1. 滋賀医科大から大津市民病院へ、腐敗のタスキリレー

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2022年06月11日 (土曜日)

滋賀医科大から大津市民病院へ、腐敗のタスキリレー

予期せぬかたちで滋賀医科大事件の第2幕が始まった。

滋賀県大津市は、6月6日、滋賀医科大の泌尿器科長、河内明宏教授(63)を新しい理事長に内定したと発表した。同病院では、京都大学系列の医師らが次々と退職して混乱が広がり、前理事長が引責辞任した。空白になった椅子を河内教授が占めるかたちとなった。

この人事の背景に何があったのかを、わたしは現時点では把握していない。しかし、河内教授の履歴についてはかなり知っている。滋賀医科大事件を取材する中で、事件の核心的人物であることが分かった。

滋賀医科大事件というのは、前立腺がんの小線源治療で海外でも高く評価されている岡本圭生特任教授(当時)を、滋賀医科大から追放した事件である。

【参考記事】前立腺がん、手術後の非再発率99%の小線源治療、画期的な「岡本メソッド」確立

事件が進行する中で、河内教授が人事関係の公文書を偽造していた事実が判明した。起訴こそ免れたが、書類送検された。

私文書(患者に対する記入調査)も偽造していた。これについては患者に謝罪した。しかし、患者らは刑事告訴に踏み切った。

ところが、被告発人の欄を「被疑者不詳」にしていたために不測の事態となった。非正規職員の女性らが、容疑者として警察や検察の取り調べを受けたのだ。

河内教授が責任を非常勤職員らに押し付けた可能性が高い。

岡本特任教授の患者のカルテを無許可で大量に閲覧していたことも発覚した。小線源治療をバッシングすることが目的だったようだ。

大津市民は、河内教授の理事長就任をどう受け止めるのだろうか。

滋賀医科大事件は風化していない。『名医の追放』(緑風出版)に記録している。

※詳細は、来週に公開されるデジタル鹿砦社通信。

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