
携帯基地局のマイクロ波の規制値は世界的に緩い傾向、背景に人的被害よりも産業優先の国策
携帯基地局から発せられるマイクロ波の規制値には、グレーゾーンが多い。それゆえに誤解を招きやすい。
次に示すのは、2011年に総務省が発表した「平成22年度 電波防護に関する国外の基準・規制動向調査」と題する文書に記された国別の規制値である。1800メガヘルツの基地局を対象とした換算値である。
米国:1000μW/c㎡
カナダ:1000μW/c㎡
スウェーデン:900μW/c㎡
ノルウェー:900μW/c㎡
デンマーク:900μW/c㎡
ベルギー:225μW/c㎡
フランス:900μW/c㎡
英国:900μW/c㎡
ドイツ:900μW/c㎡
オーストリア:900μW/c㎡
スイス:6.6μW/c㎡
イタリア:100μW/c㎡(被曝限界) 、10μW/c㎡(注意値)
ギリシャ:441μW/c㎡
ロシア:100μW/c㎡
ポーランド:10μW/c㎡
この資料によって、わたし自身、マイクロ波の規制値に関する事実認識を改めなければならないことを自覚した。
これまでわたしは日本の規制値(日本:1000μW/c㎡ )だけが特別に緩やかで、欧米では規制値が厳しい傾向があると考えてきた。。「黒書」にもそれを前提とした記述がある。
しかし、客観的に見ると、世界的に規制値が緩やかな傾向があり、例外的にスイスやポーランドなど低い国があると考えるのが、より事実に近いようだ。
あるいは、欧米では国とは別に、自治体や機関が独自にマイクロ波の規制値(厳密には、提言値や目標値)を定めているケースがあり、これらの数値は、国が定めている数値よりも極めて厳しいというのが事実である。
たとえばオーストリアの規制値は、900μW/c㎡ であるが、同国のザルツブルグ市の目標値は次に示すように極めて低い。
ザルツブルグ市:0.0001μW/c㎡
また、EUの提言値は次の値になっている。
EU:0.1μW/c㎡ (室内0.01)