佐賀県全域における西日本新聞の「押し紙」率は17%、2009年の内部資料
個々の新聞販売店における「押し紙」の実態は、「押し紙」裁判などを通じて明らかになったケースが数多くあるが、特定の新聞社の広域における「押し紙」の詳細も徐々に暴露され始めた。
最初に広域における「押し紙」の実態が表沙汰になったのは、2005年の毎日新聞社のケースである。社長室からもれた内部資料を『FLASH』などがスクープした。毎日新聞の全国における「押し紙」の実態が暴露されたのだ。それによると2002年10月段階で「押し紙」率は36%だった。
2016年には、北九州の地方紙(厳密にはブロック紙)である西日本新聞の佐賀県全域における「押し紙」の実態が明らかになった。この資料(2009年8月度)については、まだ認知度が低いので、再度紹介しておこう。
次に示すエクセルがその資料である。
【表の見方】
1、表の最左の縦列は、佐賀県下の新聞販売店を示している。
2、黄色の縦帯は、新聞販売店が西日本新聞に注文した部数を意味する。たとえば鳥栖中央店では、1,802部を注文したことを意味する。
3、緑の縦帯は、新聞社が実際に搬入した部数を示している。鳥栖中央店のケースでは、2,158部である。
つまり鳥栖中央店は、1802部を注文したにもかかわらず、新聞社は注文部数を超えた2,158部を搬入したことになる。
佐賀県下における「押し紙」率は17%である。新聞社サイドがこの資料を作成して販売店と共有していたわけだから、新聞社は注文部数を超えた部数を販売店に搬入していることになる。当然、誰が見ても独禁法の新聞特殊指定に抵触している。
残紙は予備紙という詭弁も成り立たない。残紙が回収された事実があるわけだから、予備紙としては使われていなかったことになる。