1. 「嘘(うそ)」を前提に回転する日本社会の歯車、滋賀医科大事件、「押し紙」 問題、5Gによる人体影響

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2019年11月06日 (水曜日)

「嘘(うそ)」を前提に回転する日本社会の歯車、滋賀医科大事件、「押し紙」 問題、5Gによる人体影響

過去の取材では意識の下にあったことが、別の事件の取材で輪郭を現わしてくることがある。最近、戦後日本の虚像を再認識した。「嘘」を前提に社会の歯車が回転しているのだ。少なくともこれまでわたしが取材してきた3件の事件では、問題の核に嘘があり、恣意的な印象操作で虚像が生み出されている。

◆滋賀医科大病院事件

滋賀医科大病院は、高度な小線源治療(岡本メソッド)を実施してきた岡本圭生医師を大学病院から追放しようとしている。理由は、小線源治療が未経験の医師による手術を施行直前に止めたことである。患者はモルモットではないからだ。

小線源治療で卓越した治療成績を持つ岡本医師を追放するために、大学病院は、岡本メソッドが価値のない普通の治療というストーリーを作る必要がある。その目的を達するために、大学病院はウェブサイトである資料を公表した。

この資料は、岡本メソッドと他の治療法(全摘手術や放射線療法など)、あるいは他の医療機関における治療成績を比較して、非再発率に大きな差はないと結論づけたものである。資料の作成責任者は松末院長だ。

資料に国立がん研究センターのロゴ・マークを貼り付けてあるので、国立がん研究センターが作成した資料のような印象があるが、作成したのは松末院長らだ。国立がん研究センターの医師ではない。ここからすでに印象操作の第一歩を踏み出しているのだ。

ところがデータの出典である英文の論文を精査してみると、治療の条件(広義の抗がん剤の有無など)や癌の悪性度が異なる患者らの非再発率を無理やりに比較していることが分かった。たとえば、岡本論文が「超高リスク」の患者をはじめ、PSA値が極めて高い患者のデータを前提に作成されているのに対して、他の論文では、PSA値が極めて高いものや、リンパなどに癌が転移している患者は除外したデータに基づいて作成されている。

これでは後者の非再発率がよくなるのはあたりまえだ。

背景が異なる患者の非再発率を比較して、岡本メソッドの優位性を恣意的に否定しているのだ。これは明らかな「嘘」である。

出典の論文が英文なので、恐ろしくデタラメな資料を公表しても誰もそれを検証をしないと思ったのではないか。たとえ英文が解読できても、前立腺癌の治療について、若干の知識がなければ、トリックを見破ることはできない。(全容は、新刊『名医の追放』に詳しい)

他人の業績を妬み、足を引っ張ることにエネルギーを注ぐ村社会の体質が露呈している。

最近では、針生検が出来る医師であれば、誰でも小線源治療をできるという嘘に拍車をかけた極論を法廷に持ち出してきたらしい。閲覧が可能であれば、閲覧したいものだ。

これでは大学病院の信用が失墜するのではないか。

ちなみに塩田学長が岡本メソッドを絶賛していた証拠がメールなどに多数残っている。たとえば難治性前立腺がんにかかった京大医学部同門会の有力者に、塩田学長も含め、こぞって岡本医師をすすめたのだ。

医師仲間とも相談して、関西の著名な医師たちの中から、岡本医師に「白羽の矢」を立てたのである。

ところが塩田学長は、岡本医師と泌尿器科の係争が始まると、態度を翻して、岡本医師を追放する先頭に立ったのだ。研究者としての資質が疑われる。【続きはウェブマガジン】