1. 長野県飯田市でNTTドコモの基地局問題が発生、住民側「設置に合意していない」

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2014年01月15日 (水曜日)

長野県飯田市でNTTドコモの基地局問題が発生、住民側「設置に合意していない」

長野県飯田市正永町で携帯基地局の設置をめぐり、NTTドコモと住民の間にトラブルが発生している。NTTドコモは、1月10日に住民説明会を開催して、基地局設置の工事を進めようとしている。正永町の住民によると、14日に、工事の柵が設置されたという。しかし、住民の間から、設置には合意していないとの声が上がっている。情報提供が、MEDIA KOKUSYOへあった。

工事柵の設置を筆者は現地で確認していないが、複数の住民が話しており、事実である可能性が極めて高い。

トラブルの発端は、昨年にさかのぼる。昨年の11月にNTTドコモは、基地局の設置工事に着手した。ところがそれに気づいた住民たちから反対の声があがり、工事はペンディングになった。

しかし、基地局設置の計画を白紙に戻したわけではなく、今年の1月になって「NTTドコモ携帯基地局工事に伴う住民説明会のご案内」と題する通知で、住民たちに説明会への参加を呼びかけた。

ドコモが配布した説明会の案内状=ここをクリック

◇「基地局設置には合意してない」

説明会は予定どおりに開かれた。しかし、住民たちは、1月10日付で、NTTドコモ大田分室に、基地局設置には合意していない旨の書面を送付した。

(略)  今回の住民説明会に参加したことは、反対意見を申し上げるためであり、合意ではありません。  よって、本日の正永町2丁目住民説明会において「住民合意を得た」「説明責任を果たした」とはいえません。住民説明会をもって工事を再開することのないよう、お願い申し上げます。 ?

? それを最初の確認事項とさせていただきます。

◇IARAも発がんの可能性を指摘

正永町の住民たちが基地局設置に合意しないのは、携帯基地局から発せられるマイクロ波が長期的に健康被害を及ぼす可能性が指摘されているからだ。たとえばWHOの傘下にあるIARC(国際がん研究機関)は、2011年5月にマイクロ波に発がん性があることを認定している。

実際、1993年から2004年までの期間に、ドイツの医師団が、特定の団体から資金提供を受けずにナイラ市で行った調査では、マイクロ波による発がんのリスクが指摘された。

調査の人的対象は、調査期間中に住所を変更しなかった約1000人の通院患者。一方、調査対象の基地局は、1993年に設置されたものと、その後、1997年に追加されたもう1社のものである。

調査対象の患者は、基地局から400m以内のグループ(仮にA地区)と、400mより外(仮にB地区)に分けて比較した。

最初の5年については、癌の発症率に大きな違いはなかったが、99年から04年の5年間で、A地区の住民の発がん率が、B地区に比べて3・38倍になった。しかも、発がん年齢も低くなった。

たとえば乳がんの平均発症年齢は、A地区が50・8歳で、B地区は69・9歳だった。約20歳早い。ちなみにドイツの平均は63歳である。

◇「人体実験」は許されるのか?

もちろん海外で行われた疫学調査では、発がん性が認められなかったという調査結果もある。

しかし、安全性が確認されていない現在のグレーの段階では、予防原則を優先して、携帯基地局を設置する場合は、住民全員の合意を得るのが常識である。 さもなければ、マイクロ波を浴び続けた幼児が成人したころに、癌になるリスクを回避できない。「人体実験」の対象にすることは許されない。

ちなみに筆者は、携帯基地局の周辺住民の間で癌が多発しているケースを複数取材している。次に示すのは、長野県坂城町のケースである。

基地局から20m・・・肺がん(死亡)

基地局から50m・・・白血病

基地局から100m・・乳がん

そのほか精神錯乱、脳梗塞、心臓病、などを確認した。

※写真と本文は関係ありません。