急増するメディア黒書への内部告発と新聞人からの抗議、公取委への「押し紙」情報提供が不可欠に
『新聞凋落』というムックが宝島社から出版された。新聞に対する評論に加え、多くのページを割いて、中央紙の発行部数が激減している実態や「押し紙」問題をレポートしている。このようなムックの出版は、新聞というメディアの没落を象徴する現象である。
こうした状況のもと、筆者のもとに新聞販売店か「押し紙」に関する情報が数多く寄せられている。引退した「大物店主」から、内部告発したいとの申し出も受けている。近々にメディア黒書にこの元店主のインタビューを掲載することになるだろう。
一方、新聞社の幹部から筆者に対する抗議も増えている。相変わらず「我が社には、『押し紙』など1部も存在しない。名誉毀損で訴えるぞ」などという昔ながらの常套句を繰り返している。
新聞社に30年も40年も勤務して出版文化の環境にいながら、この程度の人格しか持ち合せていないのだ。現場へ足を運べば、「押し紙」の実態はすぐに分かる。大変な社会問題であることがただちに判明する。新聞人は自分たちの先輩たちが構築した新聞のビジネスモデルを恥じるべきだろう。
筆者に対する抗議文の質は、元新聞記者とは思えないほどレベルが低い。論理の破綻、他人の文章のパクリ、文法の誤り、そして誤字。なかには箸にも棒にも掛からないものもある。本当に取材して書いたのかと疑いたくなる代物もあるのだ。
それでも差出人の肩書きだけは、「部長」、「室長」、「弁護士」など立派なものになっている。いずれインターネットで原文をそのまま公開することになるかも知れない。
◇録音テープが立証する「押し紙」の証拠
筆者の対抗策としては、公取委に「押し紙」関連の資料をすべて提出することである。販売店主らが新聞の搬入部数を減らすように要求している事は、担当員との録音テープを聞けば分かる。録音テープは決定的な「押し紙」政策の証拠である。
それに最近は、「押し紙」の実態を伝える動画も増えている。たとえば次の動画。
「押し紙」回収を撮影したこの動画を見るだけで、「押し紙」が大変な社会問題であることが分かる。
「押し紙」は単に独禁法の新聞特殊指定に抵触しているだけではなく、紙資源の無駄遣いという環境問題でもある。新聞関係者は、大変な過ちを犯して来たのである。