1. 人類に対する重大な犯罪、5G導入がもたらす人体へのリスク

携帯電話の基地局問題に関連する記事

2019年11月07日 (木曜日)

人類に対する重大な犯罪、5G導入がもたらす人体へのリスク

5Gをテーマとした報道が活発化している。その大半は、5Gで使用される電磁波(ミリ波)による人体影響に警鐘を鳴らしたものではなく、ビジネスの観点から、5Gの普及を奨励するものだ。電磁波問題は、報道から除外されていると言っても過言ではない。その結果、5Gにバラ色の未来を連想しているひとが多いようだ。

ジャーナリズムの役割は、むしろ企業が公にしない危険な側面を暴露することにあるのだが、なぜか日本の大半のメディアは逆に企業活動を援護する視点の報道を続けている。5G万歳の視点だ。

が、それでも『週刊ダイヤモンド』(11月9日)の特集「5G大戦」には、興味深いデータが掲載されている。今後、予測される基地局の増加について、電話各社の計画を紹介ているのだ。ただし健康リスクに関する記述はない。

【NTTドコモ】
21年6月末までに1万局。24年3月末までに2万6334局。

【KDDI】
22年3月末までに1万局、24年3月末までに5万3626局。

【ソフトバンク】
24年3月末までに1万1810局。

日本中のいたるところに基地局が設置されると見て間違いない。

現在使われている4Gの基地局を転用する計画もあるが、「4Gに使っている周波数帯で、5Gで期待される能力の全てを引き出すのは難しい」という。

こうした事情もあり、5Gで使われる電磁波は、「ミリ波」と呼ばれる周波数帯が主流になる。

 

◆「一発ヒット」のリスク
ちなみに電磁波とは、端的に言えば電波のことである。電波を被曝した場合に生じる人体影響を考察するのが、電磁波問題である。

電磁波には、エネルギーが低い低周波のものもあれば、エネルギーが高い高周波のものもある。低周波の中でよく知られているものとしては、家電や送電線の電磁波である。超低周波の電磁波と小児白血病の関係は、疫学的にはすでに明らかになっている。高圧電線の近くに住む子どもが白血病を発症率が高い。

エネルギーが高い高周波の電磁波の代表格は、原発のガンマ線と医療で使われるエックス線である。ガンマ線やエックス線を被曝すると癌になるリスクが高くなる。被曝が少なければ問題ないとする説が広がっているが、たった1回の被曝でも、微量の被曝でも、遺伝子を破壊してしまうこともある。「一発ヒット」である。

ちなみに日本では、エネルギーが高く、遺伝子を破壊する力がある電磁波のことを、放射線と呼んでいるが、欧米ではエネルギーが低いものから、高いものまでを一括して放射線と呼んでいる。

『電磁波に苦しむ人々-携帯基地局の放射線』(花伝社)を出した後、「携帯基地局の放射線」は間違いで、正しくは「携帯基地局の電磁波」であるという投稿がネット上で広がり、無知の恐ろしさを思い知ったのである。

電磁波の安全性に関する研究が本格的に始まったのは、1980年代である。米国で超低周波電磁波と小児白血病の関係が指摘されたのが最初だ。もっともそれ以前にも、電磁波による人体影響による研究は行われていたが、本格的な研究が始まったのは、1980年代に入ってからだ。それ以前は、おもに軍事兵器の開発を目的として研究が行われていて、1970年代には早くもソ連がマイクロ波を利用した武器(脳を攻撃して、頭を混乱させる)を開発している。

マイクロ波は、携帯電話や電子レンジに使われる電磁波である。2011年5月、WHOの外郭団体である国際がん研究機関は、マイクロ波に発癌性がある可能性を認定した。さらに同機関は現在、マイクロ波の発癌リスクの区分見直しを行っており、近い将来、「発癌の可能性」から、「おそらく発癌性がある」、あるいは「発癌性がある」へ区分が格上げされる可能性が高い。

さらに今年の1月には、アメリカの国立環境衛生科学研究所がNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告を行い、その中でマイクロ波と癌の関係を認定した。このプロジェクトは、予算が3000万ドル。研究史上でも最大級のプロジェクトである。

このように、われわれが日常的に使っているスマホや携帯電話のマイクロ波が遺伝子を破壊することはほぼ疑いなく立証されているのだ。

 

◆第5世代は、第3世代の14倍のエネルギー
しかし、5Gで主要になる電磁波は、マイクロ波ではない。マイクロ波よりもさらにエネルギーが高い「ミリ波」と呼ばれる電磁波が使われる。第3世代から、第5世代までの電磁波のエネルギーを比較すると次のようになる。

第3世代・・2GHz(2,000メガヘルツ)

第4世代・・3.4GHz(3,400メガヘルツ)、または3.6(3600メガヘルツ)

第5世代・・28GHz(28,000メガヘルツ)

5Gと3Gを比較すると、電磁波のエネルギーは、なんと14倍も高くなる。現段階でエネルギーが高くなればなるほど危険とは結論づけられないが、相対的にそういう傾向があることは間違いない。

電磁波による人体影響の評価は近年変化している。かつてはエネルギーが低いものは安全と考えられていたが、現在は、エネルギーの大小に関係なくすべての電磁波がリスクを伴うという考えが、ほぼ定説になっている。

◆「変調電磁波」のリスク

電磁波のエネルギーが高くなると、電波の直進性が強くなる。そのために鉄筋コンクリートの壁などに跳ね返って、住居などに入りにくい。そこで次のような対策が予測される。

1、大量の基地局を設置する。現在、基地局に基地局を設置する計画が決定済みだが、将来的には電柱にも設置されると予測される。

2、ミリ波に低周波の電波を混ぜた「変調電磁波」を使う可能性。エネルギーが低い電磁波は、直進性が弱いために、家の中に入りやすい。そこで高周波と低周波が混じった「変調電磁波」の登場になる。「変調電磁波」は、現在のスマホにもすでに導入されている。

しかし、変調電磁波が人体に及ぼす影響は不明だ。

 

◆◆◆◆

このようにG5には、極めて高いリスクがあるのだ。そのリスクと引き換えに利便性を選択するのは自由だが、電磁波はG5を歓迎しない人々の健康をも蝕むことになる。

今後、若年層の癌はますます増えるだろう。