産経「押し紙」裁判の判決を批判、週刊金曜日、産経が裁判所への上申書でメディア黒書を批判
本日発売の『週刊金曜日』が「『押し紙』を認めて責任認めず?」(金曜アンテナ)と題する記事を掲載している。黒薮の執筆である。この記事は、昨年12月1日に判決が言い渡された産経新聞「押し紙」裁判で、販売店を敗訴させた判決(野村武範裁判長)を批判した内容だ。
記事の中で、筆者は裁判の結審に先立って、産経の奥村毅弁護士と小泉裕樹弁護士が、期日の早期再設定(コロナウィルス感染拡大の影響で、一旦、取り消されていた)を求める上申書を裁判所へ提出し、その中で「メディア黒書」と筆者を批判していたことを報告している。紙面のスペースに制限あり、批判箇所の全体を引用できなかったので紹介しておこう。
以下、批判部分の記述である。
しかし、今般、本件訴訟につき悪質な記事がインターネットで配信されていることが発覚しました。
配信しているのは、フリージャーナリストと称する黒薮哲哉氏で、「メディア黒書」と題するサイトの本年7月22日付けの記事(http://www.kokusyo.jp/oshigami/15389/)に本件訴訟に関する記事が掲載されております。記事には、本件訴訟で提出された資料がそのまま掲載されているうえ、訴訟経過についても原告有利に事実が歪曲されています、原告が訴訟を有利に進めるために黒薮氏と連携し、記事を配信させていることが明らかです。
被告としても、当面は静観する予定でおりましたが、悪質な報道が繰り返され、エキサイトした場合は放置できないと考えております。
裁判所におかれましては、以上の事情を斟酌いただいたうえ、できるだけ早期に期日を指定していただきますよう、上申いたします。
「原告が訴訟を有利に進めるために黒薮氏と連携し、記事を配信させている」と述べている。しかし、このような事実はなく、原告を取材し広義の「押し紙」問題を公にするように促したのは、筆者の側である。「押し紙」のような犯罪的行為は、容赦なく告発するように説得したのである。
もちろん産経側から取材は受けていない。
また、「悪質な報道が繰り返さ」たと述べているが、「悪質な報道」が何を意味しているのか具体的に示されていない。
昔、「裁判となればわが方のもの」と豪語した新聞人がいたが、恥ずかしい発言である。新聞人であれば、「調査報道となればわがほうのもの」でなくてはならない。自社のメディアで「押し紙」報道を批判すればいいだけの単純な話ではないか。