元読売弁護団のメンバーが九州各地を転々、「押し紙」裁判で同業他社を支援、「押し紙」隠しのノウハウを伝授か?、業界ぐるみの「押し紙」隠蔽が明らかに

読売弁護団(西部本社)のメンバーの一部が、「押し紙」裁判を起こされた同業他社を支援するために、九州各地の裁判所を転々としてきたことが分かった。「押し紙」隠しのノウハウを新聞業界ぐるみで共有している実態が明らかになった。
九州各地を転々としてきたのは福岡国際法律事務所の近藤真弁護士ら3名である。近藤弁護士らは、2008年ごろに喜田村洋一・自由人権協会代表理事らと共に読売弁護団を結成して読売の主張を代弁してきた。「押し紙」は1部も存在しないと主張してきたのである。
筆者が2008年に読売に対して起こしたスラップ認定裁判でも読売の代理人として登場した。この裁判は、読売が筆者に対し短期間に次々と起こした3件の裁判(約8000万円を請求)が、「一連一体の言論弾圧」にあたるとして、5500万円の損害賠償を求めたものである。
同じ時期、近藤弁護士らは、宮崎市の朝日新聞販売店が起こした「押し紙」裁判でも、朝日新聞社の代理人に就任した。この裁判では、「押し紙」を「予備紙」と強弁し、裁判所もこの主張を認めた。以後、「押し紙」の中味は「予備紙」だという詭弁が広がったのである。
◇西日本新聞と佐賀新聞でも
その後、福岡地裁で西日本新聞社の店主が「押し紙」裁判を起こすと、西日本新聞社の弁護団に加わった。さらに今月になって、やはり「押し紙」裁判に巻き込まれている佐賀新聞社の弁護団に加わっていたことが分かった。
なぜ、こんな現象が起きているのだろうか?以下、筆者の推測になる。
「押し紙」政策は、社会通念からすれば、誰が見ても異常だ。その異常な実態を正当化することは、普通の正義感がある弁護士であればできない。それを無理やりに正当化するための理論を組み立てるためには、独特の詭弁術が必要になる。そこで読売裁判の経験がある近藤弁護士ら3人が適任との評判が広がり、九州各地を転々とすることになった可能性が高い。
「押し紙」は存在しないという主張が真実だったのか、それとも嘘だったのか、これから明らかになることは間違いない。それによって裁判官や弁護士の評価も決まるのではないだろうか。
※なお、第1次真村裁判から第2次真村裁判へ至る過程、筆者が読売裁判に巻き込まれた過程などは、拙著『新聞の危機と偽装部数』(花伝社)に詳しく記録している。
読売新聞の元販売店主がメディア黒書に内部告発、「使途不明金を弁済させられた」

読売新聞の元店主からメディア黒書に内部告発があった。内容は、会計に関する不当な処理を強要されたというものである。現時点では、「告発された側」の言い分を聴取するに至っていないので、ここでは告発者側の主張だけを紹介しておこう。その上で「告発された側」の言い分を取材することにする。
この事件の背景を説明しておこう。読売に限らず、新聞販売店は地域ごとに「会」を組織している。たとえば、神奈川連合読売会。その下に地域ごとの会がある。さらにその下に支部がある。つまりピラミット状の組織になっているのだ。
この事件は、神奈川県内のあるYCの支部(8店で構成)で起きた。
今年2月にYCを廃業したKさんは、それまで支部会の会計を担当していた。ところが「平成21年4月から平成29年3月」(始末書)の会計で、不正経理が発覚した。その額は、推定で「3,690,000円」。(始末書)その責任をKさんが取ることになり、会計処理に誤りがあったことを認め、謝意を表す始末書を書かされた上で、使途不明金をポケットマネーから弁済させられたというものである。
Kさんは、始末書に捺印したが納得しておらず内部告発に踏み切ったのである。
「自分が使い込んだわけではありません。古い領収書がなかったので、どうすることも出来ませんでした」
・・・・会費はおもに何に使っていましたが?
「飲食費が多かったです」
・・・・2月に自主廃業されましたが、この事件と何か関係ありますか?
「それはまったく別問題です。経営が悪化したことが原因です」
内部告発された支部側の言い分については、取材後に紹介したい。
2018年05月03日 (木曜日)
毎日新聞、読売新聞、新潟日報が森裕子議員に対する3度目の刑事告発受理を報道

4月20日付けで新潟地検が受理した森裕子議員に対する刑事告発を、毎日新聞、読売新聞、新潟日報の3紙が報じた。新潟知事選を前に、どのような影響が生じるのか注目される。この事件の背景には、政治資金の還付金制度がある。
分かりにくい記事なので、以下、解説しておこう。
【還付金制度】議員が代表を務める地元の政党支部などへ有権者が政治献金を行った場合、税務署で所定の手続きをすれば、寄付した金額の30%が戻ってくる。たとえば1000万円を寄付すれば、300万円が戻ってくる。
ただし、租税特別措置法の41条18・1は、還付金制度の例外事項として、「その寄付をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定めている。この条項を無視して、議員が自らの政党支部に寄付すれば、マネーロンダリングになってしまう。1000万円を寄付すれば、資金が1300万円にふくれあがることになる。
引用文にも明記されているように、「還付金制度の例外事項として、「その寄付をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定めている。森氏のケースがこれに該当するという判断で、志岐武彦氏と筆者が、過去2度にわたって刑事告発した。そして2度とも受理された。
しかし、ある事情で不起訴になった。以下、推測になるが、事情を説明しておこう。筆者らは、高市早苗議員に対しても同じ容疑で奈良地検に刑事告発した。奈良地検もこれを受理した。
筆者らは当然、高市・森の両氏は、起訴されるものと考えていた。ところが急激に検察をはじめ国家公務員の腐敗が進むなかで、安倍内閣の総務大臣だった高市氏は、不起訴になるのではないかという懸念が生じてきた。
検察が高市氏を不起訴にするためには、森議員も不起訴にしなければ整合性が取れない。そこでまず森氏を不起訴にし、続いて高市氏も不起訴としたのである。志岐氏が管理している新潟地検との会話記録によると、同地検は起訴の方向だったようだ。それを前提に上級機関の承諾を得る手続を進めていたのである。
◇不起訴に対する対抗策
不起訴の決定に対して筆者らは対抗策を講じた。高市氏に対する容疑を「詐欺」から、「所得税法違反」に切り替えて、再び刑事告発した。詳細は次の通り。
■検察審査会へ申し立て、新たに刑事告発、高市早苗議員によるマネーロンダリング疑惑
一方、森氏に対しては、志岐氏が単独で、別の罪名で刑事告発を行った。そして、4月20付けで、受理されたのである。この内容については、次の記事に詳しい。ただし、書類を提出した後、告発内容の一部を変更したので、リンクを張った告発状は、修正前のものと、修正後のものと2種類ある。読者には後者の方を参考にしてほしい。
■志岐武彦氏が森裕子議員を新たに刑事告発、政治資金収支報告書の虚偽記載疑惑などで
◇菊田真紀子衆議院も675万円の還付金
なお、メディア黒書で既報したように、森氏と高市氏が手を染めたマネーロンダリングの手口は、政治家の間で広まっており、来る新潟知事選で野党共闘の候補者として名があがっている菊田真紀子衆議院も、2016年度までに675万円の還付金を受けている。
■新潟知事選の候補・菊田真紀子衆院議員がマネーロンダリングの手口で675万円の還付金を受け取っていた、同じ新潟の森裕子議員と共通の手口
◇森氏によるマネーロンダリング一覧
参考までに森議員のマネーロンダリングの詳細を表にしたものを紹介しておこう。作成は、『財界にいがた』と志岐氏である。
2018年2月度の新聞のABC部数、朝日は年間で31万部減、読売は29万部減、朝日が高いジャーナリズム性を発揮できる背景に「押し紙」政策の廃止

2018年2月度の新聞のABC部数が明らかになった。ABC部数の低落傾向にはまったく歯止めがかかっていない。この1年間で、朝日新聞は約31万部減、毎日新聞は約17万部減、読売新聞は約29万部減である。さらに日経も、約28万部を減らしている。
詳細は次の通りである。()内は、前年同月比である。
朝日:5,989,345(-308,108)
毎日:2,840,338(-173,444)
読売:8,560,861(-285,287)
日経:2,445,373(-275,347)
産経:1,516,574(-46,299)
◇読者の減というよりも、「押し紙」の減
メディア黒書で新聞のABC部数を紹介するたびに、繰り返し説明していることであるが、ABC部数の減少が必ずしも読者数の減少を意味するものではない。と、いうのもABC部数には、大量の「押し紙」が含まれており、新聞社が自主的に「押し紙」を減らした結果、ABC部数が減少した可能性もあるからだ。
むしろABC部数の減部数は、「押し紙」を減らした結果であると解釈するほうが正しい。新聞社が「押し紙」を減らす理由は、販売店の経営が悪化して、「押し紙」の負担に耐えきれなくなっているからだ。販売網が崩壊すれば、肝心の新聞を宅配できなくなるからだ。
筆者が販売店を取材した限りでは、朝日新聞の販売店では、大幅に「押し紙」が減っている。全店を調査したわけではないが、筆者と接触を持っている店は、全店で「押し紙」がゼロになった。それがABC部数の激減を招いているのだ。
◇朝日が高いジャーナリズム性を発揮している理由
このところ朝日新聞は安倍内閣批判で高いジャーナリズム性を発揮している。その背景には、「押し紙」の排除があると筆者は考えている。「押し紙」は独禁法違反であるから、「押し紙」があれば、公権力はそれを口実に報道内容に暗黙の圧力をかけてくる。それゆえに「押し紙」を排除すれば、ほぼ経営上の大きな汚点はなくなり、正面から政府に対峙する条件が生まれるのだ
逆説的に言えば、政府は「押し紙」を放置することで、メディアコントロールを続けてきたといえる。朝日は、「押し紙」を廃止したことで、ジャーナリズム企業としての条件を整えたのである。
これは意外?読売・真村訴訟の判決で認定されているABC部数改ざん手口、PC上に架空の配達地区と架空読者を設定

新聞販売に関係した諸問題のなかで、メディア黒書でもあまり取りあげてこなかったテーマのひとつに、ABC部数の改ざん問題がある。これは裏をかえすと帳簿上で、「押し紙」部数を実配部数として計上する手口のことである。
当然、「押し紙」には読者がいないが、帳簿上では、「押し紙」の読者が存在するかのように改ざんするのだ。手口はいたって簡単だ。
新聞販売店の業務にパソコンが導入されていなかった時代は、ABC協会による調査が入る直前(新聞社から事前に通知がある)に、販売店は総出で偽の帳簿を作っていた。故高屋肇氏(毎日新聞の元店主)によると、ウソの名前と住所を延々と帳簿に書き連ねて、搬入部数と読者数(架空読者を含む)をほぼ一致させていたのだという。ABC協会の調査員も、帳簿を詳しく調査することはなかったという。
が、その後、新聞販売店の業務にもパソコンが導入された。それに伴い、今度は、パソコン上で、架空の読者を設定するようになった。少なくとも、筆者が取材した真村訴訟(被告・読売新聞社西部本社)のケースでは、パソコン上に架空の配達区、架空の住所、架空の読者が設定されていたことが司法認定された。
真村訴訟とは、YC広川(福岡)の真村店主が店主としての地位保全を求めて読売新聞を訴えた裁判である。2007年に真村氏の勝訴が最高裁で確定している。従って、読売によるABC部数の改ざん方法を考える上で、裏付けが確かな例といえるだろう。
◇PC上の架空配達区と架空読者
真村氏は自店のパソコン上の帳簿に26区と命名した架空の配達区を設定していた。この26区は、帳簿上で「押し紙」を実配部数として計上するための区だった。ここに架空の読者を設置して、実際には新聞を配達していないが、配達したことにして帳簿上の部数が、すべて実配部数になるように操作していたのである。
裁判の中で真村氏はこの事実を認めた。裁判所もそれを事実認定した。福岡高裁判決から、該当部分を引用しておこう。
■平成11年5月ころからは、広川地区の28区域のうち26区を架空読者を計上するために利用し始めた。(甲131、原審での一審原告真村本人)
■(真村氏は読売本社に)定数(搬入部数)1660部、実配数1651部と報告していたが、実際には26区に132世帯の架空読者を計上していたので、実際の配達部数は1519部を超えないことになる。
真村氏は、実際には1519部しか配達していなかったが、26区の132部を加えた総計1660部が実配部数であると報告したのだ。これは実配部数の虚偽報告にあたり、裁判所もそれを認定・批判しているが、同時に真村氏がそうせざるを得なかった背景を次のように認定している。
■しかしながら、新聞販売店が虚偽報告をする背景には、ひたすら増紙を求め、減紙を極端に嫌う一審被告の方針があり、それは一審被告(読売)の体質にさえなっているといっても過言ではない程である。
これが部数至上主義といわれるものである。日本の新聞社の諸悪の根源である。
■このように、(読売は)一方で定数と実配数が異なることを知りながら、あえて定数と実配数を一致させることをせず、定数だけをABC協会に報告して広告料計算の基礎としているという態度が見られるのであり、これは、自らの利益のためには定数と実配数の齟齬をある程度容認するかのような姿勢であると評されても仕方のないところである。そうであれば、一審原告真村の虚偽報告を一方的に厳しく非難することは、上記のような自らの利益優先の態度と比較して身勝手のそしりを免れないものというべきである。
読売の販売政策を裁判所は、「身勝手のそしりを免れない」と認定して、真村氏の地位を保全したのである。
このように実は、裁判の中でABC部数の改ざん方法は検証され、その悪質な手口が司法認定されているのである。
公正取引委員会は、早急に調査すべきだろう。また、国税局も毎年調査すべきだろう。
◇「押し紙」1部もありません
参考までに喜田村ライブラリー(読売・裁判資料集)から、読売側の主張も紹介しておこう。出典は、対黒薮・新潮社の「押し紙」裁判(2010年11月16日・平成21年[ワ]第23459、読売の勝訴)である。読売の代理人・喜田村洋一・自由人権協会代表理事の質問に答えるかたちで、宮本友丘専務(当時)は、次のように証言した。
喜田村弁護士:この裁判では、読売新聞の押し紙が全国的に見ると30パーセントから40パーセントあるんだという週刊新潮の記事が問題になっております。この点は陳述書でも書いていただいていることですけれども、大切なことですのでもう1度お尋ねいたしますけれども、読売新聞社にとって不要な新聞を販売店に強要するという意味での押し紙政策があるのかどうか、この点について裁判所にご説明ください。
宮本:読売新聞の販売局、あと読売新聞社として押し紙をしたことは1回もございません。
喜田村弁護士:それは、昔からそういう状況が続いているというふうにお聞きしてよろしいですか。
宮本:はい。
喜田村弁護士:新聞の注文の仕方について改めて確認をさせていただきますけれども、販売店が自分のお店に何部配達してほしいのか、搬入してほしいのかということを読売新聞社に注文するわけですね。
宮本:はい。
【訂正記事】読売がひと月で約10万部減、このうち約9万7000部が東京本社管内、2017年12月度のABC部数

【訂正記事】
昨日(8日)付け記事で、訂正・謝罪したように、2日付けで公表した新聞各社の2017年12月度のABC部数は、裏付け資料が間違っていた。次に示す数字が、2017年度12月度のABC部数である。
それによると、読売が前月比で約10万部の減部数になったのが著しい特徴としてあげられる。このうち東京本社管内の減部数は、9万7126部である。つまり読売の場合、減部数の大半が東京本社管内で起きたことを意味している。
対前年比で見た場合、朝日は約30万部、毎日は約16万部、読売は約24万部、日経は約23万部、産経の約4万の減部数となっている。
部数内訳は次の通りである。[ ]対前月数。()対前年同月数
朝日:6,038,803[-26,432](-299,212)
毎日:2,860,202[-39,509](-162,792)
読売:8,660,824[-104,542](-240,964)
日経:2,498,347[41,792](-227,863)
産経:1,520,115[-147](-44,499)
ちなみに、独禁法の新聞特殊指定によると、「押し紙」とは、「実配部数+予備紙」を超えた部数を意味する。そして梱包されたまま回収されている「押し紙」は、予備紙としては使われていないわけだから、すべて「押し紙」ということになる。
新聞人は、新聞社と販売店が話し合って決めた注文部数を超えた部数が「押し紙」であり、従って「押し紙」は存在しないと主張してきたが、これは新聞特殊指定の解釈の誤りである。特殊指定は、優越的地位の濫用を防止するために、「押し紙」についての特殊な定義を設けているのである。
繰り返しになるが「実配部数+予備紙」を超えた部数はすべて「押し紙」である。そして回収されている新聞は、予備紙としては使われていないのだから、残紙はすべて「押し紙」である。極めて単純な話なのだ。単純な話をわざわざ複雑にしてごまかしているのが、新聞人なのである。
12月度のABC部数は次の通りである。念を押すまでもなく、ABC部数は、公称の部数であって、実配部数ではない。減部数分が「押し紙」だった可能性もある。もちろん実配部数が減った可能性もある。
◇会食組に新聞人も
なお、昨年の年末、12月26日に安倍晋三首相と会食したマスコミ関係者は次の面々だ。新聞人も2名含まれている。
小田尚(読売)、粕谷賢之(日テレ)、島田敏男(NHK)、曽我豪(朝日)、田崎史郎(時事)、石川一郎(BSジャパン)
これでは「押し紙」問題は解決しない。
◇「押し紙」と折込広告の回収場面の動画
参考までに「押し紙」回収の場面と、水増しされた折込広告を回収している場面を撮影した動画を紹介しておこう。新聞人は1980年代から、「押し紙」問題を繰り返し指摘されてきたが、耳を傾けないわけだから、筆者も報じ続けざるを得ないだろう。
次の3点の動画は、「押し紙」を回収している場面である。回収されている新聞が古紙でないことは、新聞がビニールで梱包されていることで分かる。毎日新聞の場合、「押し紙」率が70%を超える販売店もあった。
【動画1】
【動画2】
【動画3「今朝の毎日新聞が数時間後には只の新聞紙(古紙)になるまでの様子」
◆折込広告の破棄
「押し紙」とセットになっている折込広告も破棄される。以下の「1」と「2」は、過剰になった折込広告を段ボール箱に入れる場面である。「3」は、折込広告が入った段ボールを、トラックに積み込む場面である。
なお、「3」は、販売店から紙収集場までをカメラが追跡している。素人が撮影した動画だが、こんな場面はNHKに40年勤務しても撮影できないだろう。
【1,大量廃棄されるユニクロの折込広告】
【2,大量廃棄される山田養蜂場の折込広告】
【3,販売店から折込広告を搬出する場面】
◇読売に対する反論
真村訴訟での「押し紙」政策認定については、読売はその解釈を認めていない。事実、この点に言及した『月刊Hanada』の記事(黒薮執筆)に、読売の滝鼻広報部長が抗議文を送りつけた。そこで、それに対する筆者の反論と、判決を以下に掲載しておこう。滝鼻氏が希望されるようであれば、抗議文の全文を掲載する。
2017年11月のABC部数、日経は年間で27万部減、朝日は30万部減、読売は24万部減、新聞の「押し紙」型ビジネスモデルはほぼ崩壊

2017年11月度の新聞のABC部数が明らかになった。それによると、この1年間で朝日新聞は、約30万部を減らし、読売新聞は約24万部を減らした。地方紙を含む全国76紙のベースでみると、125万部が減部数となった。新聞の凋落傾向に歯止めはかかっていない。
中央紙5紙のABC部数は次の通りである。()内は前年同月比である。
朝日新聞:6,065,235(-295,411)
毎日新聞:2,899,711(-127,973)
読売新聞:8,765,366(-239,403)
日経新聞:2,456,555(-268,224)
産経新聞:1,520,262(-46,318)
◇減部数の中身は「押し紙」
ちなみにABC部数には、新聞販売店からの注文部数を超えて搬入される「押し紙」が含まれている。従ってABC部数の減部数が購読を中止した読者の数を示しているわけではない。それよりも「押し紙」を減らした結果がABC部数の減部数として現れていると解釈すべきだろう。
新聞社が「押し紙」を減らさざるを得ない背景には、販売店の経営悪化がある。折込広告の受注が激減しているので、折込広告の水増し収入で、「押し紙」で生じる損害を相殺する従来のビジネスモデルが機能しなくなっているのだ。
こうした状況の下では、「押し紙」を減らさない限り、新聞販売店の経営は成り立たない。これが新聞の凋落の中身なのである。読者(その大半は高齢者)そのものが極端に減っているわけではない。
それにしてもこれだけ多量の新聞が減部数になっていながら、新聞社はなぜ、倒産しないのだろうか。会食の場で、安倍首相から素晴らしい秘策でも受けているのかも知れない。独禁法違反で公正取引委員会が動けば、手も足もでないはずなのだが。
※新聞の注文部数とは、新聞特殊指定によると、「実配部数+予備紙」のことである。従って梱包されたまま回収されている新聞は、予備紙としては使われておらず、理由のいかんにかかわらず「押し紙」ということになる。新聞業界は業界ぐるみで、独禁法に違反している可能性が高い。
【動画】「押し紙」回収の現場。毎日新聞のケース
読売「北田資料」に見る「押し紙」の実態、読売は「押し紙」を否定

新聞販売店が次々と経営破綻の寸前に追い込まれている。原因は、インターネットの台頭と表裏関係にある「紙新聞」の衰退という状況の下で、「押し紙」が重い負担となって販売店にのしかかってきたことである。販売店の経営悪化が、従業員の待遇を押し下げる。士気を奪う。こうした新聞販売現場の空気が、新聞発行本社の幹部へ伝わっているのかも疑問だ。
しかし、「押し紙」問題は最近になって浮上してきたものではない。日販協(日本新聞販売協会)の会報のバックナンバーを調べてみると、少なくとも1970年代から、大きな問題になっている。日販協が独自の「残紙」調査を行い、新聞発行本社へ「押し紙」政策の中止を申し入れたりもしている。
1980年代の初頭には国会で、共産党、公明党、社会党が、合計で15回も新聞販売の問題を取りあげた。しかし、問題は解決しないまま放置された。
その後、「押し紙」問題は、一旦、表舞台から姿を消した。日本経済が好調になったために、折込広告の需要が急激に増え、「押し紙」によって発生する損害を、折込広告の水増しで相殺できたからである。新聞販売店は折込広告で経営が成り立っていたのである。それが新聞のビジネスモデルだった。
販売店主の中には、折込広告の水増しが発覚すれば、即座にビジネスモデルが崩壊するので、正常な取り引きに徹すべきだと考える人も多かったが、新聞社が耳を貸さなかったのである。販売政策を決定するのは、新聞社なので、販売店側は、社の方針に従わざるをえなかった。従わなければ、強制改廃の対象になった。責任があるのは、新聞社の側である。
しかし、このようなビジネスモデルは、折込広告の需要がなくなれば成り立たない。実に単純な原理である。このところ新聞社が急激にABC部数を減らしているが、これは「押し紙」を減らさざるを得なくなった結果である可能性が高い。読者離れも進んでいるが、「押し紙」整理の要素の方が強い。
新聞経営者の多くは、経営者としてもダメな人が多いので、既存のビジネスモデルが孕んでいるリスクを予測できなかったのである。そして、今、悪夢が現実のものとなった。
参考までに、1970年代から80年代の時期の「押し紙」の実態を紹介しておこう。例に引くのは、北田資料と言われる有名な資料で、1982年3月8日に、共産党の瀬崎博義議員が国会質問で取りあげた。読売新聞・鶴舞直売所の「押し紙」の実態である。
◇北田資料
なお、読売の代理人弁護士である喜田村洋一・自由人権協会代表理事は、読売には1部も「押し紙」は存在しないし、読売の歴史上でも1部も存在しなかったと主張してきたが、読売の「押し紙」政策は、2007年に真村訴訟の中で認定されている。筆者がこの主張を『月刊HANADA』で展開したところ、読売の滝鼻広報部長が抗議文を送りつけてきたので、それに対する筆者の反論を紹介しておこう。以下のリンクである。
ここ10年の新聞発行部数の変化、朝日は約187万部減、読売は約127万部減、毎日は約94万部減、「押し紙」分を含めるとさらに深刻

次に示すのは、ここ10年間における中央紙のABC部数の変遷である。社名の左側の数字は2017年11月のもので、()内は10年前、つまり2007年11月のものである。
朝日 6,136,337(8,010,922)
毎日 2,942,247(3,882,063)
読売 8,713,985(9,983,032)
日経 2,702,584(2,882,495)
産経 1,519,645(2,167,187)
朝日新聞は約187万部、読売新聞は約127万部、毎日新聞は約94万部の減部数となっている。これら3社の減部数の合計は、約408万部となり、発行部数が44万部程度の京都新聞社が、9社消えた状況に匹敵する。大変な凋落ぶりである。
しかも、メディア黒書で繰り返し報じてきたように、これらの部数には「押し紙」が含まれているので、実際には、ABC部数に現れた数値よりもさらに部数減の規模が大きい可能性が高い。
■■「押し紙」とは?
「押し紙」とは、新聞社が新聞販売店に対して、搬入する新聞のうち、配達されないまま回収される新聞のことである。たとえば2000部しか配達していない販売店に3000部を搬入すると、過剰になった1000部が「押し紙」である。偽装部数ともいう。
ただし、予備紙(配達中の破損などに備えて余分に確保しておく新聞で、通常は、搬入部数の2%)は、「押し紙」に含まれない。
公正取引委員会の見解は、実際に配達する新聞の部数に予備紙をプラスした部数が、正常な新聞販売店経営に必要な部数であって、それを超えた部数は、機械的にすべて「押し紙」と定義している。新聞社は、「押し紙」についても、卸代金を徴収する。
新聞人ら(ここでは新聞社の経営陣)は、一貫して「押し紙」は1部も存在しないと主張している。しかし、次の動画を見る限り、故意に嘘をついているとしか思えない。ちなみに今年、新聞人らが新聞週間のために決めた標語は、「新聞で見分けるフェイク 知るファクト」である。彼らは、次の動画を凝視すべきだろう。
【動画】「押し紙」の回収。本記事とは関係ありません。
【参考動画】
■新聞週間の標語「新聞で見分けるフェイク 知るファクト」の裏面で新聞部数の偽装「押し紙」、大量廃棄される天満屋の折込広告
■新聞の凋落、水増しされ大量廃棄される県民共済の折込広告、「折り込め詐欺」の実態
■新聞没落、1販売店から月間30トンの「押し紙」、「折り込め詐欺」の発覚でクライアントが折込広告に見切りか?
没落へ向かう新聞業界、1年で朝日は約30万部減、読売は21万部減、毎日は11万部減、9月度のABC部数

2017年9月のABC部数が明らかになった。それによると新聞の部数減の傾向にはまったく歯止めがかかっていない。ここ1年で、朝日新聞は約30万部、読売新聞は約23万部、それに毎日新聞は約11万部の部数を減らした。
朝日 6,136,337(-296,822)
毎日 2,942,247(-107,150)
読売 8,713,985(-228,146)
日経 2,702,584(-22,677)
産経 1,519,645(-49,203)
地方紙とブロック紙を含めて、一般紙で部数を増やした新聞社は1社も存在しない。軒並み部数を減らしている。次に示すのは、全国76紙のABC部数である。
◇「新聞で見分けるフェイク 知るファクト」
なお、ABC部数には、「押し紙」が含まれている。
「押し紙」とは、新聞社が新聞販売店に対して、搬入する新聞のうち、配達されないまま回収される新聞のことである。たとえば2000部しか配達していない販売店に3000部を搬入すると、過剰になった1000部が「押し紙」である。偽装部数ともいう。
ただし、予備紙(配達中の破損などに備えて余分に確保しておく新聞で、通常は、搬入部数の2%)は、「押し紙」に含まれない。
公正取引委員会の見解は、実際に配達する新聞の部数に予備紙をプラスした部数が、正常な新聞販売店経営に必要な部数であって、それを超えた部数は、機械的にすべて「押し紙」と定義している。新聞社は、「押し紙」についても、卸代金を徴収する。
今年の秋の新聞週間の標語は、「新聞で見分けるフェイク 知るファクト」であるが、「押し紙」行為こそがフェイク情報の典型といえよう。ダフ屋まがいの新聞人によるしつこい新聞拡販はなくなったが、実配部数を偽る行為はまったく解決していない。それゆえにABC部数を解析する際には、注意を要する。ABC部数が必ずしも実配部数を意味するわけではない。
【動画】「押し紙」を回収する現場。ABC部数がフェイク情報であることの裏付け。
【写真】毎日新聞の「押し紙」。毎日新聞・蛍池販売所の元所長・高屋肇氏提供。
新聞崩壊、17年度上期のABC部数、朝日は1年で33万部減、読売は約19万部減、増えたのは4紙のみ

2017年上期のABC部数(1月~6月の平均部数)が明らかになった。新聞部数の低落傾向にはまったく歯止めがかかっていない。
中央紙について言えば、朝日新聞は約630万部、読売新聞は約880万部、毎日新聞は約300万部となった。前年の同期比でみると、朝日は約-33万部、読売は約-19万部、毎日は約-8万部となった。
朝日新聞 6,258,582(-325,208)
毎日新聞 3,016,502(-77,111)
読売新聞 8,830,415(-186,823)
日経新聞 2,718,263(-12,331)
産経新聞 1,555,261(-24,420)
調査対象になった76紙のうち、前年同期比でプラスになったのは、4紙だけだった。読売(中部)が92部、山陰中央新報が1830部、読売中高生新聞が6248部、ニッキン新聞が318部である。
◇「予備紙」という詭弁(きべん)
ちなみに、ABC部数には、いわゆる「押し紙」が含まれているので、ABC部数が販売(配達)部数を現しているわけではない。「押し紙」とは、「実配部数+予備紙」を超えて搬入された新聞部数のことである。予備紙の割合は、伝統的には2%とされてきたが、現在は日本新聞協会(厳密には新聞販売公正取引協議会)により、この「2%ルール」が削除された状態になっている。従って、過剰になった新聞を「予備紙」と呼ぶことで、「押し紙」は1部も存在しないという詭弁が成り立っている。こうして多くの新聞社が、独禁法の網の目をくぐり抜けて、「押し紙」政策を続けている。
政府も司法もそれを容認している。仲間であるからだ。醜いメディア政策といえよう。
読売新聞のように「押し紙」は1部も存在しないと公言している新聞社もある。読売の代理人であり、自由人権協会代表理事の喜田村洋一弁護士に至っては、「押し紙」裁判などの中で、読売に限って、「押し紙」は1部も存在しないという主張を繰り返した。
しかし、これは真実ではない可能性がある。今後の検証が必要だ。
【読売熟読】読売防犯協力会の正体、共謀罪法案の成立で新聞販売店と警察が連携した「住民監視活動」がはじまる

強行採決で共謀罪法案が成立した。この法案が成立するプロセスで同時進行したのが、加計学園の問題と突如として現れた改憲論である。安倍首相が国会答弁ではからずも口にした「読売新聞を熟読して」は、こうした与党の一連の動きの背景に、読売新聞が共同歩調を取っていることを露呈した。
共謀罪法案の成立は、日本の刑法の運用を根本的に変えてしまう。それが社会全体に計り知れない負の影響を及ぼすことはいうまでもない。
従来、日本の刑法は、犯罪を実行した段階で、警察権力が逮捕権を行使するのが原則だった。ただ、命にかかわるような重大犯罪の場合、これでは手遅れになるので、例外的に犯罪実行の前段でも逮捕権を行使できる犯罪がいくつか指定されている。社会はそれで十分に機能してきたのだ。
ところが共謀罪法案が成立したことで、277の犯罪について、「共謀」(具体的には、話し合いなど)の段階で、逮捕権を行使できるようになった。しかも、この277の犯罪の中には、名誉毀損や著作権違反など出版関係者に直接かかわるものも含まれている。その一方で、政治家に不利にはたらく公職選挙法にかかわる犯罪は除外さている。
政府は、共謀罪法案を成立させる理由として、東京オリンピックに向けて、国連越境組織犯罪防止条約を批准するためと説明しているが、これはまったくの嘘である。国連越境組織犯罪防止条約は、国際金融犯罪を取り締まるためのもので、テロ対策は批准の条件にはなっていない。
共謀罪法案が成立する一連のプロセスの中で、日本の政治家の著しい劣化が明らかになった。
◇「不審人物などを積極的に通報」
さて、本稿はここからが肝心なのだが、共謀の段階で警察が逮捕権を行使するためには、共謀の証拠を掴む必要がある。スパイ活動は必然になるだろう。
そのスパイ活動の体制はすでに構築されている。しかも、われわれの日常の中に入り込んでいる。
読者は、読売防犯協力会という団体をご存じだろうか。これは読売新聞販(YC)と警察が協力して、「防犯」のための「通報活動」をおこなう組織である。本部は読売新聞社の中にある。
同協会のウエブサイトには、4つの活動目標が記されている。
1.配達・集金時に街の様子に目を配り、不審人物などを積極的に通報する
2.警察署・交番と連携し、折り込みチラシやミニコミ紙などで防犯情報を発信する
3.「こども110番の家」に登録、独居高齢者を見守るなど弱者の安全確保に努める
4.警察、行政、自治会などとのつながりを深め、地域に防犯活動の輪を広げる
つまり販売店の従業員が新聞配達や新聞の集金をしながら、「不信な人」を見かけたら、警察へ情報提供する役割を果たすのだ。新聞配達員は、路地の隅々にまで足を運ぶので、この種の活動には適任だ。
集金に訪れた家で、複数の人々が何か打ち合わせをしていて、それを不信に感じれば携帯電話で警察に通報する。こうした役割を担うのだ。
◇再び「読売新聞を熟読して」
読売防犯協力会と覚書を交わしている全国の警察は次の通りである。
安倍首相が国会答弁で、「読売新聞を熟読して」と言ったのは、偶然ではない。読売は、日本の極右勢力と連動している極めて危険な新聞社なのである。
【写真】左:安倍首相。右:読売新聞の元社長、特高警察出身の正力松太郎


