4月14日に大津地裁で判決、争点は説明義務違反の有無、滋賀医科大事件
滋賀医科大医学部付属病院で起きた“人間モルモット”事件の判決が、4月14日の15時に大津地裁で言い渡される。この事件は既報してきたように、前立腺癌の小線源治療をめぐり、4人の患者が説明義務違反で、2人の医師に対して総額440万円の損害賠償を求めたものである。
同病院では、小線源治療のパイオニア・岡本圭生医師が独自の講座で、前立腺癌の患者に対する小線源治療を実施してきた。その治療成績は卓越していて、全国から患者が治療を希望して集まっていた。
【参考記事・ビジネスジャーナル】前立腺がん、手術後の非再発率99%の小線源治療、画期的な「岡本メソッド」確立
ところが泌尿器科の河内明宏教授と成田充弘准教授が、岡本医師とは別に自分たち独自で小線源治療を実施しようと計画した。そして20名あまりの癌患者を泌尿器科へ誘導した。
この裁判の原告となった4人の患者は、手術に至る前段の治療プロセスで、不適切な治療を半ば強要されたうえに、岡本医師による治療を選択する権利がある旨をインフォームドコンセントの際に知らされなかったとして、提訴に踏み切ったのである。
ただ、請求額がひとりに付き110万円に過ぎないので、肉体的・金銭的なダメージからの回復を求めることが請求の目的ではなく、責任の所在を明確にすることであると推測される。
争点は、河内医師と成田医師の行為が説明義務違反に該当するかどうかという点である。
この事件については関西の大手メディアが熱心に報道してきた。『週刊朝日』も繰り返し報じている。たとえば、次に紹介するのは、大阪毎日放送が制作したドキュメンタリー、「閉じた病棟 ~大学病院で何が起きたのか~」である。