博報堂・松田昇氏(元最高検察庁)の天下り歴、内閣府を舞台にした疑惑の調査は厳正に行われるのか?
【サマリー】内閣府を舞台とした博報堂の不正経理疑惑を最終的に解明する鍵を握るのは、検察などの捜査機関である。その検察から博報堂へ松田昇氏が天下りしている。果たして厳正な調査はできるのだろうか・・・
博報堂事件は2つの柱からなっている。
「アスカコーポレーションVS博報堂裁判」(第1ステージ)と、「内閣府の情報公開資料に見る博報堂の不正経理疑惑」(第2ステージ)である。第2ステージの焦点については、次の記事に詳しい。
参考記事:博報堂が内閣府に送付した契約書と請求書を分析する9つの視点
後半戦の第2ステージはこれからスタートするわけだが、懸念すべき要素がある。それは最高検察庁から退官後に博報堂に再就職(広義の天下り)している松田昇氏の存在である。
第2ステージは、内閣府における不正経理の問題が検証の対象になるわけだから、不正があれば当然、刑事事件になる。その時、天下りの存在が刑事告発の受理を妨げる懸念がある。
日本では学閥という前近代的な「制度」が依然として幅をきかせている。その結果、退官後も後輩を通じて公務に影響を及ぼす人物が重宝がられ、国家公務員が民間企業に天下ったりする。警察関係者らがパチンコ業界に天下っているのは有名な話だ。
◇三菱、読売、日清紡、巨人
博報堂に天下っている松田昇氏の経歴を博報堂DYホールディングスの有価証券報告書から抜き出してみよう。
博報堂以外にも、次のような企業への天下り歴がある。
日本無線
三菱UFJニコス
読売新聞大阪本社
日清紡ホールディングス
読売巨人軍
詳細は次の通りである。