1. 2017年11月のABC部数、日経は年間で27万部減、朝日は30万部減、読売は24万部減、新聞の「押し紙」型ビジネスモデルはほぼ崩壊

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2018年01月11日 (木曜日)

2017年11月のABC部数、日経は年間で27万部減、朝日は30万部減、読売は24万部減、新聞の「押し紙」型ビジネスモデルはほぼ崩壊

2017年11月度の新聞のABC部数が明らかになった。それによると、この1年間で朝日新聞は、約30万部を減らし、読売新聞は約24万部を減らした。地方紙を含む全国76紙のベースでみると、125万部が減部数となった。新聞の凋落傾向に歯止めはかかっていない。

中央紙5紙のABC部数は次の通りである。()内は前年同月比である。

朝日新聞:6,065,235(-295,411)
毎日新聞:2,899,711(-127,973)
読売新聞:8,765,366(-239,403)
日経新聞:2,456,555(-268,224)
産経新聞:1,520,262(-46,318)

2017年11月のABC部数(全紙)

◇減部数の中身は「押し紙」

ちなみにABC部数には、新聞販売店からの注文部数を超えて搬入される「押し紙」が含まれている。従ってABC部数の減部数が購読を中止した読者の数を示しているわけではない。それよりも「押し紙」を減らした結果がABC部数の減部数として現れていると解釈すべきだろう。

新聞社が「押し紙」を減らさざるを得ない背景には、販売店の経営悪化がある。折込広告の受注が激減しているので、折込広告の水増し収入で、「押し紙」で生じる損害を相殺する従来のビジネスモデルが機能しなくなっているのだ。

こうした状況の下では、「押し紙」を減らさない限り、新聞販売店の経営は成り立たない。これが新聞の凋落の中身なのである。読者(その大半は高齢者)そのものが極端に減っているわけではない。

それにしてもこれだけ多量の新聞が減部数になっていながら、新聞社はなぜ、倒産しないのだろうか。会食の場で、安倍首相から素晴らしい秘策でも受けているのかも知れない。独禁法違反で公正取引委員会が動けば、手も足もでないはずなのだが。

 

新聞の注文部数とは、新聞特殊指定によると、「実配部数+予備紙」のことである。従って梱包されたまま回収されている新聞は、予備紙としては使われておらず、理由のいかんにかかわらず「押し紙」ということになる。新聞業界は業界ぐるみで、独禁法に違反している可能性が高い。

 

【動画】「押し紙」回収の現場。毎日新聞のケース