2014年05月22日 (木曜日)
携帯基地局のアンテナ1本につき6万円の賃料、基地局設置をめぐる交渉場面の録音を公開
電話会社が携帯電話の基地局を設置するための場所を提供する者を地権者という。都市部の場合、地権者の大半はビルのオーナーである。通常は屋上に基地局を設置する契約を電話会社と交わして、賃貸料を徴収する。
その賃貸料の相場はほとんど知られていないが、このほどそれを推察するヒントになる情報(録音)を入手した。電話会社の社名と、録音場所を明かさないことを条件に、情報提供者から会話を公表する承諾を得た。
結論を先に言えば、基地局のアンテナ1本に対して6万円/月。ポールにアンテナ3本を取り付けると18万円になる。近隣住民にマイクロ波による健康被害を及ぼし、それが司法認定された場合、ひとりあたり少なくとも5000万円ぐらいの賠償金を請求されるリスクを考えると、決して高いとはいえない。
会話は次の通りである。
【会話】
?B→携帯電話基地局の契約交渉役のブローカー風の男
O→ビルのオーナーと思われる中年男
(Bの携帯電話が鳴る)
B:「?大丈夫です。お待ちしておりますから・・・」
(暫くして)
O:「すみません。5分ほど遅れました。○○症で母親を病院に、薬をね。時間が掛かってしまった」
O:「ひどいじぁないの、この前。(そちらの)連絡が悪くて、鍵もなくて(現場)見られなかったでしょう?」
B:「いや、連絡悪くて済みませんでした。 いや?苦労しました。遅くなってしまいました。いちいちあったことを上に書いて送るもんだから・・・。許可がおりましたから。契約書見て下さい」
O:「これ家のと違うね」
B:「雛形だった。こちらでした。東電の件は、東電と話し合いますから」
O:「電気設備は、大丈夫ですか?」
B:「東電とは、こちらから設計の担当と話しますから」
O:「ところでアンテナ3基は、1基10万っていうことだったよね?」
B:「それがこのようにすべて上に書いて出すもんですから。最高金額を出して話したんだけど、1基6万となりました」
O:「えっ、10万じゃなかったっけ?」
B:「最高金額ですよ、これは」(がんばったことを強調)
O:「10万で300万って、Bさん話したよ」(安くなったことに不満)
B:「契約内容ですが、月払いそれとも年払いにします? 3基18万で年だと200万、銀行振り込み、何時にします? 年払いどこの銀行にします?」
(Oは、どうしようかと考えている様子)
B:「契約は5年か10年ですが、契約に特約を付けたほうが・・」
O:「Bさん、いろいろ知っているだろうから・・・」
B:「特約には名義変更を書いておいたほうがいいですよ」
O:「そうだね。母が亡くなった時ね。契約は5年にします。銀行振り込みの日付けは・・・」
B:「建設は6月からはじまり7月に完成し9月から始まりますから、慌てなくとも大丈夫です」
O:「ところで、賃貸人には告知義務あるの」
B:「それはあります。こちらでします。なかなか日中いませんよね。告知したり、手紙を入れたりしてお知らせします。日中いる人いますか。なかなか会えない人いますか?」
O:「いますね。日中家で仕事している人は1人います。なかなか会えない人はどうするの。いるけど」
B:「何度か行きます。3回は行って、後はお知らせの手紙ですね」
O:「掲示板がありますから、使ってください」
B:「音が出ます。少し」
O:「出るの?」
B:「出ますね。何か賃貸人から話しがあったら、お話、お願いしますね」
O:「いや、ちゃんと契約したのだから別に話はないんじゃないの。そんなことを話す、賃貸人はいませんから。アンテナの高さは、3メーター50でしたか?」
(二人で契約書を見ながら、600?700(MHz?)とか1,800(MHz?)とかGPSとかを話している)
O:「Bさん 大分いい仕事してますね」
B:「私は何も頂いてませんよ。日当は頂いてますけど」
O:「ところで、9月にアンテナ動かなくなったなんてないよね?」
B:「そんなことは絶対にないです。必ず動きます」(互いに笑う)
B:「配電盤の位置がここですけどね」
O:「ここはないでしょう。前回鍵がなかったから見てなくて図面書いてるね」
O:「Bさんこれからの予定は?」
B:「午後は3時に○○に行くけど」(場所名は聞き漏らした)
O:「これから現場に行って配電盤の位置を確認しましょう。鍵、今から持って来るから。ところで天井の床とかそのままでしょう」
B:「いやいや、屋上の防水はしますし、枠など作ります」
O:「そうなの。穴あけるの」
B:「ちゃんと設計しますから」
0:「じゃ、現場で会いましょう」
(二人、店を出る)