1. 折込チラシを廃棄する現場を撮影、段ボールの中には水増しされた折込広告が

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2014年06月04日 (水曜日)

折込チラシを廃棄する現場を撮影、段ボールの中には水増しされた折込広告が

冒頭の動画は、MEDIA KOKUSYOで何度か紹介したことがある「折込サギ」の実態を撮影したものである。「折込サギ」、あるいは「折り込めサギ」とは、新聞に折り込む契約を交わしたチラシ(折込広告)の一部を、秘密裏に廃棄する行為である。料金を徴収しているので、サギにあたる。

このような行為の温床となっているのは、新聞社のビジネスモデルである。  販売店へ搬入される新聞の部数と折込チラシの受注枚数を一致させる原則がある。たとえば販売店に2000部の新聞を搬入する場合、折込チラシの受注枚数も2000枚になる。

◇素人が2時間で撮影

ところが販売店に搬入された新聞は、すべて配達されているわけではない。ABC部数をかさ上げするために、実際に配達する新聞部数を上回る部数を販売店へ搬入するのが半ば慣行化している。こうして過剰になった新聞を「押し紙」という。

すべての新聞社がこのような商慣行を採用しているわけではないが、半ば慣行化しているというのが一般的な見方だ。俗にいう「新聞の闇」である。

上記の例でいえば、たとえば販売店に搬入される2000部の新聞のうち、配達されている部数が1200部とする。このケースでは、800枚のチラシが水増し状態になる。そこでこれらのチラシをタンボールに詰め込んだり、新聞で包装して、古紙回収業者に引き渡すことになる。

冒頭の動画は、山陽新聞の販売店で、段ボールに梱包した折込チラシを搬出する場面を、元店主が撮影したものである。撮影時間は準備も含めて2時間。このような画像は、問題意識がなければ、テレビ局に40年勤務しても撮れない。それを素人が2時間で撮影した。

なお、画像中の段ボールを、山陽新聞の販売会社が提供していた事実が、店主が起した「押し紙」裁判の中で認定されている。

参考押し紙」&折込チラシ詐欺の専門サイト