1. 博報堂が代筆した番組放送確認書、放送関係者らから「常識ではありえない」の声

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2016年06月22日 (水曜日)

博報堂が代筆した番組放送確認書、放送関係者らから「常識ではありえない」の声

通販のアスカコーポレーション(福岡市)が自社で保管していた放送確認書(CMなどが放送されたことを示す証明書で、放送されたCMについては、CMコードが自動刻印される。)に、最も肝心なCMコードが刻印されていないものが多量に発見されたのに続き、大手広告代理店・博報堂が「代筆」した番組放送確認書も数多く存在することが分かった。

※CM=コマーシャル、厳密にはスポットCM

※番組放送確認書=通販番組などの放送確認書

代筆の番組放送確認書の依頼元とされているのは、朝日放送(大阪)である。次に示すPDFが、代筆 の番組放送確認書である。全22枚を紹介しよう。

■朝日報道の代筆番組放送確認書

◇CMコードが意味するものは?

テレビ画面を通り過ぎていくCMの数はおびただしい。番組の切れ目に、30秒ほどの間隔で、次から次へとベルトコンベヤーのようにCMが流れる。そのCMをカウントする視聴者はだれもいないだろう。

1990年代は、CMの広告主が自社のCMが本当に放送されたかどうかを確認する作業には大きな限界があった。地元の放送局が流すCMであれば、テレビを「ON」にして放送の有無を直接確かめることもできたが、たとえば広告代理店を通じて遠方のローカル放送局にCMの放送を依頼した場合、現地まで社員を派遣してまで、CMをモニターするわけにはいかなった。

それが原因で静岡第一放送局、福岡放送局、山陰放送局などで、CM「間引き」事件が発覚した。

そこで放送関係者が開発したのがCMコードである。CMコードは、CMが放送されると自動的に放送確認書に刻印される。従ってなにか作為的な謀略でも行われない限り、実際にCMコードが刻印されている放送確認書については、一応、CMが放送されたと見なすことができる。

逆にCMコードが不在の場合は、放送されていないことになる。

◇代筆の番組放送確認書

現段階でのもうひとつの検証点は、代筆された番組放送確認書が多数存在する事実である。もちろん「通販番組」であるから、CMコードは刻印されないこともある。それ自体が不正常というわけではない。

しかし、問題はなぜ朝日放送が自社で番組放送確認書を発行せずに、博報堂が「代筆」しているのかという点である。番組放送確認書に記された注意書きによると、「朝日放送は放送確認書が出力されない為」となっているが、放送局に放送確認書を発行するシステムがないというのは、常識的にはおかしい。

筆者は「代筆」について複数の専門家を取材した。情報源は明かさないが、「あきらかに異常」とする見解ばかりだった。

ちなみに博報堂は取材を拒否している。

【おわび】本稿の一部を訂正しました。通販番組にもCMコードが自動的に刻印されるとの誤解に基づいた記述だっために、一部内容が不正確になっていたことを読者と関係者におわびします。