1. アメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告、心臓の腫瘍、マイクロ波と癌の関係は明白と結論

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2018年11月05日 (月曜日)

アメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告、心臓の腫瘍、マイクロ波と癌の関係は明白と結論

携帯電話(スマホ)で使われる電磁波と発癌の関係を指摘する最新の研究結果が公表された。1日付けのMWN(Micro wave News)によると、アメリカの国立環境衛生科学研究所は、2月に発表したNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告を修正し、動物実験でマイクロ波と癌の関係が明白になったと発表した。

NTPは10年に渡る長期プロジェクトで、予算も3000万ドル。最大級のプロジェクトである。

修正された最終報告によると、動物実験の期間である2年間に、オスのラットの心臓に悪性腫瘍が増えたことを示す「明確な証拠」が得られたという。一方、マイクロ波を放射しなかった実験群のラットでは、心臓の腫瘍は発生しなかった。

また、脳や腎臓については、腫瘍の発生率こそ心臓よりも高いが、これらの相互関係は弱いとの結論となった。

国立環境衛生科学研究所は、自らが進めていたNTPの最終報告を今年の2月に発表していた。この時は、マイクロ波に高い発癌リスクがあるとは言えないと結論づけていた。

しかし、それ以前に発表していた中間報告で、ラットやマウスを使った実験などを根拠に、マイクロ波には特に脳腫瘍と心臓の腫瘍を発症させるリスクがあると発表していた。

2月の最終報告で、中間報告が完全に否定されたこともあり、専門家の間で疑問視する声があがっていた。そこで検証委員会が設けられ、検証の結果、NTPに対して修正するようにアドバイスしていた。