国連の「立法ガイド」の執筆者・ニコス・パッサス氏、「(TOC)条約はテロ防止を目的としたものではない」、東京新聞が伝える
安倍内閣が共謀罪法案を成立させる根拠としているのが、TOC条約(国際組織犯罪防止条約)の批准である。オリンピックを前にテロを防止するためには、共謀罪法案の成立が不可欠だとしている。
ところが東京新聞が、国連の「立法ガイド」の執筆者である刑事司法学者・ニコス・パッサス氏(58)にこの点についてインタビューしたところ、「(TOC)条約はテロ防止を目的としたものではない」と明言したという。
「(TOC)条約はテロ防止を目的としたものではない」という解釈は、日本でも共謀罪法案に反対している人々の間では周知となっている。TOCの目的は、マフィアなどによる国際的な金融犯罪の取り締まりである。
しかし、国連の「立法ガイド」の執筆者が、この点に言及するとより説得力がある。同氏は、「条約はプライバシーの侵害につながるような捜査手法の導入を求めていない」とも述べている。
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◇NHKによる「印象操作」
このところテロを伝えるテレビ・ニュースが急激に増えている。テロが多発しているのは事実だから、報道すること自体は当然だが、「テロ防止=共謀罪法案の必要」というゆがんだ世論が形成されている。NHKなどは、おそらく意図的にそれを狙っているようだが、ニコス・パッサス氏が言うようにテロとTOCとはまったく関係がないわけだから、正確な報道ではない。事実を解説すべきだろう。それがジャーナリズムの義務である。
テロが起きている国の多くは、海外派兵の体制を持ち、実際に空爆などに参加している国だ。軍事力を背景にグローバリゼーションを進めている国が狙われているのである。