1. 携帯基地局から200メートル以内、発癌リスクが極めて高い、ブラジルの調査でも判明、日本では秘密保護法の施行で情報ブロックも

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2014年09月18日 (木曜日)

携帯基地局から200メートル以内、発癌リスクが極めて高い、ブラジルの調査でも判明、日本では秘密保護法の施行で情報ブロックも

 

ブラジルのベロオリゾンテ市は、ブラジル南東部、標高約 800 メートルに建設された計画都市である。人口は約240万人。

この市をモデルとして携帯電話の通信に使われるマイクロ波と癌の関係を調べる調査が行われたことがある。結果が公表されたのは、2011年5月。おりしもWHO傘下のIARC(国際がん研究機関)が、マイクロ波に発癌性(遺伝子毒性)がある可能性を認定した時期である。

調査は役所が保管している携帯基地局の位置を示すデータ、市当局が管理している癌による死亡データ、それに国勢調査のデータを横断的に解析したものである。対象データは、1996年から2006年のもの(一部に欠落がある)である。

結論を先に言えば、基地局から半径500メートルの円周内で、癌のリスクが高くなることが分かった。1万人あたりの癌による死亡数と、基地局からの距離は、次のようになっている。明らかな相関関係が浮上する。

距離 100mまで:43.42人
距離 200 mまで:40.22 人
距離 300 mまで:37.12 人
距離 400 mまで:35.80 人
距離 500 mまで:34.76 人
距離 600 mまで:33.83 人
距離 700 mまで:33.80 人
距離 800 mまで:33.49 人
距離 900 mまで:33.21人
距離 1000mまで: 32.78人
全市        :32.12 人

検証対象のエリアに複数の基地局がある場合は、最初に設置された基地局からの距離を採用した。そのために汚染源の基地局を厳密に特定できない弱点はあるが、大まかな傾向を把握していることはほぼ間違いない。

基地局から200メートル以内は極めて危険性が高い。

◇イスラエルとドイツの調査

また、この調査では区単位で携帯基地局の林立状況と癌による死亡数の関係を解析した。その結果、市全体にある基地局の39・6%(2006年)が集中している中央・南区で最も癌による死者数(1000人あたり5.83人)が多いことがわかった。

また、基地局の占有率が低い区ほど、癌の死者数も少ない傾向がみられた。

携帯基地局のマイクロ波と発癌の関係を裏付ける疫学調査は、イスラエル(2004年)とドイツ(1993年から2004年)でも実施されている。

このうちにイスラエルのネタニア市で行われた調査では、基地局から350メートルの円周内における発癌率が、隣接地区よりも約4.15倍高いという結果が出た。女性の発癌率はとくに高く、10.5倍だった。

また、ドイツで行われた疫学調査でも類似した傾向がみれらた。基地局の設置から最初の5年間については、癌の発症率に大きな差はなかったが、1999年から2004年の5年間で変化が現れた。基地局から半径400メートル円内における発癌率が、円外の隣接区に比べて3.38倍になったのだ。

◇特定秘密保護法

日本の総務省と電話会社は、マイクロ波のリスクを過小評価し、マスコミもそれを批判しない。企業と政府、それにマスコミの3者が、莫大な政治献金や公告費、それに既得権(再販制度、軽減税率、電波利権など)を通じて癒着しているために、生命にかかわる重要な情報の多くが遮断されている。

こうした悲劇に加えて、12月には、特定秘密保護法が施行される見込みになっている。これにより原発の情報も、携帯基地局に関連した情報も、テロ活動の防止と緊急時の通信網の防衛を口実に、完全に隠されてしまう恐れがある。同法は、懲役10年もあり得る悪法だ。

参考:孫正義様、あなたはここに住む勇気がありますか?