2013年09月06日 (金曜日)
NTTドコモが自社のウエブサイトで、携帯電磁波の健康リスクを指摘 基地局の周辺住民はモルモット
NTTドコモのウエブサイトに次のような記述がある。おそらく同社の株主を対象とした情報ではないかと思うが、誰でもアクセスできる。
(12)無線通信による健康への悪影響に対する懸念が広まることがあり得ること
世界保健機関(WHO)やその他の組織団体等、及び各種メディアの報告書によると、無線通信端末とその他の無線機器が発する電波は、補聴器やペースメーカーなどを含む、医用電気機器の使用に障害を引き起こすこと、ガンや視覚障害を引き起こし、携帯電話の使用者と周囲の人間に健康上悪影響を与える可能性を完全に拭い切れないとの意見が出ております。
無線電気通信機器が使用者にもたらす、もしくはもたらすと考えられる健康上のリスクは、既存契約者の解約数の増加や新規契約者の獲得数の減少、利用量の減少、新たな規制や制限並びに訴訟などを通して、当社グループの企業イメージ及び当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性もあります。
また、いくつかの移動通信事業者や端末メーカーが、電波により起こり得る健康上のリスクについての警告を無線通信端末のラベル上に表示していることで、無線機器に対する不安感は高められているかもしれません。研究や調査が進むなか、当社グループは積極的に無線通信の安全性を確認しようと努めておりますが、更なる調査や研究が、電波と健康問題に関連性がないことを示す保証はありません。
引用した記述の最後の部分に注目してほしい。「更なる調査や研究が、電波と健康問題に関連性がないことを示す保証はありません。」と述べている。少し回りくどい表現だが、端的に言えば、「今後、電磁波による人体影響に関する調査や研究が進めば、両者の関連性を示す証拠が明らかになる可能性がある」と、言うことである。
NTTドコモは、なぜ、携帯電話やアイフォンの販売にマイナス要因として働く情報を、自社のウエブサイトで公表しているのだろうか。この記述の存在に気付くひとは、ほんの一握りではないかと思うが、それでも明確にマイクロ波による健康リスクを明記しているのである。その理由として考え得るのは、訴訟対策である。
欧米では、携帯電話と脳腫瘍の関連性が指摘されている。疫学調査では、ほぼ関連性が否定できないレベルにまで調査が進んでいる。当然、日本でも訴訟のリスクは高まっていく。
裁判になったとき、自社のウエブサイトでリスクを明記していれば、携帯電話の危険性に警告を発してきたという一応の「アリバイ」になる。こうした事情を考慮して、マイクロ波のリスクを公表しているのではないだろうか。
◇基地局周辺の住民は「モルモット」
しかし、別の問題がある。携帯電話やアイフォンを使うか否かは、住民が自分の意思で選択でき、たとえ電磁波が原因で病気になっても自己責任であるが、携帯基地局の周辺に住む住民は、容赦なくマイクロ波を浴び続けることになる。無線通信機器とは無縁な幼児や高齢者まで、巻き込まれてしまう。
しかも、無線で送信する情報量が増えるにつれて、基地局から発せられる電波の出力も高く再設定される傾向がある。それだけ健康リスクも高くなる。
NTTドコモに限らず電話会社は、政府が定めている電波の安全基準(電波防護指針)を守っていることを理由に、基地局の操業を正当化しているが、ドコモ自身が認めているように、「更なる調査や研究が、電波と健康問題に関連性がないことを示す保証」はないのが実態である。それに日本の電波防護指針は欧米に比べて、1万倍も10万倍も緩やかで、実質的には規制になっていない。
そうすると基地局周辺の住民は、「モルモット」扱いにされていることになる。基地局問題が重大な人権問題であるゆえんである。ただ、広告収入に依存したマスコミがそれを繰り返し報じないために、大半の人は、自分たちが置かれた状況を認識していない。
◇脳や生殖器にどのような影響が現れるのか?
広義の電磁波、あるいは放射線の分類は次のようになる。
【電離放射線】
原発のガンマ(γ)線、病院で使われるエックス(X)線 など・・・・
【非電離放射線】
太陽の紫外線、可視光線、携帯電話や電子レンジのマイクロ波など高周波電磁波、送電線や家電の低周波など・・・
これらはいずれも電磁波、あるいは放射線の仲間である。 電離放射線の危険性は、既に常識として定着している。
これに対して非電離放射線は、人体影響がないというのが、長い間の定説だった。ただし、紫外線の危険性は多くの人々が常識として知っいる。
ところが1980年代ごろから、非電離放射線も人体影響があるとする説が有力になってきたのである。携帯電話のマイクロ波についていえば、2011年、WHO傘下の国際癌研究機関が発癌の可能性を認定した。携帯基地局の周辺で、健康被害が相次いでいることは、今や周知の事実である。
が、問題は依然として非電離放射線をめぐる研究・調査は途上にある点だ。従って通学電車の中で、スマートフォンを使って勉強している高校生が、たとえば40歳になったときに、脳や生殖器にどのような影響が現れるのかは誰も知らない。
あるいは、基地局からのマイクロ波を1日24時間にわたって浴びた幼児が成人したとき、人体にどのような影響が現れるかは、誰も知らない。「みんなが気にしていないから、大丈夫」と思っているに過ぎない。
日本の裁判所は、住民の命を守ってくれない。それゆえにドコモが自社のウエブサイトで警告している次の言葉を忘れるべきではない。
? 更なる調査や研究が、電波と健康問題に関連性がないことを示す保証はありません。
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