『ZAITEN』が博報堂によるパクリ(過去記事の転用)を報道、不可解な見積書の実態
1日に発売の『ZAITEN』(財界展望社)に、「博報堂ベンチャー社長を喰った広告マンの『不適切請求書』」(黒薮が執筆)と題するルポが掲載された。不可解な点が多々みうけられる博報堂の請求書の中身を検証したもので、今回、被害者として例を引いたのは、通販のアスカコーポレーション(本部は福岡市)。
博報堂は、アスカコーポレーションの宣伝活動を独占的に請け負っていた。業務内容は、CMから新聞広告、それに情報誌の制作まで多岐に渡っていた。
まず、筆者が奇妙に思ったのは、博報堂が見積書を発行していた時期である。普通の商取引では、企画を提案する段階で見積書を取引先の会社へ提示する。その内容を見て、企画を実行に移すかどうかを決める。
◇業務完了後に見積書発行の怪
ところが博報堂の見積書は、業務が完了した後に発行されていたのだ。アスカコーポレーションの話によると、名目は見積書であるが、実質的にはこれが請求書の役割を果たしていたという。
実際、筆者が現時点で同社から入手している「見積書」に関しては、発行の日付がいずれも月の末日になっている。
しかも、見積額が異常に高いケースがある。大手広告代理店の関係者の間では、「高い」という感覚がないのかも知れないが、普通の感覚からすれば金額が尋常ではない。
たとえば120ページ足らずの情報誌の制作費がなんと約2500万円。しかも、その中身がずさんで、パクリ(過去記事の転用)のページが複数存在する。パクリは不正行為というだけではなく、それ以前に、クリエーターとしての職能の欠落を意味する。欧米では、パクリが発覚すると失職する。
次に示すのは、「見積書」の一例である。9月下旬に完成する10月号の「見積書」の日付が、10月31日になっている。見積内容は、たとえば辺見マリの出演料が75万円。撮影場所代が9万5000円。これも筆者は、異常に高い印象を受ける。