喜田村洋一自由人権協会代表理事に対する弁護士懲戒請求から2年、弁護士会の綱紀委員会は時間をかけて事実の解明を
第2東京弁護士会に対して、喜田村洋一・自由人権協会代表理事に対する弁護士懲戒を申し立ててから、1月31日で2年になった。通常は、半年程度で判断が下されるが、この事件に関しては、綿密な調査が続いているらしく、2年が経過しても結論を出すには至っていない。
この事件はわたしと読売・江崎徹志法務室長の著作権裁判に端を発した前代未聞の事件である。第2東京弁護士会は言うまでもなく、おそらく日弁連にも類似事件の前例がないのでは。そのために第2東京弁護士会・綱紀委員会の調査が長引いている可能性が高い。
時間をかけてでも完全に解明してほしいというのが、当事者の希望である。SLAPP防止のために。できれば中間報告をお願いしたいものだ。
この事件については、「黒書」で繰り返し報じてきた。読売の江崎法務室長がわたしに、催告書なるものを送付したのを受けて、わたしがそれを「黒書」に掲載したことが事件の発端である。掲載を決めたのは、催告書の内容が怪文書のきらいがあったからである。
これに対して江崎氏が削除を要求。仮処分命令の申し立てを経て、2008年2月に本裁判へと進んだ。原告が江崎、被告が黒薮である。
江崎氏が提訴の理由としたのは、催告書が自分で執筆した著作物であるという主張である。著作権法の著作者人格権を根拠にした提訴だった。
著作者人格権:著作者人格権は、著作者だけが持っている権利で、譲渡したり、相続したりすることはできません(一身専属権)。この権利は著作者の死亡によって消滅しますが、著作者の死後も一定の範囲で守られることになっています。(詳細=ここをクリック)??
江崎氏は、催告書は自分が執筆したものであるという前提に立ち、催告書の削除を求めて裁判を起したのだ。
ところが裁判の中で、催告書の執筆者は江崎氏ではないのではという疑惑が持ち上がった。そしてわたしの弁護団の追求により、裁判所は催告書の執筆者は別にいたと判断したのである。高裁も最高裁も、下級審の判決を認定した。
そして最高裁の決定を受けて、わたしは弁護士懲戒請求に踏み切ったのである。参考までに高裁判決を引用してみよう。
上記認定事実によれば、本件催告書には、読売新聞西部本社の法務室長の肩書きを付して原告の名前が表示されているものの、その実質的な作成者(本件催告書が著作物と認められる場合は、著作者)は原告とは認められず、原告代理人(又は同代理人事務所の者)の可能性が極めて高いものと認められる。
つまり江崎氏には、裁判を起こす権限はなかったのだ。 一方、弁護士活動を規定している『弁護士業務基本規程』の第75条に、次のような条文がある。