内閣府だけで4年間で約64億円、インボイスナンバーを外した博報堂の請求書
博報堂が内閣府に送付した新聞広告(政府広報)の請求額は、2012年度から2015年度の4年間で、約64億円になる。この64億円分の請求書には、1枚たりともインボイスナンバーが付番されたものがない。
少額の請求、たとえば5000円の請求書にインボイスナンバーが付番されていないのであれば、不注意で済ませることもできるが、金額が64億円にもなると過信できない。異常というほかない。
博報堂が内閣府に送付した新聞広告(政府広報)の請求額は、2012年度から2015年度の4年間で、約64億円になる。この64億円分の請求書には、1枚たりともインボイスナンバーが付番されたものがない。
少額の請求、たとえば5000円の請求書にインボイスナンバーが付番されていないのであれば、不注意で済ませることもできるが、金額が64億円にもなると過信できない。異常というほかない。
2017年05月29日 (月曜日)
読者は、このところテロや北朝鮮のミサイルに関するニュースが極端に増えていることに気づいているだろうか。29日の午前6時のNHKニュースも、北朝鮮がミサイルを発射した第一報が入ると、途中から仰々しい「臨時ニュース」に切り替えた。民放は通常どおりである。
テロやミサイルのニュースは、もちろん偽りのニュースではない。事実である。しかし、こられのニュースをどう報じるかで、それを受けとめる側の反応は異なってくる。
自由人権協会が5月15日付けで共謀罪に反対する声明を出している。声明そのものは、ステレオタイプな内容で特に感想はないが、筆者はある大きな疑問を感じている。
同協会の代表理事を務めている喜田村洋一弁護士が、一貫して読売新聞をサポートしてきた重い事実である。読売新聞は、安倍首相が熟読を勧めた新聞で、改憲論を主導し、共謀罪法案でも旗振り人の役を演じている。公称で約800万部の部数を有し、大きな影響力を持っている。
喜田村氏はその読売新聞をサポートしながら、その一方では共謀罪法案に反対する声明を出しているのだ。
この人物が過去に何をやったのか、筆者は克明に記録してきた。喜田村弁護士が作成した資料(主に裁判関係)も永久保管している。それを基に手短にいくつかの事実を紹介しておこう。
衛星放送局Mnetが電通に送付したテレビCMの放送確認書に偽造疑惑がある問題で、筆者は25日、総務省の衛星地域放送課に調査を依頼した。
以下、総務省に26日に送付予定の文書である。事件の経緯を分かりやすく説明しているので、初めてこの事件に接する読者にも参考にしてほしい
前川前次官が「加計学園」の獣医学部新設を巡る文書について「確実に存在する」と述べたことで、安倍晋三首相が加計学園の問題のキーパーソンである疑いがますます強くなった。前川氏は国会招致の要請があれば、受ける旨を表明している。
ところが松野文科大臣は「再調査の考えはない」と述べ、菅官房長官も疑惑を否定している。一部のマスコミは、前川前次官のスキャンダルを報じることで、「加計学園」事件を闇に葬ろうとしている。
電通と衛星放送局Mnet(CJ E&M Japan株式会社)の不可解な取り引きが明るみにでた。24日付けのメディア黒書で報じたように、テレビCMを放送したことを立証する放送確認書(広告主は株式会社ライオン)にさまざな疑問点が発見されたのだ。
◇CM放送の仕組み
テレビCMの制作と放送は次のようなプロセスになっている。広告主(この件では、ライオン)が電通にCMを発注する。電通がMnetと打ち合わせてCM放送の段取りをする。そのCMが放送されると、放送確認書が発行される。それを見て広告主は、CMが放送されたことを確認する。
ところがその放送確認書に不可解な点が複数あることに加えて、ライオンがMnetの放送確認書自体を見たことがないと言っているのだ。
常識的には、この放送確認書を根拠としてMnetが電通に請求を起こし、電通の担当者がMnetに料金を支払ったと考えるのが自然だ。一方、ライオンが電通に料金を支払ったかどうかは分からない。と、いうのもライオンはMnetの放送確認書を見たことないと言っているからだ。
この件に関して、電通に次の問い合わせをしていたところ、24日に回答があった。まず、筆者からの質問を紹介し、それから回答を示そう。
2017年05月25日 (木曜日)
産経新聞が23日付けで、「NHK受信料支払率、過去最高の78・2% 首位は秋田、最下位は沖縄」と題する記事を掲載している。短いものなので、そのほとんどを引用しておこう。
地震で契約・収納業務が停滞した熊本県を除く46都道府県で前年度を上回り、全国平均は過去最高の78・2%(前年度比1・3ポイント増)。受信料の支払いについて、啓発活動を強化したことなどが影響したとしている。前年度と同様、首位は秋田の96・3%(同1・1ポイント増)、最下位は沖縄の48・8%(同0・9ポイント増)だった。
この記事を読んで筆者は、共謀罪法案のような世界に類をみない悪法が堂々と衆議院を通過してしまう社会状況を重ね合わせた。無知な人が増えているのだ。国会議員だけではなく、同じ傾向が全体に広がっている。大半の人々は自分たちがNHKに上手に洗脳されていることに気づいていない。
電通が仲介した(株)ライオンのテレビCMにある重大な疑惑が浮上している。ライオンのテレビCMは、本当に放送されたのだろうか?中抜きされた可能性はないのか?そんな疑問をていする書面の存在が明らかになった。
次のPDFで示すのが、筆者が入手した問題の書面である。
これは、テレビ業界で俗に放送確認書と呼ばれているものである。テレビCMが完成すると、そのCMのコード(10桁)をコンピューターシステムに入力する。そして、そのCMがスケジュールの時間帯に放送されると、コンピューターが自動的にCMコードが入った放送確認書を作成する。放送されないと、CMコードは印字されない。
このようにコンピューターによってCMの放送状況を確認することで、人的な操作による「CM間引き」などの不正を防止するようになっている。1990年代の後半に、静岡第一テレビなどでCM間引きが発覚し、2000年に民放連などが、再発防止を目的に、コンピューターによる放送確認書を作成するシステムを導入したのである。
このシステムは現在は、衛星放送局も含めて放送業界の常識として定着している。広告主は、広告代理店から提出された放送確認書を見て、自社が発注したCMが放送されたかどうかを確認するのだ。
今週末から来週にかけて筆者(黒薮) の新刊『新聞の凋落と「押し紙」』(花伝社)が全国の書店へ配本される。アマゾンではすでに受け付けが始まっている。
この本では、5つの重要なテーマを扱っている。
①新聞衰退の実態
②広告代理店の負の役割
③「押し紙」問題
④新聞に対する消費税の軽減税率の問題
⑤新聞業界の政界工作
新聞ジャーナリズムが機能しない原因は何かという問題はずいぶん昔から議論されてきた。その大半は、記者個人の責任を問う的はずれなものだった。
「記者としての気概を持てば新聞はよくなる」とか、「勉強不足だ」と言った主観点な批判が目立った。このような批判は、実は1960年代からあった。半世紀にわたり同じ批判と説教が延々と繰り返されてきたのである。しかし、それは誤りだ。
本書では、新聞ジャーナリズムが機能しない原因を、新聞社のビジネスモデルの中に潜む客観的な弱点に求めた。唯物論を基礎にした新聞論である。以下、冒頭の部分を紹介しよう。
5月19日に内閣に対して次の文面で、情報公開請求を申し立てた。
2016年度(2016年4月~2017年3月)に内閣府と内閣官房が広告代理店と交わした契約書、及びそれに対応する見積書と請求書の全部。見積書が存在しない場合は、契約書と請求書。
同じ趣旨の情報公開請求を筆者は、2012年度から2015年度までの各年分に対しても行い、内閣府が博報堂との間で交わしたプロジェクト・「政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広告テーマの広報実施業務等」の契約書と請求書を入手している。今回は、このプロジェクトの2016年度分の請求を行ったのだ。
参考までに、2015年度分を紹介しておこう。メディア黒書の読者には、すっかりお馴染みになった真っ黒な請求書である。
■2015年度分の「政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広告テーマの広報実施業務等」
さて、既に筆者が入手している2012年度分から15年度分の資料に関して、これまで指摘してこなかったある問題がある。
2017年05月22日 (月曜日)
21日の午後7時のNHKニュースは、冒頭から長々と北朝鮮のミサイル発射のニュースを流した。関係者へのインタビューも含めて、いかに北朝鮮が危険な国であるかを印象ずけた。
折しも安倍首相が改憲を打ち出した時期である。その意味では、NHK報道は首相にとって追い風になっている。22日の午前6時のNHKニュースでは、冒頭にまず北朝鮮のミサイル発射のニュースをとりあげ、それから安倍首相による改憲提案を報じた。
世論誘導とは、今、NHKが行っているニュース報道そのものである。北朝鮮によるミサイル発射が事実であるとしても、日米をミサイル攻撃する意思など毛頭ないことは、少し国際情勢に通じているひとであれば、だれでも分かるはずだ。
しかし、NHKの手にかかると、この程度の普通のニュースが、「ビック・ニュース」になる。改憲へ向けて、世論誘導を意図していることは疑いないだろう。
PRとはなにも内閣府が政府広告を出して、何かを訴えることだけではない。メディア企業をコントロールすることで、テレビニュースや新聞記事で世論を誘導することも、今や常識と化している手法なのだ。メディアリテラシーを受けていな日本の国民は、世論誘導の原理がよく分かっていなので、簡単に騙される。
自民、公明、日本維新の会の3党は、19日、衆院法務委員会で共謀罪法案を強行採決した。これを受けて国連プライバシー権に関する特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏が、5月18日、懸念を示す書簡を安倍首相に送付した。共謀罪法案はプライバシーや表現の自由を制約する恐れがあるという内容である。
日本人権協会は、この書簡を次のように要約している。
加計学園の事件に内閣府と文部科学省が関与している事実を示す文書を、朝日新聞が報じている。これら2つの組織の隠蔽体質をよく示している資料を紹介しよう。黒塗りで公開された文書の凄まじい実態が分かる。内閣府と文部科学省がまったく信用できない組織であることが分かるだろう。
紹介するのは、メディア黒書で繰り返し紹介してきた文書だが、加計学園の事件を念頭において、これらの文書を眺めると、黒塗りの背景にある官僚や政治家の人間性がビジュアルに見えてくる。罪悪感もないく、ロボットのように感覚がおかしくなっているのかも知れない。
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