1. 内閣府の疑惑は実は加計事件だけではない、電通・博報堂も、衆議院内閣委員会の秋元委員長が2ヶ月休会を弁解、「主戦場を他の委員会へ譲った」

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2017年06月17日 (土曜日)

内閣府の疑惑は実は加計事件だけではない、電通・博報堂も、衆議院内閣委員会の秋元委員長が2ヶ月休会を弁解、「主戦場を他の委員会へ譲った」

国会の衆議院内閣委員会が約2ヶ月の間、開かれていたなかった問題で、内閣委員会の秋元司委員長(自民)から説明があった。この問題は、既報したように、4月13日から5月6日までの約2ヶ月の期間、内閣委員会が休会になっていた事実が、後日発覚したものである。

【参考記事】 加計学園事件で疑惑の的ー内閣府を検証する衆議院内閣委員会が開かれなかった異常

加計学園事件の舞台が内閣府であるにもかかわらず内閣委員会が休会になっていたのは、極めて不自然なので、秋元委員長に問い合わせた。

説明の趣旨は次のようなものだった。

委員会を開く場合、関係する大臣の出席を求める必要があるのだが、大臣のスケジュールが重なったために、他の委員会に譲った。しかし、他の委員会で同じテーマが取り上げれらている。「主戦場」を譲ったかたちになった。その方針に野党も合意していた。加計学園の問題も、他の委員会で取りあげられている。内閣委員会では、このようなことがよくある。

◇電通と博報堂が関係した内閣府の疑惑

内閣府では、加計学園の問題以外にも、解明しなければならない問題がある。政府の広報活動に関連した資金の不透明な流れである。

大手広告代理店が内閣府に送付した請求書からインボイスナンバー(書類番号)が外されているのだ。筆者が最初に調査したのは、博報堂だった。それから電通についても調査した。その結果、両社とも同じ疑惑があることが判明した。

インボイスナンバー(書類番号)が不在になった請求書にどのような疑惑があるのかは後述することにして、まず、疑惑の請求額を2015年度の新聞広告に限定して紹介しよう。次の数字だ。裏付けは()内に示した。

博報堂:約20億円(裏付け)

電通:約25億円(裏付け)

ちなみに博報堂の場合、2012年度から15年度の4年間で、疑惑の額は新聞広告だけで約64億円にもなっている。(電通については、筆者はこの期間の資料を所有していない。)

◇なぜ、インボイスナンバーを外したのか?

なぜ、電通と博報堂はそろって、インボイスナンバーを外した請求書を送付したのだろうか。結論を先に言えば、正規の会計システムとは別のところで会計処理することを意図した可能性が高い。

博報堂も電通も、コンピュータと連動した会計システムを導入している。このシステムで会計処理する場合、インボイスナンバーで管理するのが原理である。例外はあっても、この原理は変わらない。

それはちょうどマイナンバー制度の運用で、マイナンバーが不可欠になるのと同じだ。あるいは、クレジットカードが番号で管理されるのと同じ原理だ。番号を外してしまえば、システムは機能しない。

つまり電通や博報堂がインボイスナンバーを外した請求書を送付した事実は、これらの請求の会計処理が正規の会計システムとは別の所で行われた可能性を示唆するのだ。

このような実態について、経理の専門家は、

「内閣府の側から指示している可能性もある。特別な事情がない限り、社のロゴも入っていないこんな請求書は出さないはずです」

と、話す。

ただし、インボイスナンバーがない請求書の発行が違法行為というわけではない。経理処理も可能だが、わざわざインボイスナンバーを外す合理的な理由がない。

解明する必要があるのは、なんのために、インボイスナンバーを外して、コンピュータと連動した正規の会計システムから切り離して経理処理をしてきたのかという点である。

このような経理処理を認めると、裏金作りの温床になることはいうまでもない。

広告代理店は、内閣府にとっては、国策プロパガンダの役割を果たす重要な取引先である。そのための資金が政府の広報予算である。その広報予算が極めて不透明な実態になっているのだ。