1. 小児甲状腺癌の発生率が二本松市で50倍に、東京も被曝の圏外ではない

原発に関連する記事

2015年12月04日 (金曜日)

小児甲状腺癌の発生率が二本松市で50倍に、東京も被曝の圏外ではない

『月刊日本』が、福島の惨状を報じている。タイトルは、「福島で急増する子供の甲状腺癌」。岡山大学の津田敏秀教授の論文を紹介しながら、水面下で進行している被曝の実態を伝えている。

まず、子供に甲状腺癌が多発してる実態を次のように伝える。

 津田教授らは2014年12月31日までに集計された調査結果(黒薮注:福島県が実施したもの)を分析した。この時点までで、受診者29万8577人の内110人が悪性ないし悪性の疑いと判断され、そのうち87人が手術を行っている。津田教授らがこれら検査結果を地域別に分析したところ、甲状腺癌の発生率が全国平均と比べ、二本松市などでは50倍、郡山市などでは約40倍にも達していることがわかったという。

このような衝撃的な数値に疑義を唱える研究者らは、福島県が通常よりも精度の高い検査を行った結果、高い数値になったと反論するが、津田教授によると、たとえ検査の精度が原因で誤差が生じたとしても、50倍もの差異になることはありえないという。せいぜい2倍から7倍ぐらいだという。

福島はチェルノブイリと同じか、それをうわまわる深刻な被曝の実態に直面しているのだ。ちなみにチェルノブイリにおける小児甲状腺癌の発症のピークは、原発事故から10年目だった。福島の場合、2020年の東京オリンピックが開催されるころに最悪の事態になる可能性が高い。

◇東京も被曝している?

福島の原発事故の影響は東京には及ばないのだろうか。これに関しても、興味深いデータが紹介されている。1950年代に米国ユタ州のセント・ジョージという町で住民たちが次々と癌で死亡する不思議な現象が起きた。

その原因は、後にユタ州の隣に位置するネバダ州で1951年から97回の核実験が行われた影響であると推測されるようになった。セント・ジョージと核実験の距離は220キロだった。

これはちょうど福島と東京の距離に匹敵する。

そういえば東京の順天堂大学病院の血液内科受診者が急増しているとの報告もある。以前、メディア黒書で紹介した次の記事である。
■順天堂大学病院の血液内科受診者が急増、東京都も原発の汚染地帯か?特定秘密保護法の施行で隠蔽される情報