【特集】動画でみる「押し紙」世界一。「押し紙」と折込広告の回収実態、予測される損害賠償裁判の多発、販売店は証拠の保管を
最近の「押し紙」裁判の特徴として、裁判所がようやく「押し紙」問題を理解するようになったことである。以前は、裁判官の多くが、新聞社に限って社会的な不正行為を実行することはありえないという偏見を持っていたらしく、「押し紙」の存在は認められなかった。訴えは棄却されてきたのである。
もっとも2007年に最高裁で判決が確定した真村訴訟は例外である。これは地位保全裁判(真村訴訟)だったが、判決の中で読売の「押し紙」政策を認定した。また、2011年に山陽新聞の店主が勝訴したケースもある。だが、筆者の知る限り、その他の訴訟ではことごとく販売店が敗訴していた。
ここ数年、販売店が和解勝訴するケースが増えている。
※真村訴訟での「押し紙」政策認定については、読売はその解釈を認めていない。事実、この点に言及した『月刊Hanada』の記事(黒薮執筆)に、読売の滝鼻広報部長が抗議文を送りつけた。そこで、それに対する筆者の反論と、判決を以下に掲載しておこう。滝鼻氏が希望されるようであれば、抗議文の全文を掲載する。
■読売の滝鼻広報部長からの抗議文に対する反論、真村訴訟の福岡高裁判決が「押し紙」を認定したと判例解釈した理由
今後、「押し紙」の損害賠償をめぐる裁判が多発することが予測される。販売店が勝訴するためには、とにかく「押し売り」の証拠を保管しておことである。出来れば、1週間分ぐらいの「押し紙」を保管しておいて、それを証拠として、法廷に持ち込むことをお勧めする。人はものごとをビジュアルに認識すると、その実態を理解しやすい。
裁判官の大半は、現場に足を運ばないから、丁寧に状況を説明する必要がある。「押し紙」や折込チラシの動画を撮影しておくのも、有効な手段である。
◆「押し紙」の回収場面
次の3点の動画は、「押し紙」を回収している場面である。回収されている新聞が古紙でないことは、新聞がビニールで梱包されていることで分かる。毎日新聞の場合、「押し紙」率が70%を超える販売店もあった。
【動画1】
【動画2】
【動画3「今朝の毎日新聞が数時間後には只の新聞紙(古紙)になるまでの様子」
◆折込広告の破棄
「押し紙」とセットになっている折込広告も破棄される。以下の「1」と「2」は、過剰になった折込広告を段ボール箱に入れる場面である。「3」は、折込広告が入った段ボールを、トラックに積み込む場面である。
なお、「3」は、販売店から紙収集場までをカメラが追跡している。素人が撮影した動画だが、こんな場面はNHKに40年勤務しても撮影できないだろう。
【1,大量廃棄されるユニクロの折込広告】
【2,大量廃棄される山田養蜂場の折込広告】
【3,販売店から折込広告を搬出する場面】