DHCによるスラップを東京地裁が認定、記者会見で放送局は映像を収録せず、大口広告主への手厚い配慮か?
10月4日、化粧品・健康食品のDHCが起こした裁判をスラップ(訴権の濫用)と認定する判決があった。わたしが知る限り、スラップが司法認定されたのは5件目だ。日本は、提訴権を優先している国なので、スラップ認定のハードルは極めて高い。しかし、先月19日にも、NHKから国民を守る党に所属する市議が起こした裁判がスラップに認定され、変化の兆しが現れている。
ようやく裁判所も、スラップを問題視しはじめたのかも知れない。
裁判の概要は後述するとして、わたしはこの裁判の取材で異様な光景を目にした。勝訴した澤藤弁護士は、判決後、司法記者クラブで記者会見をひらいたのだが、その時の光景である。記者クラブのメンバーにとっては特筆すべきことではないかも知れないが、わたしは衝撃を受けた。
カメラが1台も廻っていないのだ。NHKをはじめ放送局の記者が取材に来ているのに、なぜかカメラを稼働させている局が1社もないのだ。
読者は、その理由が分かるだろうか。
理由は簡単で、DHCがテレビCMの大口スポンサーであるからだ。放送局の記者は、情報を収集しているだけで、報道する気はないのだ。【続きはウェブマガジン】