1. 神原元・自由法曹団常任幹事のツィートを検証する、広義の「しばき隊事件」にみる社会病理

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2018年04月09日 (月曜日)

神原元・自由法曹団常任幹事のツィートを検証する、広義の「しばき隊事件」にみる社会病理

広義の「しばき隊」事件とは、差別と闘っているグループの中で、2014年12月、内ゲバがあったとされる件である。メディア黒書でおもに書評のかたちで何度か取りあげたが、その中で浮上してきたのが、客観的な事実は何かという重い問である。

客観的な事実を誤って把握し、それを前提に議論しても意味はない。たとえば南京事件がなかったという誤った歴史認識に立って旧日本軍の戦争犯罪を語っても、議論は噛み合わない。

広義の「しばき隊」事件でも、類似した思考の混乱が見うけられる。事件を起こした人々も認めているように、Mさんに対する暴行は客観的な事実である。Mさんが暴行を受けた際の音声も克明に残っている。それは極めてジャーナリズム(記録)性が高い貴重な記録だ。(冒頭の動画参考)

ところが酒場から、突然、次のようなツィートが投稿されたりする。

 「しばき隊リンチ事件」「主水事件」「M君事件」等と称された事件に判決が下りた。結論は、共謀なし。李信恵さんの責任はなし。一部に誤った認定はあったが、原告のストーリーは全て否定された。「しばき隊がリンチ事件を起こした」等とデマに踊った人々は猛省すべきである。今後、誹謗中傷は許さない出典

これは自由法曹団・常任幹事の神原元弁護士のツィートである。3月19日の夜、酒場から移動通信機器で、軽々しく発せられたものと思われる。

この日の午後、大阪地裁である裁判の判決が下された。Mさんが暴行の加害者と、それを傍観した者を被告として提訴した損害賠償裁判の判決である。この裁判の被告は、5人。このうち神原弁護士は、2人の被告の代理人を務めた。李信恵氏と伊藤大介氏である。

このうち李氏に対する損害賠償請求は棄却された。ただし、次の事実は認定された。

 被告普鉉が原告を迎えに出て、同月17日午前2時頃、原告及び被告普鉉が本件店舗内に入ったところ、出入口に最も近い席に坐っていた被告信恵が、原告に対して「なんやのお前」などと言いながら、原告に詰め寄り、その胸倉をつかんだ。これに対し、被告普鉉が、直ちに「まあまあまあ、リンダさん、ごめんな。」と言い、被告金も「店やし、店やし。」などと言いながら、被告信恵を制止して、原告から引き離した。

一方、伊藤氏に対しては、次のような判決が下った。

 被告金及び被告伊藤は、原告に対して、各自79万9740円及びこれに対する平成26年12月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を払え。

◇李信恵氏は自分のペンで

判決の内容からすれば、李氏は損害賠償の責任こそ逃れたが、伊藤氏らが損害賠償を命じられた判決の原因を作った。それが客観的な事実である。と、いうのも、最初に「原告に対して『なんやのお前』などと言いながら、原告に詰め寄」った事実が認定されているからだ。深夜の酒場での「金銭問題についての会議」の冒頭、険悪な空気をかもしだしたと推測できる。

と、すれば前出の神原弁護士のツィートは、客観的な事実に基づいたものではない。とりわけ、「原告のストーリーは全て否定された。」とする記述は、南京事件はなかったと主張している極右の人々と同じ思考レベルである。まして、伊藤氏は損害賠償を命ぜられているのである。敗訴である。

ちなみに、李氏は裁判で損害賠償責任を免れたから、彼女が事件に関与したとする主張と報道は、控えるべきだと主張している人々が複数いるが、それは裁判の判決だけを絶対的なものとして過信した主張にすぎない。改めていうまでもなく、司法判断は万能ではない。それどころか司法判断に間違いが多いことは、最近では周知の事実である。それゆえに、司法判断が本当に正しいのかどうかを、ジャーナリズムの観点から再検証する必要があるのだ。

なお、李氏はノンフィクション・ライターなのだから、自分のペンでこの事件について書くべきだろう。筆者は、読売新聞との裁判の間も、読売批判をやめなかった。筆者の弁護団もそれを認めてくれた。対抗言論を自分のペンで批判する自由はあるはずだ。

◇ツイッターの社会病理

神原弁護士のツィートを細かく検証してみたが、弁護士として、あるいは自由法曹団の常任幹事として、品性に欠けるものが見うけられる。言葉を吟味せずに、自分の内面を吐き散らしだけのツィートである。そこに筆者は、ある種の社会病理を感じる。

神原弁護士の次のツィートについても、今後、検証する機会があるかも知れない。

真のジャーナリズムとは、権力と闘い、弱い者に味方するものである。この事件で濡れ衣を着せられた人を叩き続ける者は、少なくともジャーナリズムを名乗ってはならない。 ジャーナリストのなすべきことはむしろ、判決で認定された事実をもとに、濡れ衣を着せられた人の名誉を回復することである。出典

今日も卑劣なレイシストをやっつけたので酒が美味い。出典

 ↑等と書いた関係もあり、件の「フリーライター」は私への取材を記事にすることを断念したようだ(^^)。 名誉毀損になる記事にならないようにするには、公益性のある事実について、真実を書けば足りる。それが判例。常識だ。 それすらできないなら、そもそもライターの資格はない。筆を折るべきだ。 出典

そういえば、「しばき隊事件」の取材と称して俺に喧嘩を売ってきたフリーライターは「逆差別だ」とか言ってきたな。この件で騒いでる連中に言わせると、日本人に訴えられた朝鮮人が無実を主張すると「逆差別」になるらしい。 いろいろなことが見えてくる発言でしたな。出典

件の「フリーライター」、30分間私に叱られて、メモも取れなかったらしく、結局インタビュー記事は書けない。仕方なく私のツイートをまとめて何か書くつもりのようだ。しかし、ツイート読むだけなら記者はいらない。何度も言うが、彼にライターの資質はないから筆を折るべきだ。出典

悪質な“取材”の撃退方法。植村隆さんに学ぶといい。悪質な取材者に対しては、こちらから質問をぶつけること。彼らは質問を受けることには慣れていない。簡単に沈没する。 産経新聞の【元朝日新聞・植村隆氏インタビュー詳報】がすごい件 - NAVER まとめ matome.naver.jp/odai/214409925... 出典

もちろん、件のフリーライターが、裁判で無実が証明された人を記事で誹謗するなら、容赦なく法的措置をとる。冤罪被害者を守るため司法に救済を求めることをスラップ訴訟とは言わない。むしろ、人権擁護と社会的正義実現のために不可欠な訴訟であると断言できる。出典  

 

【写真の出典】弁護士ドットコム