1. 3枚の写真で解説、新聞人による「押し紙」隠しの露骨な手口

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2018年08月24日 (金曜日)

3枚の写真で解説、新聞人による「押し紙」隠しの露骨な手口

 

「押し紙」とは、新聞社が販売店に対して買い取りを強要する新聞部数のノルマのことである。たとえば1000人の読者しかいない販売店に対して、1500部の新聞を搬入すれば、500部が残紙となる。

この500部のうち配達中の新聞の破損などに備えるための予備部数(搬入部数の2%程度)を除いた部数が「押し紙」である。

厳密に「押し紙」を定義すれば、「配達部数+予備部数」を超えた部数は、原則としてすべて「押し紙」である。改めていうまでもなく、「押し紙」に対しても卸代金は発生する。

「押し紙」の規模は、新聞社により異なる。毎日新聞のケースでは、「押し紙」が搬入部数の50%を超えていた販売店も複数確認されている。たとえば蛍ヶ池販売所(大阪府豊中市)では、搬入部数が2340部、実配部数が699部、残紙が1641部(2007年1月)であった。

本稿では、この「押し紙」を隠すための典型的な手口を3枚の写真で解説しよう。

 

◇公衆の視線を遮断する

「押し紙」を隠す方法はいくつかあるが、その中で最も単純で露骨なものは、コンテナ型のトラックを使って回収作業を行うことである。こうすることで公衆の視線から、「押し紙」を遮断することができる。まさにブラックボックスの原理である。

次に示す3枚の写真に注目してほしい。埼玉県内で同じ日に、同じトラックを追跡したものである。撮影者は、元新聞拡張団の男性。

(写真上)新聞人が販売店から「押し紙」を搬出して、コンテナ型のトラックに積み込んでいる光景である。

(写真中)コンテナの扉が開いた状態で、内部を撮影したものである。ビニール包装が解かれていない「押し紙」がぎっしりと積み込まれている。

(写真下)トラックが戸田市にある古紙回収業者の作業場に到着して、荷下ろし作業が始まる直前の様子だ。

このようにコンテナ型のトラックを使うことで、新聞人は「押し紙」を隠してきたのだが、最近、「押し紙」に相当する部数は、最初から印刷していないという情報提供も寄せられている。印刷せずに、帳簿上で部数を水増しして、販売店から新聞の卸代金を徴収するのだという。

理由は簡単で、用紙、印刷、運搬のコストを削減するためである。

 

◆数値の重要性についての認識不足

こうして新聞人は、「押し紙」を隠し、数値を偽ってきたのである。筆者は、新聞人が公表する数字、たとえば政党支持率などの世論調査の数字なども、信用すべきではないと考えている。新聞の実配部数をごまかしてきたわけだから、彼らが数値の重要性について、深く認識しているとは思えない。

 

【参考記事】福岡高裁が認定した読売の「押し紙」を考える