2018年09月05日 (水曜日)
マイクロ波を利用した武器はすでに実用の段階に、脳に大きなダメージの可能性、米ニューヨーク・タイムズが報道
CNNがマイクロ波による人身攻撃に関する記事を掲載している。タイトルは、「米外交官狙った正体不明の『音響攻撃』、原因はマイクロ波か」。
キューバなどに駐在する米国の外交官らが、身体の不調を訴え、原因がマイクロ波による攻撃だったとの見方が浮上したとする記事である。■出典
マイクロ波というのは、携帯電話やスマホの通信に使われる電波(電磁波)のことである。
実は、CNNの記事の情報源となっているのは、9月1日付けのNYT(ニューヨーク・タイムズ)の記事である。■出典
この記事では、マイクロ派を利用した武器がすでに実用の段階に入っており、米国はいうまでもなく、ロシア、中国、ヨーロッパ諸国も、新型武器の技術をもっている可能性を指摘している。まるでSFの世界だが、NYTは極めてリアルな問題提起をしている。
◆1960年代から指摘されていた人体影響
2016年、キューバのハバナにある米国大使館の外交官やその家族が体の不調を訴えるようになった。吐き気、頭痛、めまい、不眠、難聴、それに頭部に感じる音響(幻聴)などである。彼らを帰国させた後、科学者たちが詳しく調べたところ、マイクロ波による攻撃を受けていた強い疑惑が浮上したのである。
マイクロ波による音(実際には音は出ていないが、脳が音が出ているように感じる症状)の影響については、これまであまり言及されてこなかった。超低周波を被曝したときに音を知覚する現象については、以前から指摘されていたが。
筆者は、携帯電話・基地局から放射されるマイクロ波による健康被害を取材してきたこともあり、音の被害を訴える人から話を聞いたこともある。しかし、
マイクロ波と音の関係について聞いたことがなかったので、「それは低周波の影響でしょう」と説明していた。
しかし、NYTによると、マイクロ波が引き起こす音(幻聴)は、1960年代から、研究が始まっていたという。コーネル大学でレーザーの測定を行っていた男性が、生物学者のフレイ教授の研究室に駆け込んで症状を訴えたのが最初である。
その後、マイクロ波と幻聴の関係が解明されていき、フレイ教授は、当時、武器の開発に力を入れていたソ連から、レクチャーを依頼され、ソ連の軍事施設に案内された。
ソ連がマイクロ波による兵器開発を進めたように、米国も同じ道を走った。
そして米国空軍に所属する科学者たちは、2002年と2003年に特許まで取得している。それは敵の頭に、単なる音ではなく、言葉で意味を形成した幻聴を起こさせる技術である。
マイクロ波の武器により、敵の脳をコントロールして、戦意を喪失させるなどの戦略が可能になっているのだ。脳がダメージを受けるのはいうまでもない。
フレイ教授は、キューバの事件に関しては、キューバと米国の関係改善を望まないロシアの仕業ではないかと見ている。ソ連崩壊の後、両国の関係は疎遠になっていたが、プーチン大統領がそれを修復し、現在は正常化している。従って、このような「犯罪」も可能になる。
ちなにみ中国でも、米国の外交官がマイクロ波の影響と思われる被害にあっている。
新しい兵器は、すでに実用の段階に入っている。軍事目的のマイクロ波の利用は、ますます広がっている。スマホはいうまでもなく、WiFi も恐ろしいスピードで普及している。さらに最近は、電力の使用量を計測するスマートメーターにもマイクロ波が使われている。将来的には、自動運転にも応用される。
もっとも兵器に使われるマイクロ波と日常的に使われるマイクロ波では、電波の強度が違うが、スマホを長期に使い続けたとき、微量であっても脳に悪影響がでる可能性が高い。
◆日本でも人体実験が?
なお、マイクロ波の安全基準は次のようになっている。
日本:1000μW/cm2
イタリア:10μW/cm2
スイス:6.6μW/cm2
EU:0.1μW/cm2(提言値)
読者は、日本の基準値が飛び抜けて高い理由を推測できるだろうか。基準値は1000μW/cm2となっていても、実際に計測してみると、高い所でも1
W/cm2程度である。しかも、通信は0.1以下でも十分にできる。
が、それにもかかわらず日本の基準値は、1000μW/cm2に定められているのだ。筆者の推測になるが、日本もマイクロ波を利用した兵器の開発を、水面下で進めているから、規制に抵触しないように、これだけ高い数値を設定しているのではないか。
【参考記事】28GHz帯を用いロケットの推力をワイヤレス給電
筆者のところに、時々、寄せられる「基地局の近くで音が聞こえる」という情報提供は、情報提供者が精神疾患の場合もあるが、人体実験のターゲットになっていた可能性もある。先日も仙台市の団地の住民が、「多数の人が音に悩まされている」という情報提供があった。
数年前、筆者は鎌倉市のある民家の住民を取材したことがる。家の前の道路を挟んで、無人になった会社の寮があり、その建物の屋上に、携帯基地局があった。
この家の住民は、「夜になるとものすごい音がする」と訴えていた。体もぼろぼろだという。
今にして思えば、筆者はこの人は、マイクロ波による兵器開発の人間モルモットにされていたのではないかと疑っている。実際、その無人の寮は、その後、跡形もなく解体された。
恐ろしい話である。