1. 鳩山検審に架空審査会の疑惑、いわくつきの請求書で浮上した裏金づくりの舞台裏、志岐武彦氏が新事実を指摘

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2014年11月19日 (水曜日)

鳩山検審に架空審査会の疑惑、いわくつきの請求書で浮上した裏金づくりの舞台裏、志岐武彦氏が新事実を指摘

小沢一郎氏に対して2010年9月に起訴議決を下した東京第5検審が架空だったのではないかという疑惑に続いて、鳩山検審(東京第4検審)も架空だった疑惑が浮上している。小沢検審について調査し、『最高裁の罠』を著した志岐武彦氏が入手した新資料で、重大な疑惑があることが分かった。

疑惑の内容を説明する前に、鳩山検審の発端となった鳩山事件にふれておこう。

鳩山事件とは、鳩山元首相が母親から18,000万円の譲渡を受け、秘書がこれを支援者120人からの献金として政治資金収支報告書に記載した事件である。市民から告発を受けた検察は、「私は秘書が偽装したことを知らなかった」とする鳩山氏の上申書をもらって、鳩山氏の取り調べをせず不起訴とした。これを不服とした市民が、2010年1月検審に申し立てをし、東京第四検審に割り振られた。小沢事件の起訴相当議決が発表された前日の4月26日に、東京第四検審は「不起訴相当」議決を発表した。(志岐氏のブログ「一市民が斬る)

◇架空審査会と裏金
結論を先に言えば、志岐氏は次の2点を疑惑として指摘している。

①検審が架空だった疑惑

②裏金づくりが行われた疑惑

「①」と「②」は、表裏関係になっている。実際には開いていない審査会を開いた事にして、事務処理するわけだから、架空の審査員の旅費や日当を支出しなければ辻褄があわなくなる。そこで架空の審査会には、必然的に、裏金づくりが連動するのだ。

こうした不正な経理処理を計画した場合に、不可欠になる書類のひとつがニセの請求書である。ニセの請求書により、たとえば旅費を支出して、架空審査員の口座(裏口座)に振り込むことで、裏金づくりは成立する。

◇請求書にニセ疑惑の「足跡」

今回、志岐氏が発見したのは、ニセの請求書ではないかと疑われる書類の存在である。次に示すのが、問題の請求書である。2枚ある。

ニセ疑惑の請求書PDF

なぜ、この請求書にニセ疑惑があるのだろうか。
注目してほしいのは、志岐氏が赤字で示した修正箇所である。具体的には・・・・・

①「111333(審査員番号)」に打ち消し線を引き、「103829(審査員番号)」に訂正している。

②「検察審査員」を「補充員」に訂正している。それに伴い、「消5字 加3字」と明記した。

「①」と「②」を総括すると、次のような状況になる。本来、「103829(審査員番号)」の人が提出する請求書が、「111333(審査員番号)」の人の請求書になっていたので、「①」の訂正(審査員番号の訂正)を行った。

ちなみに「111333(審査員番号)」の人は検察審査員で、「103829(審査員番号)」の人は補充員である。そこで、「②」の訂正(身分の訂正)が行われた。

「103829(審査員番号)」さんが実在する人物であれば、請求書を提出する段階で、自分の審査員番号や身分を他人のものと間違うはずがない。

さらに特筆しておかなければならないのは、「111333(審査員番号)」の請求書も別に存在する事実である。

◇本人が請求していれば起こりえないミス

それでは、なぜ、経理を担当した東京地裁の出納課は、審査員番号の間違いに気づいたのだろうか。これについて志岐氏は、「一市民が斬る」の中で次のように説明している。

―地裁出納課が請求書の審査員番号を確認していくうち、請求者氏名が111333のものがもう一枚(54)出てきて、111333としていた請求書は103829用の請求書であり、検審事務局職員が請求者欄に間違って111333の氏名を印字したことに気づいた。

そこで「①」と「②」の訂正を行ったのである。
繰り返しになるが、審査員が実在し、審査員(あるいは補充員)が自分で請求書を提出していれば、このようなミスは絶対に起こりようがない。

たとえ請求書を提出する段階で、「103829(審査員番号)」さん本人が、滑稽(こっけい)としか言いようがない間違いに気づいたとしても、「①」と「②」の訂正をおこなったうえで、捺印するはずがない。普通は、最初から新しいものを作る。

◇「島」の審査員は、2泊3日の「旅」

さて、「103829(審査員番号)」さんは、どのような「架空」人物なのだろうか。請求額は5万4770円である。東京地裁管内で、5万円を超える旅費となると、かなり遠方の人だ。補充員になった後、東京を離れたという設定の可能性が高い。

一方、「111333(審査員番号)」さんの請求額は、4万5000円前後である。志岐氏の調査によると、「島」から船で来ているという設定らしい。しかも、「111333(審査員番号)」さんは、検審の後半になると、1回の出張で2泊して、2泊分を請求するようになっている。

鳩山検審日当旅費支払のまとめ

以上、紹介したように、鳩山検審には、架空検審、裏金づくりの疑惑があるのだ。決して志岐氏の憶測ではない。疑惑を裏付ける十分な証拠がある。

詳細は、次のサイトで。

 一市民が斬る