1. 新聞人が東京・豊島区の広報紙を大量廃棄、水増し率が43%、折込定数がABC部数を大幅に超過

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新聞人が東京・豊島区の広報紙を大量廃棄、水増し率が43%、折込定数がABC部数を大幅に超過

今月の『紙の爆弾』(5月号)で、東京23区の広報紙の水増し実態を取り上げた。23区のうち12区で明らかな水増し行為が行われているとする調査結果を公表した。

その後、追加の調査を実施したので、その一部を紹介しよう。豊島区のケースである。

豊島区は、23区の中でも、もっとも水増し率が高い区である。大量に廃棄されているのは『広報としま』である。同区のウェブサイトによると、発行状況は次の通りである。

「毎月1日は『特集版』と『情報版』を、毎月11・21日は『情報版』を発行」している。「また年に2回、「特別号(としまplus)」(A4冊子版)を全世帯に配布」する。

豊島区の場合は、基本的にはデジタルブック版で『広報としま』にアクセスする制度になっているが、「ほか、日刊紙(朝日・読売・毎日・東京・産経・日本経済)への折り込みや、区内各駅の広報スタンド、区内ファミリーマート、区内公衆浴場、区内郵便局、区施設の窓口にも置いてい」る。

「また、区内在住で、新聞を購読していない世帯(企業は除く)で、ご希望のかたに個別配布をしてい」る。個別配布の部数は、同区の広報課によると、月に4000部程度である。

『広報としま』の新聞販売店向けの卸部数の内訳は次の通りである。

全体:96、000
新聞折込:76、500
ABC部数:43,722
過剰になった広報紙の部数:32,778
水増し率:43%

ABC部数が約4万3700部しかなにのに、折込対象になっている『広報としま』の部数は、7万6500部である。約3万2700部が廃棄されている。「押し紙」が1部たりともなくても、約3万2700部が捨てられていることになる。

「押し紙」があれば廃棄量は、この比ではなくなる。

◆◆
新聞折込を目的として豊島区が広報紙を卸している販売店、あるいは代理店と、その卸部数は次の通りである。

朝日新聞池袋ステーション:20,150部
読売インフォメーション:26,950部
産経新聞池袋西口専売所:4,500部
東京新聞長崎専売所:11,050部
ニュースサービス日経 巣鴨:13,850部
合計:76,500

上記の販売店・広告代理店のうち、読売インフォメーションに問い合わせたところ、読売アイエスという広告代理店が対応した。同社には、次のような質問状を送付している。

  読売アイエス様

 わたしはフリーランス記者の黒薮哲哉です。
 東京都の23区を対象に、広報紙の水増し実態を調査しています。

 豊島区役所の広報部によると、豊島区の場合、新聞折り込み用に広報紙が7万6500部割り当てられています。これは在京の6紙です。

 ところが在京6紙のABC部数は、4万3772部しかありません。(いずれも2019年6月のデータ)

差異の約3万3000部が水増しされている計算になりますが、過剰になった広報紙はどのように処理されているのでしょうか。

 黒薮