1. 自宅から退去せざるを得ない住民が続出、電話会社による強引な通信基地局の設置、水面下の社会問題に

携帯電話の基地局問題に関連する記事

2021年11月27日 (土曜日)

自宅から退去せざるを得ない住民が続出、電話会社による強引な通信基地局の設置、水面下の社会問題に

今年の10月4日に、自民党の金子恭之議員が総務大臣に就任した後、携帯電話の通信基地局をめぐる電話会社と住民の間のトラブルが深刻になっている。電話会社が住民の意思を無視して一方的に基地局を設置し、泣き寝入りのかたちで自宅から退避せざるを得ない人々が急増しているのだ。水面下で新しい社会問題が進行している。

金子総務大臣の就任とトラブルの急激な増加を裏付ける証拠はないが、少なくとも問題が深刻になっているのが実情である。

楽天モバイルの基地局設置をめぐるトラブルは、1年ほど前から次々と、「電磁波からいのちを守る全国ネット」へ持ち込まれてきたが、幸いにこれまでは住民側が基地局設置を嫌がった場合に限り、設置計画を中止することが多かった。ところが最近は、住民が反対しても、電話会社が強引に計画を断行する傾向が顕著になっている。

具体的な例は、デジタル鹿砦社通信に掲載した次の記事を参考にしてほしい。無線通信に使われるマイクロ波による人体への影響についても言及している。

【参考記事】5Gの時代へ、楽天モバイルの通信基地局をめぐる3件のトラブル、懸念されるマイクロ波の使用、体調不良や発癌の原因、軍事兵器にも転用のしろもの

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住民が基地局設置に反対すると電話会社は、「総務省の電波防護指針を守っているから絶対に安全です」と説明する。しかし、その総務省の電波防護指針は、欧州評議会の1万倍もゆるく設定されており、実態としてはまったく規制になっていない。次に示すのが、電波防護指針の国際比較である。

日本:1000μW/cm2

イタリア:10μW/cm2

スイス:9.5μW/cm2

パリ・6・6μW/cm2

欧州評議会:0.1μW/cm2(勧告値)

マイクロ波に遺伝子毒性があることが明らかになってきた結果、欧州では規制値を見直すようになったのである。
しかし、日本の総務省は、現在の規制値を1990年に設定した後、30年以上も更新していない。御用学者を使って、安全宣言を繰り返してきた。

その根拠として電話会社は、科学的な根拠がないと繰り返してきたが、既に動物実験でマイクロ波そのものには発がん性があることは立証されている。(アメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP-米国国家毒性プログラム)の最終報告、2918年)

疫学調査も世界各地で行われており、基地局周辺に体調不良や癌が多いことが明らかになっている。しかし、総務省は耳を傾けようとはしない。電話会社の便宜を図っている。「予防原則」を優先して、基地局設置を規制する動きはない。

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わたしはあたかも自分の特権のように、好き勝手に基地局を設置して、住民が退去せざるをえない情況に追い込んでいる企業は、作業員も含めて、正常な人間性を喪失していると見ている。自分たちがやっている重大な行為の意味を理解していない。それはちょうど旧日本軍の731部隊が、平気で生態解剖実験を繰り返したのと同じ心理なのではないか。

集団になると狂暴になる。一人になるとなにもできないおとなしい人が、豹変してしまう。そこにわたしは社会病理を感じる。

【金子恭之事務所への問い合わせ】
携帯電話の通信基地局設置をめぐる電話会社と住民のトラブルを取材しているフリーライターです。貴殿が総務大臣に就任された後、トラブルが増えて、自宅から退去せざるを得なくなる住民が続出しています。

貴殿は、マイクロ波の安全性について、どのような見解をお持ちなのでしょうか。

参考までに、電波防護指針の国際比較を示しておきます。

日本:1000μW/cm2

イタリア:10μW/cm2

スイス:9.5μW/cm2

パリ・6・6μW/cm2

欧州評議会:0.1μW/cm2(勧告値)

被害が出た場合、貴殿はどう責任を取られるのでしょうか。今月中にご回答ください。