1. 携帯電磁波による健康被害の実態 神戸市北区の例

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2012年11月23日 (金曜日)

携帯電磁波による健康被害の実態 神戸市北区の例

神戸市北区に住む溝口(仮名)さんの自宅は、携帯基地局のアンテナが林立するビルの隣にある。空を見上げると怪物の角を連想させるグロテスクな光景が視界に飛び込んでくる。20数年前に結婚に伴い引っ越してきたころには、想像もしない環境に投げ込まれたのである。

アンテナを設置したのはKDDIとソフトバンクの2社である。溝口さん一家は、日夜を通じて携帯電磁波に被曝することになったのだ。

最初のアンテナが設置されたのは、2003年の夏だった。KDDIが携帯基地局を稼働される旨を伝えるチラシをポストに投函した。しかし、特にそれに気を止めることはなかった。当時、溝口さんは携帯電磁波の人体影響について知らなかったのだ。

そのために頭上にそびえる奇妙な物体に気が付いたときも、取り立てて心配することもなっかた。が、まもなく身体に異変が現れてきた。溝口さんが言う。

「体調不良とはいえ昼間に少し長い昼寝をすれば、何とか生活もできていましたが、段々と不眠症がひどくなっていきました。鼻炎も悪化して、年中症状が出るようになりました。目は乾燥して目薬が手放せなくなりました」

さらに次のような症状があった。

※目の乾燥

※イライラ

※記憶の衰え

※頻尿

※体重減

※皮膚のかゆみ

これらの症状は、程度の差こそあれ家族全員に現れたという。

◇北里研究所病院の診断

ソフトバンクの基地局が隣のマンションに設置されたのは、2006年の1月である。その結果、溝口さん一家は、KDDIとソフトバンクの基地局から放出されるマイクロ波を浴びるようになったのである。

身体の不調が携帯電磁波により誘発されているのではないかと疑い始めたのは、インターネットで情報収集するようになってからである。その後、溝口さんは関西で携帯基地局の撤去運動を推進している人々と情報交換するようになった。

2008年の10月、溝口さんは東京都港区にある北里研究所病院の宮田幹夫医師を訪ねた。診察を受けた結果、「化学物質過敏症」と診断されたのである。

宮田医師が作成した「所見書」は、次のように述べている。

本患者の多彩な症状は決して精神的なものではなく、神経系の機能障害が起こしている身体的な病状です。(略)

化学物質過敏症は決して稀な病気でもなく、稀な特異体質でもありません。欧米の調査では、人口の1割弱、本邦の京都大学医学研究科教授内山巌先生が、以前国立衛生院時代に調査された結果では、治療を要する患者数は70万人ほど存在していると報告しておられます。また、科学物質過敏症患者は、体調不良であるために、しばしば電磁波にも敏感に反応するようになります。本患者もその例かと思われます。御高配を賜りたくお願い申し上げます。

「所見書」が明記しているように、化学物質過敏症の患者は、電磁波にも反応しやすい。携帯基地局が自宅の隣マンションに設置された後、溝口さんが体調の不良を訴えるようになったゆえんではないか。

宮田医師の診断に基づいて、溝口さんの夫・義男さん(仮名)はソフトバンクの孫社長に次のような手紙を書いた。(手紙の全文はここをクリック)

◇KDDIの基地局を撤去

不幸中の幸いか、2012年の7月に、KDDIは基地局からの電波発信を止めた。そして9月に基地局を撤去した。基地局を改築する計画があり、新型の基地局の重量では、マンションの耐震性に問題が生じるので、撤去を決定したのである。

こうしてKDDIの電波は止まった。しかし、現在もソフトバンクの電波が放出され続けている。

ソフトバンクは即刻に基地局を撤去すべきだろう。