1. 新聞業界から政界へ約500万円の政治献金、軽減税率の適応が目的、15年度の政治資金収支報告書

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2017年01月12日 (木曜日)

新聞業界から政界へ約500万円の政治献金、軽減税率の適応が目的、15年度の政治資金収支報告書

2016年11月に公表された15年度分の政治資金収支報告書によると、日販協政治連盟(日本新聞販売協会の政治団体)が、国会議員に対して支出した政治献金は、総額で504万円だった。このうち記載されている額は、約250万円だった。

献金先は、漆原良夫(公明)、中山泰秀(自民)、丹羽雄哉(自民)、中川雅治(自民)、柴山昌彦(自民)、高市早苗(自民)、中根一幸(自民)、菅義偉(自民)、西田まこと(公明)、斎藤鉄夫(公明)、新藤義孝(自民)などである。

■裏付け資料

このうち最も献金額が多いのは、丹羽雄哉議員への60万円。丹羽氏は読売新聞の元記者で、新聞販売懇話会の会長を務めている。

日本新聞協会が立場上、政治活動ができないので、日販協政治連盟が新聞業界と政界のパイプ役を務めてきたのだが、その政界側窓口になっているのが、新聞販売懇話会である。

献金の目的は、新聞に対する軽減税率の適用などである。これについて、日経新聞は次のような記事を掲載している。

■自民の新聞販売懇話会、軽減税率適用を党税調に要望

贈収賄の疑惑がある。

新聞に対する軽減税率は、新聞社経営のアキレス腱になっている。と、いうのも「押し紙」を実際に販売された新聞として経理処理しているために、「押し紙」にも消費税がかかるからだ。しかも、都合の悪いことに「押し紙」には読者がいないので、その消費税の負担をするのは、新聞販売店と新聞社になる。

「押し紙」ゆえに新聞業界は、政界工作を展開してきた事情がある。

【写真】「押し紙」回収の場面