横浜・副流煙裁判の本人尋問、作田学医師の診断書のフォーマットが2つ存在することが判明
横浜の副流煙裁判の本人尋問調書が公開された。尋問は6月18日に、原告(夫と妻)と、被告(藤井将登氏)の3人に対して行われた。メディア黒書は調書を入手したので、順次紹介していく。ただし、原告の名前は匿名にした。
1回目は、原告・妻に対する尋問を取りあげる。特に注目してほしいのは、被告による「反対尋問」(13ページ~)の中で、診断書の偽造疑惑を被告が追及している箇所である。
簡単に背景を説明しよう。
原告は、自分たちの娘が化学物質過敏症の罹患していることを示す診断書を提出した。それは作田学医師が作成したものである。そこには、次のように病名が記されていた。
受動喫煙症レベルⅣ、化学物質過敏症
この診断書を原告は、甲第3号証として裁判所に提出した。
ところが裁判の進行プロセスのなかで、原告は、再び作田医師が作成したとされる診断書を提出した。診断の対象患者は、やはり原告の娘だ。この診断書には、次のような病名が記されていた。(赤文字は黒薮による)
化学物質過敏症レベルⅣ、化学物質過敏症
化学物質過敏症の診断では、レベルの判定はしない。この時点で、被告はこの診断書が医師ではない人間によって作成された疑惑を抱いた。診断書は、甲46号証として提出された。そこで甲46号証の証拠説明を見ると、甲46号証は、「甲3と同一のものである」と書かれていた。
つまり甲46号証か、甲3号証のどちらかが偽造された診断書ということになる。あるいは同じ患者の診断書のフォーマットが2つ存在することになる。
ちなみに、「甲3」号証と「甲46」号証を重ねあわせて光に透かしたところ、フォント(ラインの位置など)が一致しないことも分かった。つまり「甲46」号証と「甲3」号証は、別ものである。
今回の本人尋問の中で、作田医師の診断書のフォーマットが2つ存在することが判明したのだ。しかも、それらを弁護士らにメールで電送していたのである。尋問の中で原告・妻は、診断書を病院の窓口で直接受け取ったと証言したが、山田弁護士は「原告代理人が作田医師から診療記録のデータとして、メールで受け取っているものである」(原告準備書面8)と述べている。
通常、デジタルによる診断書は、たとえ修正する場合でも、「上書き」するので、フォーマットが2つ存在することはあり得ない。
以下、尋問の確信部分である。(調書の全文は後日公開)
被告:それ(注:診断書)を手渡されたんですか。
原告:はい。正確なやつですね。受動喫煙。
被告:その場でということですね。その場で書き直していただいたんですね。
原告:その場です。もちろん,はい,その場です。
被告:ところがその書き直す前のものを作田先生がそのまま保存か何かなさって,それが残っていたのではないかといぅことですか。
原告:それはプログレスノートで弁護士さんに送られたやつは,パソコンってそうなんですけれども。
被告:弁護士さんに送られた。
原告:そうです。私は全然知らないです。弁護士にプログレスノートとかい
ろんな資料を送るときに,間違ったままのやつを送られたと思います。
被告:作田先生がメールで弁護士先生に資料を送られたんですね。
原告:送られたときに, はい。
被告:診断書のデータを送られたんですね。
原告:そうです,そうです。
被告:それが間違った病名が書かれたものであったということですね。
原告:だと思います。
被告:それを46の6号証として提出されたということですね。
原告:はい,だと思います。