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2022年07月26日 (火曜日)

読売新聞の販売店が警察と連携して街の隅々まで監視、「不審人物などを積極的に通報する」全国読売防犯協力会(Y防協)の異常

 

新聞社と警察の連携は、ジャーナリズムの常識では考えられないことである。「異常」と評価するのが、国際的な感覚である。本来、ジャーナリズムは公権力を監視する役割を担っているからだ。

読者は、全国読売防犯協力会という組織をご存じだろうか。「Y防協」とも呼ばれている。これは警察とYC(読売新聞販売店)が連携して防犯活動を展開するための母体で、読売新聞東京本社に本部を設けている。こうして警察と新聞社が公然と協力関係を構築しているだ。他にも読売新聞社は、内閣府や警視庁の後援を得て、「わたしのまちのおまわりさん」と題する作文コンクールを共催するなど、警察関係者と協働歩調を取っている。

これらの活動のうち、住民にとって直接影響があるのは、Y防協の活動である。
その理由はYCの販売網が、全国津浦々、街の隅々にまで張り巡らされているからだ。それは住民を組織的に監視する体制が敷かれていることを意味する。【続きはデジタル鹿砦社通信】

2019年08月21日 (水曜日)

全国読売防犯協力会を考える、本部は読売新聞東京本社内に設置、元警察官ら5人が勤務①

全国読売防犯協力会について情報を公開しておこう。読売防犯協力会というのは、全国の読売新聞販売店と各都道府県の警察が協力して、防犯活動を展開するための組織である。各警察と覚書も交わしている。

読売と覚書を交わした警察全リスト

 

◆元警察らが読売本社で活動

本部は、読売新聞東京本社にあり、元警察官らが任務に就いている。スタッフは次の人々だ。

・明平一彦事務局長

・澁谷豊参与(警視庁小岩・西新井警察署生活安全課長などを歴任し、2016年4月から現職)

・砂澤忠男参与(警視庁上野警察署生活安全課長、世田谷区役所危機管理担当課長(派遣)、生活安全特別捜査隊副隊長など歴任し、2017年4月から現職)

・今井啓義参与(青梅警察署刑事生活安全組織犯罪対策課長、生活安全特別捜査隊副隊長、巣鴨少年センター所長、少年育成課課長代理など歴任し、2018年4月から現職職)

・松本久喜大阪本社参与(大阪府警高石・貝塚警察署生活安全課長などを歴任し、2017年4月から現職)

出典(顔のイラスト付き)

 

◆販売店が業務外の巡回

読売防犯協力会の活動内容についても、ウェブサイトで詳しく説明されているが、特に次の3点が問題だ。ウェブサイトから引用してみよう。

・配達、集金の際、不審者に注意します。

・警察署の協力を得て防犯チラシ等を配布します。

・配達、集金とは別に町内を巡回しています。

  ■出典

警察と協力して、防犯チラシを配布したり、町内を巡回しているというのだ。戦時中に慣行化していた住民による住民監視とどこか類似していないか。もちろん販売店サイドには、自分たちが警察活動に巻き込まれているという認識はないだろう。自分たちの活動は社会貢献だと勘違いしている可能性が高い。

 

◆新聞社と警察の異常な関係

警察組織と新聞社が協力関係にあり、読売新聞販売店を通じて、住民の情報を警察に伝達する構図があるのだ。

記者が取材で得た情報が警察へ届けられているとは思わないが、一応、警戒するにこしたことはない。警察の手口のひとつにスパイ投入があるわけだから、元警察が読売本社内に座を占めている限り、こうした戦略も可能になる。わたしは、販売店を除く読売関係者とは接触しない方針だ。

2017年06月18日 (日曜日)

【読売熟読】読売防犯協力会の正体、共謀罪法案の成立で新聞販売店と警察が連携した「住民監視活動」がはじまる

強行採決で共謀罪法案が成立した。この法案が成立するプロセスで同時進行したのが、加計学園の問題と突如として現れた改憲論である。安倍首相が国会答弁ではからずも口にした「読売新聞を熟読して」は、こうした与党の一連の動きの背景に、読売新聞が共同歩調を取っていることを露呈した。

共謀罪法案の成立は、日本の刑法の運用を根本的に変えてしまう。それが社会全体に計り知れない負の影響を及ぼすことはいうまでもない。

従来、日本の刑法は、犯罪を実行した段階で、警察権力が逮捕権を行使するのが原則だった。ただ、命にかかわるような重大犯罪の場合、これでは手遅れになるので、例外的に犯罪実行の前段でも逮捕権を行使できる犯罪がいくつか指定されている。社会はそれで十分に機能してきたのだ。

ところが共謀罪法案が成立したことで、277の犯罪について、「共謀」(具体的には、話し合いなど)の段階で、逮捕権を行使できるようになった。しかも、この277の犯罪の中には、名誉毀損や著作権違反など出版関係者に直接かかわるものも含まれている。その一方で、政治家に不利にはたらく公職選挙法にかかわる犯罪は除外さている。

政府は、共謀罪法案を成立させる理由として、東京オリンピックに向けて、国連越境組織犯罪防止条約を批准するためと説明しているが、これはまったくの嘘である。国連越境組織犯罪防止条約は、国際金融犯罪を取り締まるためのもので、テロ対策は批准の条件にはなっていない。

共謀罪法案が成立する一連のプロセスの中で、日本の政治家の著しい劣化が明らかになった。

◇「不審人物などを積極的に通報」 

さて、本稿はここからが肝心なのだが、共謀の段階で警察が逮捕権を行使するためには、共謀の証拠を掴む必要がある。スパイ活動は必然になるだろう。

そのスパイ活動の体制はすでに構築されている。しかも、われわれの日常の中に入り込んでいる。

読者は、読売防犯協力会という団体をご存じだろうか。これは読売新聞販(YC)と警察が協力して、「防犯」のための「通報活動」をおこなう組織である。本部は読売新聞社の中にある。

同協会のウエブサイトには、4つの活動目標が記されている。

1.配達・集金時に街の様子に目を配り、不審人物などを積極的に通報する

2.警察署・交番と連携し、折り込みチラシやミニコミ紙などで防犯情報を発信する

3.「こども110番の家」に登録、独居高齢者を見守るなど弱者の安全確保に努める

4.警察、行政、自治会などとのつながりを深め、地域に防犯活動の輪を広げる

【出典】

つまり販売店の従業員が新聞配達や新聞の集金をしながら、「不信な人」を見かけたら、警察へ情報提供する役割を果たすのだ。新聞配達員は、路地の隅々にまで足を運ぶので、この種の活動には適任だ。

集金に訪れた家で、複数の人々が何か打ち合わせをしていて、それを不信に感じれば携帯電話で警察に通報する。こうした役割を担うのだ。

◇再び「読売新聞を熟読して」 

読売防犯協力会と覚書を交わしている全国の警察は次の通りである。

■覚書を交わしている全国の警察

安倍首相が国会答弁で、「読売新聞を熟読して」と言ったのは、偶然ではない。読売は、日本の極右勢力と連動している極めて危険な新聞社なのである。

 

【写真】左:安倍首相。右:読売新聞の元社長、特高警察出身の正力松太郎

2017年04月08日 (土曜日)

危惧される読売新聞販売店(YC)と警察によるスパイ活動、共謀罪と読売防犯協力会の関係

国会で共謀罪が審議入りした。平成の治安維持法とも言われるこの法律の審議入りに対して全国的な規模で反対の声が広がっている。日本ペンクラブも共謀罪に反対する声明を出している。

■日本ペンクラブの声明

この法律の危険な側面のひとつに、法律の施行に連動して、国家権力によるスパイ活動の必然性が浮上してくる点である。と、いうのも「共謀」を立証するためには、それを裏付ける情報の入手が不可欠になるからだ。その結果、会話の盗聴やインターネットの監視などが、昼夜を問わず日常的に行われるようになるのは間違いない。

旧ソ連や軍事政権下のチリ、それに北朝鮮のようになるのは間違いない。

◇新聞販売店を通じた情報収集

こうした状況の下で、特定の組織が警察によりスパイ活動に悪用されかねない危険性がある。たとえば全国読売防犯協力会(Y防協)という組織がある。これは全国の読売新聞販売店(YC)と警察の協力で、防犯活動を展開するボランティア組織である。本部は、読売新聞東京本社内にある。

警察と新聞関係者が協力体制を敷いている例は、世界でも極めてまれだが、このようなことが可能なのは、読売の故正力松太郎社長(元A級戦犯容疑者・写真)が戦前の特高警察の出身という特殊な事情があるようだ。

新聞販売店は早朝(午前2時)に仕事を開始する。しかも、販売店網は全国の隅々にまで張り巡らされている。そのため販売店をある種の「警察支部」的な拠点にすれば、確かに防犯には効果的だ。路地裏まで「監視」できる。

Y防協のウエブサイトによると、「活動の目標は次の4点に集約できる」という。

1.配達・集金時に街の様子に目を配り、不審人物などを積極的に通報する

2.警察署・交番と連携し、折り込みチラシやミニコミ紙などで防犯情報を発信する
3.「こども110番の家」に登録、独居高齢者を見守るなど弱者の安全確保に努める

4.警察、行政、自治会などとのつながりを深め、地域に防犯活動の輪を広げる

■出典

「1」は特に懸念材料だ。読者の自宅を訪れた集金人から、訪問先の家に集まってなにかを話し合っている人々に関する情報が警察へ通報されるかも知れない。

防犯活動そのものは社会貢献に違いないが、それを警察と連携し、しかも、情報の通報が活動の中心になっているわけだから、共謀罪が成立すれば、Y防協は準スパイ組織に変質する危険性がある。

◇読売と全国の警察が覚書

Y防協が覚書を交わしている警察は次の通りである。

■出典

高知県警 2005年11月2日
福井県警 2005年11月9日
香川県警 2005年12月9日
岡山県警 2005年12月14日
警視庁 2005年12月26日

鳥取県警 2005年12月28日
愛媛県警 2006年1月16日
徳島県警 2006年1月31日
群馬県警 2006年2月14日
島根県警 2006年2月21日

宮城県警 2006年2月27日
静岡県警 2006年3月3日
広島県警 2006年3月13日
兵庫県警 2006年3月15日
栃木県警 2006年3月23日

和歌山県警 2006年5月1日
滋賀県警 2006年6月7日
福岡県警 2006年6月7日
山口県警 2006年6月12日
長崎県警 2006年6月13日

茨城県警 2006年6月14日
宮崎県警 2006年6月19日
熊本県警 2006年6月29日
京都府警 2006年6月30日
鹿児島県警 2006年7月6日
千葉県警 2006年7月12日

山梨県警 2006年7月12日
大分県警 2006年7月18日
長野県警 2006年7月31日
福島県警 2006年8月1日
佐賀県警 2006年8月1日

大阪府警 2006年8月4日
青森県警 2006年8月11日
秋田県警 2006年8月31日
神奈川県警 2006年9月1日
埼玉県警 2006年9月14日

山形県警 2006年9月27日
富山県警 2006年9月29日
岩手県警 2006年10月2日
石川県警 2006年10月10日
三重県警 2006年10月10日

愛知県警 2006年10月16日
岐阜県警 2006年10月17日
奈良県警 2006年10月17日
北海道警 2006年10月19日
新潟県警※ 2003年3月26日
沖縄県警 2008年6月12日

※新潟県警との締結は、03年9月に当時の生活安全部長と新潟県読売防犯協力会が締結したもの。県警の希望で新規更新はしていない

2014年01月16日 (木曜日)

渡邉恒雄氏が特定秘密保護法の有識者会議「情報保全諮問会議」の座長に就任する危険性、読売新聞販売店と警察組織の「防犯」を通じた特別な関係

読売新聞グループの渡邉恒雄氏が特定秘密保護法の運用に際して設置された有識者会議「情報保全諮問会議」の座長に就任した。渡邉氏の就任は、重大な問題をはらんでいる。読売が警察関係者と親密な関係を構築しているからだ。

時事通信は、「諮問会議座長に読売会長=17日初会合―秘密保護法」というタイトルで渡邉氏の座長就任を、次のように伝えている。

 菅義偉官房長官は14日午後の記者会見で、特定秘密保護法の運用基準を策定する際に意見を聴取する有識者会議「情報保全諮問会議」のメンバー7人を発表した。読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長・主筆を座長に、永野秀雄法政大教授を実務を取り仕切る主査にそれぞれ起用する。17日午前に初会合を開く。

? 菅長官は人選について「安全保障、情報保護、情報公開、公文書管理、法律、報道などそれぞれの分野から優れた知見の方の意見を伺うため、経験や実績などを参考にした」と説明。渡辺氏については、報道分野の代表との認識を示した。

? 諮問会議は、特定秘密の指定や解除、適性評価の実施に関して、政府が統一的な運用を図るための基準を策定する際に意見を具申する。また、秘密保護法の運用状況について毎年、首相から報告を受ける。 

なぜ、警察と親密な関係にある読売関係者が秘密保護法に関与することが問題なのだろうか。結論を先に言えば、秘密保護法を主導してきたのが、警察官僚そのものであるからだ。

ジャーナリストの青木理氏は、『女性セブン』(2013年12月19日号)が掲載した「警察官僚のための特定秘密保護法 公安は笑いが止まらない」という記事の中で、次のように述べている。

? 法案を主導した内閣情報調査室は、出向してきた警察官僚のたまり場です。彼らの狙いは、国家秘密を守るのではなく、警察の権益を広げて拡大すること。まさに警察官僚による警察官僚のための法案であり、情報収集を担当する公安警察は笑いが止まらないでしょう。

◇読売と警察の親密な関係

全国読売防犯協力会という組織がある。読売グループの一組織である。実際、読売の公式サイトに、「その他」(の団体)として、同会の名前を明記している。

全国読売防犯協力会のウエブサイトは、会の目的について次のように述べている。

わたしたちの組織「全国読売防犯協力会(略称・Y防協)」は、2003年、凶悪犯罪が続発する中、市民も団結して犯罪抑止に立ち上がろうというメッセージを込めた「治安再生」のキャンペーンに読売新聞社が取り組み、これを契機に、各地の読売新聞販売店(YC)も地域の犯罪防止にひと役買おうと作ったボランティア団体です。各地で警察の協力を得ながら設立した弊会は、翌2004年に全国約10万人のスタッフが参加する全国組織となりました。(略)  

端的に言えば、読売新聞の販売店と警察が協力して、防犯活動を展開するという趣旨である。たとえば、新聞配達員が集金先の民家で、過激派ふうの怪しげな人々が集まっているのを目撃した場合、販売店から警察に通報することになる。つまり新聞販売店の店員が準警察官のような役割を果たして、警察の防犯活動に協力するのだ。これが講じるとスパイ活動にもなりかねない。

同会の具体的な目標としては、次の4項目が明記されている。

(1)配達・集金時に街の様子に目を配り、不審人物などを積極的に通報する

(2)警察署・交番と連携し、折り込みチラシやミニコミ紙などで防犯情報を発信する

(3)「こども110番の家」に登録、独居高齢者を見守るなど弱者の安全確保に努める

(4)警察、行政、自治会などとのつながりを深め、地域に防犯活動の輪を広げる

わたしが懸念するのは、なにをもって「防犯活動」と定義しているのかという点である。周知のように、犯罪やテロの解釈は、際限なく拡大できる。秘密保護法の危険性も、実は、犯罪やテロを拡大解釈して、社会運動や住民運動を取り締まることにあるわけだが、読売防犯協力会の活動も、まったく同じ性質の危険性を秘めているのだ。

かつて中米のグアテマラで、住民が警察や軍の管理下で、「防犯活動」を展開する制度が導入され、解放戦線を徹底的に取り締まる政策が敷かれたことがある。住民による住民の監視制度である。当時、グアテマラで先住民族に対するジェノサイド(皆殺し)作戦が展開された事実を見ても、このような制度が「治安維持」の道具として運用されていたことは間違いない。

ちなみにジェノサイド作戦を容認していた元将軍で大統領職にあったリオス・モントは、晩年になり、民主化されたグアテマラの法廷に立たされ、2013年5月、禁固80年の判決を受けた。その後、ただちに牢獄に送られた。

渡邉氏が有識者会議「情報保全諮問会議」の座長に就任した場合、どのようにして、警察権力からの独立性を保つのかという疑問が生じる。

新聞人を座長に据えるのであれば、記者として渡邉氏よりもはるかに優れた実績がある本多勝一氏あたりの方が適任だ。

◇全国の警察との覚書のリスト

読売防犯協力会が覚書を交わしている全国の警察は次の通りである。日付は覚書を交わした年月日である。

高知県警 2005年11月2日

福井県警 2005年11月9日

香川県警 2005年12月9日

岡山県警 2005年12月14日

警視庁 2005年12月26日

鳥取県警 2005年12月28日

愛媛県警 2006年1月16日

徳島県警 2006年1月31日

群馬県警 2006年2月14日

島根県警 2006年2月21日

宮城県警 2006年2月27日

静岡県警 2006年3月3日

広島県警 2006年3月13日

兵庫県警 2006年3月15日

栃木県警 2006年3月23日

和歌山県警 2006年5月1日

滋賀県警 2006年6月7日

福岡県警 2006年6月7日

山口県警 2006年6月12日

長崎県警 2006年6月13日

茨城県警 2006年6月14日

宮崎県警 2006年6月19日

熊本県警 2006年6月29日

京都府警 2006年6月30日

鹿児島県警 2006年7月6日

千葉県警 2006年7月12日

山梨県警 2006年7月12日

大分県警 2006年7月18日

長野県警 2006年7月31日

福島県警 2006年8月1日

佐賀県警 2006年8月1日

大阪府警 2006年8月4日

青森県警 2006年8月11日

秋田県警 2006年8月31日

神奈川県警 2006年9月1日

埼玉県警 2006年9月14日

山形県警 2006年9月27日

富山県警 2006年9月29日

岩手県警 2006年10月2日

石川県警 2006年10月10日

三重県警 2006年10月10日

愛知県警 2006年10月16日

岐阜県警 2006年10月17日

奈良県警 2006年10月17日

北海道警 2006年10月19日

新潟県警2003年3月26日

沖縄県警 2008年6月12

◇読売防犯協力に再就職した警察OB

読売防犯協力に再就職した警察OBは、次の方々である。

鍋倉光昭参与

深川猛参与

横内進参与

池田純 大阪本社参与