KDDIが東京都目黒区で基地局の設置を断念、地権者から計画中止の要請
KDDIは、東京都目黒区中央町2丁目にあるスミレレジデンス(6階建て)の屋上に基地局を設置する計画を断念した。この問題はメディア黒書で既報したように、スミレレジデンスの近くに住む女性がKDDIに計画の中止を求めていたものである。女性は化学物質過敏症と電磁波過敏症を併発している。
■化学物質過敏症から電磁波過敏症へ、東京目黒区で浮上している基地局問題で注目されるKDDIの「患者」対応
女性から20日、筆者に対して、「スミレレジデンスの地権者が設置を断り計画は中止になった。搬入されていた機材は、26日に搬出される」と連絡があった。
このところ住民運動の力で、携帯電話の基地局設置の計画が中止になったり、既に設置されている場合は、撤去されるケースが増えている。マイクロ波の危険性が否定できなくなっている事情に加えて、地権者が住民の声を無視できなくなっている事情がある。
ところが不思議なことに、筆者が知る限り、地権者に対して基地局の撤去を求める裁判は一件も起きていない。電話会社に対する裁判は、九州を中心に起こされたきたが。今後、地権者を被告とした裁判が必要だろう。
最近は、単身者が多い小部屋を中心とした賃貸マンションに基地局が設置されるケースが増えているが、健康被害を理由に地権者が提訴され、賠償を命じられた場合、地権者はマンション経営どころではなくなる。
今年になってから電話会社と省庁のビジネスについて調査しているが、広告代理店に劣らず、こちらもかなり金額が大きい。再度、事業仕分けが必要だろう。