大阪に続き千葉でも搬入される新聞の約7割が「押し紙」、100%独禁法違反の毎日新聞社、公取委は摘発を
千葉県の毎日新聞・販売店の元店主が起こした「押し紙」裁判で明らかになった新聞の偽装部数の実態を数字で紹介しよう。被告は毎日新聞社(当時、朝比奈豊社長)である。結論を先に言えば、「押し紙」率が約7割にもなっていた。約7割にも達した例は、大阪の高屋肇氏が経営していた毎日新聞・蛍池店と豊中店だけではなかった。関東でも同じような異常な実態があったのだ。
2013年1月から2015年7月までの期間に毎日新聞社が、原告の販売店に搬入した新聞の総部数は、4万8702部(搬入部数)だった。これに対して、実際に配達されていた部数は1万5095部(実配部数)だった。差異は、3万3607部。ここから予備紙(通常は実配部数の2%程度)を差し引いた部数が「押し紙」である。
この販売店の場合、搬入される新聞の約7割が「押し紙」だったことになる。
毎日新聞社は毎日、毎日、こりもせずに新聞を「押し売り」してきたのである。月ごとの数字は次の通りである。左の数字が実配部数、右の()ないの数字が搬入部数)
【H25】
1月 540 (1,584)
2月 528 (1,559)
3月 524 (1,559)
4月 501 (1,559)
5月 501( 1,559)
6月 500 (1,559)
7月 501 (1,559)
8月 490 (1,559)
9月 493 (1,572)
10月 497 (1,572)
11月 509 (1,572)
12月 502 (1,572)
【H26】
1月 502(1,597)
2月 498 (1,573)
3月 499 (1,573)
4月 492 (1,573)
5月 484 (1,573)
6月 480 (1,573)
7月 486 (1,573)
8月 482 (1,573)
9月 479 (1,573)
10月 477 (1,573)
11月 478 (1,573)
12月 473 (1,573)
【H27】
1月 472( 1,576)
2月 466 (1,573)
3月 460 (1,573)
4月 456 (1,576)
5月 455 (1,573)
6月 450 (1,573)
7月 420 (1,573)
合計 15,095( 48,702)
◇100%独禁法違反
この「押し紙」事件の特徴は、原告の店主が2012年7月に毎日新聞社との間で商取引の契約を締結した時点の実配部数が546部だったのに、それを承知のうえで、毎日新聞社が、当初から「押し紙」を送り続けた事実である。元店主は、繰り返し「押し売り」に「NO」を表明してきた。きっぱりと断っていたのである。それを立証する膨大な録音も残っている。
もし裁判所が公平な法の番人であれば、毎日新聞社は、「押し紙」によって元店主が受けた損害を全額賠償しなければならない。また、公正取引委員会も、独禁法違反で、同社に対して指導に乗りださなければならない。新聞社だけを特別扱いすべきではないだろう。
◇社会部出身の朝比奈豊社長
ちなみにこの「押し紙」裁判に先立って、毎日新聞社は、元店主に対して店舗からの退去を求める裁判を起こしている。元店主は、「押し紙」が原因で毎日新聞への新聞代金の納入ができなくなった。そこで毎日新聞社は、店主との商取引を一方的に破棄した経緯があった。
ところが元店主は、産経新聞や東京新聞も配達していたので、引き続き店舗を必要とした。こうした事情を知りながら、元店主に店舗からの退去を一方的に求める裁判を起こしたのである。裁判を好む読売と体質が類似していないだろうか。
提訴時には、社会部出身の朝比奈豊氏が社長を務めていた。同氏は社会部の出身でありながら、新聞の押し売りを公然と認めてきたのである。一行たりとも「押し紙」を報道していない。いや、ひとつだけ例外があった。
【参考記事】毎日新聞と伊藤一郎、偽装部数追究のジャーナリストを「自称フリーライター」呼ばわり
毎日新聞社の第3者委員会「開かれた新聞委員会」も「押し紙」問題にはふれない。上記の記事も問題にしていない。ジャーナリズムを駄目にした諸悪の根元には絶対にタッチしないらしい。
【写真】毎日新聞の「押し紙」、新聞で梱包されているのは、廃棄される折込広告。岡山県内で撮影。