1. BPOが「ニュース女子」に名誉毀損の勧告、「のりこえねっと(辛淑玉共同代表)」と「しばき隊」のグレーな関係

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2018年03月09日 (金曜日)

BPOが「ニュース女子」に名誉毀損の勧告、「のりこえねっと(辛淑玉共同代表)」と「しばき隊」のグレーな関係

BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会が8日、TOKYO-MX放送が1月2日と9日に放送した「ニュース女子」に対して、「名誉を毀損した」とする勧告を公表した。この番組は沖縄の基地問題をテーマとした放送内容で、「米軍ヘリパッド建設に反対する人たちを『テロリスト』と表現したり、『日当をもらっている』『組織に雇用されている』などと伝えたりした。また、日当については『のりこえねっと』が払っていると指摘した」ものである。

出典:「ネットのデマを社会に拡散した」 ニュース女子で「人権侵害」の団体が見解

BPOへ申し立てを行っていたのは、「のりこえねっと」の辛淑玉共同代表である。辛氏が個人的に申し立てたのか、それとも共同代表のメンバーと協議して申し立てたのかは不明だが、「のりこえねっと」が批判の対象になった番組をBPOの審判にかけたのだから、内部で事前の協議があったと見るのが妥当だろう。ちなみに、共同代表は次の方々である。

「のりこえねっと」共同代表一覧

◇内ゲバ事件

「ニュース女子」の番組内容については、筆者は視聴していないので、ここではふれないが、別の問題がある。辛氏の申し立て先がBPOの放送人権委員会であるにもかかわらず、このところ辛氏らの活動が、人権という観点から問われているからだ。


メディア黒書で既報したように、辛氏らの「のりこえねっと」は、内ゲバ事件を起こ
したグループをむしろ擁護する立場を取ってきた。この事件の詳細については、次の記事に詳しい。

【参考記事】しばき隊の本質を見抜けない「知識人」の劣化、かつての同和問題と同じ分断工作の構図、『ヘイトと暴力の連鎖』など鹿砦社取材班の4冊

【参考記事】『カウンターと暴力の病理』 ヘイトスピーチに反対するグループ内での内ゲバ事件とそれを隠蔽する知識人たち

この内ゲバ事件は、鹿砦社の取材班が取材を進めているが、その中で「のりこえねっと」と「しばき隊」の関係が浮彫になっている。たとえばしばき隊の関係者がインターネット上で行った次の書き込みである。

きょうもネトウヨとヘサヨをネタ、養分にして『カネ』に換えてやった。(笑)これを軍資金にして国会前へ行くか(笑)。んなもん、こっちはタダで相手をしてるんとちゃいますせ(笑)

※ヘサヨ:ヘイトスピーチに反対する左翼

「ネトウヨとヘサヨをネタ、養分にして『カネ』に換えてやった」とか、「軍資金」とか、「こっちはタダで相手をしてるんとちゃいますせ」とか、金に関連した表現もある。この書き込みをしたのは、「しばき隊」の関係者で鹿砦社の社員(すでに解雇済み)だった。これだけの記述をもって何者かから、この人物が軍資金を受けて、国会前の集会へ足を運び、デモを傍観したとまでは断言できないが、少なくとも汚い「軍資金」を持って国会へ行ったことは想像できる。

また、「しばき隊」の関係者(男組の組長)が、沖縄で防衛省の職員を転倒させてケガをさせ、逮捕された事実がある。この事件や、その他、(ヘイトスピーチに対する)カウンターグループによる愛媛県四国中央市での恫喝事件については、『反差別と暴力の正体』(鹿砦社)に収録された寺澤有氏のルポ、「合田夏樹脅迫事件-有田芳生参議院議員が沈黙する理由」に詳しい。

関西男組のアカウント

◇情報の背景

筆者は、情報というものは、もっと客観的に、冷静に捉えるべきだと思う。人はとかく、自分とは異なる思想を持つ人からの情報を拒否する傾向がある。しかし、情報が流れる背景には、なんらかの原因があるのだ。それを慎重に見極める必要があるのではないか。

その意味でも辛氏は軽薄だった。もっと慎重に行動すべきだったのではないか。BPOに訴えたのは安易だった。

ちなみに「のりこえねっと」の共同代表の中にも、前田朗氏のように内ゲバ事件を批判している人もいる。全員がカウンターグループの仲間ではない。