2018年05月14日 (月曜日)

化学物質過敏症とは、化学物質に体が反応して体調の悪化をもたらす病気である。芳香剤、柔軟剤、化粧品、農薬、塗料、建材など広範囲な製品に使われている化学物質が原因になる。将来的に患者数が花粉症なみに増えるのではないかともいわれている。

米国化学会(ACS)の情報部門であるケミカル・アブストラクト・サービス(CAS)が登録する化学物質の数は、1億件を超えている。そんなおびただしい種類の化学物質のなかでも、化学物質過敏症の因子として特に注視されているのが、ウレタン原料のイソシアネートである。その危険性に警鐘を鳴らしている内田義之医師(東京都練馬区・さんくりにっく)に、化学物質過敏症について伺った。

――化学物質過敏症の診断基準を教えてください。

内田義之医師(以下、内田) 日本と欧米では、診断基準に大きな差があります。たとえば米国では、慢性疾患で微量の化学物質への曝露にも反応するなど、具体的な6項目(別表参照)を基準に診断しており、アレルギー疾患としてとらえられています。ところが日本の基準は曖昧で、たとえば「倦怠感や疲労感が持続すること」が主症状として定義されていますが、こうした症状は誰にでもありがちなものです。また、「持続する頭痛」も主症状として定義されていますが、化学物質過敏症なのにまったく頭痛がない方もたくさんおられます。

日本の診断基準は、あまりにも心理面を強調し過ぎ、化学物質過敏症という病気を正確にとらえられていないと思います。とはいえ、化学物質過敏症を疑って受診される患者さんのなかには、実はノイローゼや思いこみである人も少なくありません。

私は、日本も米国の診断基準を採用すべきだと考えています。グローバルにデータを比較するという意味でも、日本の診断基準は問題があります。これでは化学物質過敏症の実態を、ほかの国と比較することはできません。ですから専門家が議論して、新たに診断基準を決めるべきでしょう。これは国の役割であると考えます。

――化学物質過敏症の大きな因子になっている化学物質、イソシアネートはどのような製品に使われていますか。【続きは、Business Journal】

2018年05月11日 (金曜日)

ウエブサイト「弁護士ドットコム」が、9日、「『存在しない事実で懲戒請求された』神原弁護士が請求者を提訴」と題する記事を掲載している。

 不当な懲戒請求によって名誉を傷つけられたうえ、その反証のために労力を費やさざるをえず、精神的苦痛を受けたとして、神奈川県弁護士会に所属する神原元弁護士が5月9日、懲戒請求をおこなった相手に対して、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

弁護士の懲戒請求をめぐっては、あるブログが発端になって、神原弁護士以外にも、大量におこなわれていることが問題になっている。このブログは、朝鮮学校への補助金交付などを求める各弁護士会の声明に反発したもので、懲戒請求のテンプレートを配布していた。(略)

懲戒理由として、「違法である朝鮮学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重、三重の確信的犯罪行為である」などと書かれていたという。(略)

最高裁の判例では、事実上または法律上の根拠を欠く場合において、請求者がそのことを知りながら、または普通の注意を払えば知りえたのに、あえて懲戒請求していれば不法行為にあたる、とされている。日弁連によると、2017年だけで組織的な懲戒請求は約13万件あり、その多くが問題のブログに起因するものとみられる。■出典

◇路上から法廷へ

この記事が伝えているように、集団で懲戒請求を申し立てたのは、いわゆる「在日特権」に反対している右派の人々である。これに対して神原弁護士は、彼ら右派に対抗して在日の人々に対する差別をなくす運動を展開している広義の
「しばき隊」を支援してきた。

神原弁護士自身も、「狭義の(元)しばき隊隊員」である。自由法曹団常任幹事でもあり、左派系の新日本出版社から著書も出版している。

今回、神原弁護士が提訴したことにより、敵対する2つの勢力の衝突の舞台が、路上から法廷にまで拡大したことになる。右派の人々は、集団による懲戒請求という手段により神原氏らに圧力をかけた。訴訟が多発する実態にヒントを得た戦略だと推測できる。

これに対して神原氏は、裁判という手段に打ってでた。

現段階では、懲戒請求者全員が被告にされたわけではないが、かりに神原氏が勝訴した場合、次々と同じ主張の裁判が起こされる可能性が高い。それにともなって、神原氏が次々と賠償金を受け取ることが出来る構図になる。

実際に、裁判がどう展開するかは、現段階では分からないが、少なくとも、訴訟の提起が弁護士を経済的に潤す構図が生まれはじめていることは否定しようがない。提訴の一次的な目的が原告の権利の回復にあるにしても、副次的には、損害賠償金が莫大な額になる可能性があるのだ。これにより裁判戦略がさらに広がる恐れもある。

大半の人々が認識しないうちに、法律で言論・出版ががんじがらめにされる社会がじわじわと近づいてきたのである。

その意味で、筆者はこの裁判を注目している。

◇人権擁護と社会的正義実現という口実

神原弁護士の過去のツィートを検証したところ、反対言論に対しては、積極的に訴訟を提起する方針のようだ。たとえば、広義のしばき隊による「M君リンチ事件」を取材し、記事化している筆者に対しては、次のようなツィートを発している。「黒薮」の名前は出していないが、ツィートが投稿された同じ時期に、神原氏を電話取材したので、「件のフリーライター」が筆者を指していることは間違いない。(注:現在、神原氏は筆者からのアクセスをブロックしている)


 もちろん、件のフリーライターが、裁判で無実が証明された人を記事で誹謗するなら、容赦なく法的措置をとる。冤罪被害者を守るため司法に救済を求めることをスラップ訴訟とは言わない。むしろ、人権擁護と社会的正義実現のために不可欠な訴訟であると断言できる。

鹿砦社に対しても、4冊の本の販売中止を請求する裁判の原告(李信恵氏)の代理人を務めている。

【参考記事・メディア黒書】李信恵氏が鹿砦社を反訴、『カウンターと暴力の原理』など4冊の書籍の販売禁止などを求める、誰が言論出版の自由を殺すのか ?

名誉毀損裁判の多発は、メディア黒書でたびたび問題視してきた。何が問題かといえば、たとえ反対言論に対する対抗処置として裁判を提起するのであっても、それが言論の幅を司法の判断に委ねてしまう結果を招き、ひいては息苦しい社会の出現に繋がることである。しかも、司法判断が正しいかどうかの検証には、時間を要する。間違った司法判断を下していることも多いのだ。

筆者は、今回のような不幸な事件を引き起こした最大の原因は、小泉内閣が着手した司法制度改革だと見ている。これが引き金になって名誉毀損などを口実とした訴訟が広がったのである。そしてそれがさらに拡大している。

そこから経済的な利益を得るとすれば、本来の司法制度の目的が二の次になりかねない。

筆者はこの問題について、自由法曹団がどのような見解を持っているのか知りたいと考えている。

2018年05月10日 (木曜日)

このところメディアで盛んに報じられている問題のひとつに、セクハラがある。TBSの元記者からレイプされたとする伊藤詩織氏による内部告発が引き金となり、レイプの域を超えて、それよりもハードルが低く材料が多いセクハラが問題視されるようになったのだ。

と、いうよりもかなり前から蔓延していた実態を、メディアがようやくクローズアップしたために、女性に対する人権侵害事件が近年急増しているような、イメージが広がったと言ったほうが適切かも知れない。

伊藤氏の事件について、ジャーナリスト・片岡健氏が興味深い指摘をしている。

伊藤氏が山口敬之氏を相手取って東京地裁に起こした民事訴訟について、その記録を「取材目的」で閲覧していた者は今年1月の段階でわずか3人だった。■出典

主要なメディアは豊富な人員がいながら、正確な裏付け調査を行わないまま、報道してきたということである。

◇重い社会病理


 ヘイトスピーチの問題も、一時期、メディアの大きな話題になった。この問題を告発したのは、広義の「市民運動」の面々である。しかし、社会通念からすれば、彼らは行き過ぎた方法で「レイシストを許さない」運動を展開してきた。釘バット左の写真(■出典)が何よりもそれを象徴している。

さらに名誉毀損裁判の提起も増えている。提訴により対抗言論を抑圧するのが主要な目的である。いちいち具体例は引かないが、広くツィターを検証してみると、「これは名誉毀損だな」、とか、「裁判ものだな」とかいったツィートに行き当たる。しかも、投稿の主が右派とか左派には関係なく、あたりまえの感覚で名誉毀損裁判の提起をほのめかして、対抗言論に脅しをかけているのだ。

名誉毀損裁判ではないが、特定の言論活動に対して、BPO(放送倫理・番組向上機構)に訴えた「文化人」もいる。

深刻な社会病理だろう。

こうした状況を逆手に取るかのように、巨大な国家権力を持つ検察が名誉毀損を理由に特定の言論を刑事事件として抑圧しはじめている。起訴の対象としているのが左派の言論であっても、右派の言論であっても許されることではない。

【参考記事・メディア黒書】検察が在特会元幹部を名誉毀損で在宅起訴、人間の内心を法律で規制する危険性、ヘイトスピーチを逆手に取った言論規制の強化

◇心の自由を規制

筆者は、もちろんセクハラやヘイトスピーチが容認されてもいいとは考えていない。他人の名誉を毀損することにも反対だ。しかし、同時にこれらの問題は、人間の心の自由にかかわる特殊な問題であるから、暴力で、あるいは法律で、それを強制的に改めさせるのは度が過ぎていると考えている。心の自由は強制できない。それを認めることが、民主主義の社会である。

たとえ正しい主張であっても、法律と暴力による強制が広がっていくと、それはいずれ全体主義やファシズムへと変質する。冒頭で紹介している写真が象徴する悲劇が日本にも到来しかねない。言論にかかわる問題に司法の介入を招いてはいけない。

ちなみにこの写真の出典は、有田芳生議員のフェスブックである。■出典

金正恩氏については、南北融和へ向けた動きを高く評価する一方で、疑問も多い。たとえば殺人による元政府高官の粛正である。おなじく殺人による金正男氏の粛正である。これらはいずれジャーナリズムが検証しなければならない重大問題である。朝鮮が民主化された後には、当然、裁判でも裁くのが筋だろう。

 

 

2018年05月09日 (水曜日)

「押し紙」を強制されたとして琉球新報社の新聞販売店8店(原告は19人)が集団で、同社に対して損害賠償を求めた「押し紙」裁判が、約1年半前に和解で終了していたことが分かった。

この裁判は注目度が高く、大手の週刊誌も関係者への接触を試みていたが、情報が少なく、結局、ほとんど報じられないままになっていた。メディア黒書に、裁判に関する情報提供があり、それに基づいて筆者が原告の弁護士とコンタクトを取ったところ、既に1年半前に終わっていたことが分かった。

和解内容については、琉球新報社と原告のあいだに非公開の取り決めがあり、分からない。

参考までに、2016年5月12日付けの記事を紹介しよう。

【参考記事:メディア黒書】販売店が集団で琉球新報社を提訴、「押し紙」問題で

◇裁判では明確な証拠がすべて

このところ「押し紙」裁判が急激に増えている。しかし、新聞社は敗訴判決を避けるために、判決前に和解を受け入れるケースが大半を占める。判決が下らないために、報道されることはほとんどないが、司法は「押し紙」を認めない方向へ動いているのだ。

かつて「押し紙」裁判は、提起しても販売店が勝訴する可能性はほとんどなかった。しかし、2007年に読売新聞社による「押し紙」政策が実質的に司法認定された後、司法判断が変化しはじめた。紆余曲折はあったが、現在は「押し紙」を認めない判断が勝を制するようになっている。

読売新聞・真村裁判福岡高裁判決

「押し紙」裁判を起こすためには、新聞社との商取引に関する書面を保存しておく必要がある。裁判は、証拠がすべてなので、「押し紙」の証拠が存在するかどうかが、勝敗を決める。書面はすべて保管するのが望ましい。可能性であれば、担当員との会話も録音しておくのが望ましい。

◇弁護士が公取委を厳しく批判

余談になるが、ウエブサイト「ビジネスジャーナル」(9日付け)が、「押し紙」裁判にかかわった弁護士のペンによる公取委批判の記事を掲載している。弁護士は、公取委を次のように批判している。

「押し紙を取り締まる公取委は何をやっているのか」と疑問に思う方も多いだろう。答えは極めてシンプルで、筆者の知る限り「何もやっていない」のである。

参考までに記事を紹介しておこう。

【参考記事・ビジネスジャーナル】新聞社の「押し紙」、公取委が放置で販売店を見殺しに…部数水増しなら詐欺行為

 

【おしらせ】種子法廃止と遺伝子組み換え食品のリスクについて書いた昨日付けの記事のリンク先が間違っていました。修正済みです。お詫び申し上げます。 ■昨日付けの記事

2018年05月08日 (火曜日)

4月1日で、種子法が廃止された。

この法律は、日本の主要な農作物(具体的には、稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆)の品種改良を国の管理下で行うことで、種を確実に保存し、普及することを目的に、戦後制定された法律だった。

廃止の理由は実に単純で、農作物の品種改良を公的な管理下から、民間へ移すことである。典型的な規制緩和=新自由主義の政策である。これにより、これまで国が管理していた稲、大麦、はだか麦、小麦、大豆の品種改良に農業ビジネスが参入してくることになる。関連する法整備が整えば、これらの農作物に遺伝子組み換え技術が応用され、実際に国内で生産される可能性が極めて高い。

幸いに、現時点では、国内で遺伝子組み換え農作物を栽培することは、認められていない。スーパーに陳列されている遺伝子組み換え農作物、たとえば大豆やトウモロコシ、ナタネなどはすべて輸入品である。

が、種子法が廃止されたことで、日本でも遺伝子組み換え農作物が開発・生産されるようになる可能性が高い。グローバリゼーションの中で、ビジネスのハーモニーぜーションが進み、米国のモンサント社など、巨大な種会社が日本に進出してきて、日本でも遺伝子組み換え食品があふれるリスクがある。。

と、いうよりも米国では、既に遺伝子組み換え食品の危険性が指摘され、大きな社会問題になっているので、米国の種会社は市場を米国から日本などに移すことになりそうだ。日本人の大半が、遺伝子組み換え食品の危険性を知らされていないからだ。

◇なぜ、遺伝子組み換え食品が危険なのか

遺伝子組み換え食品のリスクは、すでに動物実験でも立証されている。簡単にいえば、次のような理屈になる。たとえば遺伝子を組み換えることで、農薬を散布しても枯れない農作物を作る。そして大量に農薬を使って、作物の大量生産を行う。その結果、作物に付着した大量の農薬残存物が体内に取り込まれ、奇形や癌などを出現させる。

遺伝子組み換え食品の危険性については、次の記事に詳しい。動物実験も紹介している。

【参考記事・メディア黒書】種子法の廃止で、日本に危険な遺伝子組み換え作物が溢れる、恐ろしく無知な安倍内閣の政策

◇イソシアネートによる被曝
日本では、化学物質を被曝するリスクや電磁波のリスクなど生活環境がもたらす人体影響という観点からの報道が極めて少ない。巨大ビジネスの利権にかかわる分野であるからだ。日本のマスコミは、広告依存型なので、これらの企業から広告費が支出されると、大事な問題であっても、報道しない構図になっている。

最近、筆者が取材した水面下の大問題に、イソシアネートの被曝による人体影響がある。イソシアネートは、化学物質のひとつで毒性が強いにもかかわらず、極めて用途の範囲が広い。たとえば身近なところでは、柔軟剤、芳香剤、塗料、化粧品などに含まれている。

イソシアネートは、元々、アレルギーの動物実験のためのラットを作るために使われていた化学物質である。そのためにその有害性は、昔から周知の事実になっている。イソシアネートが体内に入ると、アレルギーを起こすことがは周知の事実となっている。が、それにもかかわらず野放し状態になっている。広範に商業利用されているのである。

【参考記事・メディア黒書】水面下で広がる化学物質過敏症の原因、死亡例もあるイソシアネートの恐怖

◇米国に利用される日本

日本では、生活環境はどんどん悪化している。危険な食品や危険な商品が増え続けている。しかも、こまったことに国会議員にも、ほとんどその認識がないのが実態だ。議員の数が少なく多忙で、規制する法案が作れない事情もあるが、多くの国会議員は議員定数の削減を主張しているわけだから、理由にならないだろう。

種子法の問題に戻るが、日本人の主食である米などに遺伝子組み換え技術を応用し、その種で「新種米」を栽培することを可能にする法整備は止めなければならない。米国で危険が指摘され、縮小の方向へ向かっているものを、日本で普及させる必要はないだろう。

2018年05月07日 (月曜日)

本日(7日)発売の『紙の爆弾』に、「新聞『押し紙』政策の破綻」と題する黒薮の記事が掲載されている。このところ朝日新聞など一部の新聞社は「押し紙」をなくす方向で動いている。朝日新聞の部数激減の裏側を解析した。

その一方、佐賀新聞など依然として、「押し紙」を続けている新聞社は存在するが、いずれ朝日と同じ方向へ転換せざるを得ないだろう。その背景に何があるのかを、新聞のビジネスモデルの崩壊という観点からレポートしたものである。

書き出しの1ページを紹介しておこう。

【転載】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

朝日新聞社が揺れている。森友事件や加計事件で立て続けにスクープをものにして、安倍政権との対決姿勢を鮮明にする一方、ABC部数を大きく減らしているのだ。2008年2月から18年2月までの10年間で、朝日は約203万部を減らした。

これに対してライバル紙の読売新聞は、おなじ期間に145万部の減部数に留まっている。しかも、もともと読売の方がABC部数が多いので、朝日の凋落ぶりが顕著になっているような印象を受ける。この1年に限っていえば、朝日は31万部も減らした。そして18年2月の段階で、朝刊の総発行部数はすでに600万部の線を切っている。

ちなみに中央紙五紙(朝、読、毎、産、日)のここ10年の減部数は、約579万部である。この579万部という数字がいかに大きなものであるかを読者は想像できるだろうか。18年2月度の東京新聞のABC部数が約47万部であるから、同社がほぼ12社消えたに等しい。

「新聞凋落」は、朝日を先頭に進んでいるような印象がある。しかし、ABC部数の中身を解析すると想像とは異なった側面が見えてくる。【続きは『紙の爆弾』6月号で】

 

2018年05月04日 (金曜日)

M君リンチ事件の続報である。独自にこの事件を取材している。その中で正確に確認しておかなければならない事柄がいくつかある。たとえば、「しばき隊」の現在である。

この事件に詳しい方は、恐らくこうした初歩的な情報は把握しておられると思うが、メディア黒書の読者には、なるべく筆者が自分で確認した情報を届けたいと考えている。

「しばき隊」の現在はどうなっているのか?既に出版されている記事などでは、「しばき隊」の現在は、「C.R.A.C」という組織とされる。「C.R.A.C」は、Counter-Racist Action Collectiveの略である。

はからずも筆者は、C.R.A.Cによる次のようなツィートを発見した。(注:太字は黒薮)

5年前のレイシストをしばき隊のときからずっと同じこと言われてらが、この間ヘイトデモ参加人数は激減しヘイトスピーチ解消法や対策条例ができ、ついに今月にいたっては「オタク差別というのはどうもないらしい」という認識がオタクに広まるに至った。君の迷惑感情とは一切無関係に世の中は進む。出典


この中に、「5年前のレイシストをしばき隊のときからずっと」という記述がある。これにより、C.R.A.Cの前身が「しばき隊」であることが確認できる。広義の「しばき隊」という場合は、C.R.A.Cを含み、狭義の「しばき隊」という場合は、新組織になる前の「しばき隊」という解釈で間違いないようだ。


実際、李信恵氏の代理人を務めている神原元弁護士(自由法曹団常任幹事)は、右に示したツィートの中で「狭義」という言葉をそのようなニュアンスで使っている。

C.R.A.Cは、現在も活発に反差別運動を展開している。昨日は、兵庫県の西宮で集会を開いたようだ。(左下)参照。

筆者は、このところ反差別運動を展開しているグループの実態を調べているが、いわゆる「カウンター運動」を展開しているグループがどの程度存在するのかは分からない。情報が錯綜している。


 たとえば冒頭の動画は、「差別撤廃 東京大行進」の場面なのだが、動画の「0:17~」の場面に、極右の関係者が映っているという情報が寄せられている。この動画は、インターネットでも公開されている。

筆者は、極右の関係者とは面識がないので、その人物の顔を確認することが出来ない。また、どのような極右グループの人物なのかも分からない。この点についても事実関係の確認をしたいので、読者の中で情報をお持ちの方は、ご連絡(048-464-1413)いただきたい。

反差別運動に参加している極右関係者は本当に存在するのだろうか?また、存在するとすれば、その目的は何か。スパイ活動の可能性はないか。他にカウンターグループと一緒に映っている写真や動画などが存在しないか。こうした点も含めて、徹底検証する必要がある。

 

2018年05月03日 (木曜日)

4月20日付けで新潟地検が受理した森裕子議員に対する刑事告発を、毎日新聞、読売新聞、新潟日報の3紙が報じた。新潟知事選を前に、どのような影響が生じるのか注目される。この事件の背景には、政治資金の還付金制度がある。

読売、毎日、新潟日報の記事

分かりにくい記事なので、以下、解説しておこう。

【還付金制度】議員が代表を務める地元の政党支部などへ有権者が政治献金を行った場合、税務署で所定の手続きをすれば、寄付した金額の30%が戻ってくる。たとえば1000万円を寄付すれば、300万円が戻ってくる。

ただし、租税特別措置法の41条18・1は、還付金制度の例外事項として、「その寄付をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定めている。この条項を無視して、議員が自らの政党支部に寄付すれば、マネーロンダリングになってしまう。1000万円を寄付すれば、資金が1300万円にふくれあがることになる。

引用文にも明記されているように、「還付金制度の例外事項として、「その寄付をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定めている。森氏のケースがこれに該当するという判断で、志岐武彦氏と筆者が、過去2度にわたって刑事告発した。そして2度とも受理された。

しかし、ある事情で不起訴になった。以下、推測になるが、事情を説明しておこう。筆者らは、高市早苗議員に対しても同じ容疑で奈良地検に刑事告発した。奈良地検もこれを受理した。

筆者らは当然、高市・森の両氏は、起訴されるものと考えていた。ところが急激に検察をはじめ国家公務員の腐敗が進むなかで、安倍内閣の総務大臣だった高市氏は、不起訴になるのではないかという懸念が生じてきた。

検察が高市氏を不起訴にするためには、森議員も不起訴にしなければ整合性が取れない。そこでまず森氏を不起訴にし、続いて高市氏も不起訴としたのである。志岐氏が管理している新潟地検との会話記録によると、同地検は起訴の方向だったようだ。それを前提に上級機関の承諾を得る手続を進めていたのである。

◇不起訴に対する対抗策

不起訴の決定に対して筆者らは対抗策を講じた。高市氏に対する容疑を「詐欺」から、「所得税法違反」に切り替えて、再び刑事告発した。詳細は次の通り。

検察審査会へ申し立て、新たに刑事告発、高市早苗議員によるマネーロンダリング疑惑

一方、森氏に対しては、志岐氏が単独で、別の罪名で刑事告発を行った。そして、4月20付けで、受理されたのである。この内容については、次の記事に詳しい。ただし、書類を提出した後、告発内容の一部を変更したので、リンクを張った告発状は、修正前のものと、修正後のものと2種類ある。読者には後者の方を参考にしてほしい。

志岐武彦氏が森裕子議員を新たに刑事告発、政治資金収支報告書の虚偽記載疑惑などで

◇菊田真紀子衆議院も675万円の還付金

なお、メディア黒書で既報したように、森氏と高市氏が手を染めたマネーロンダリングの手口は、政治家の間で広まっており、来る新潟知事選で野党共闘の候補者として名があがっている菊田真紀子衆議院も、2016年度までに675万円の還付金を受けている。

新潟知事選の候補・菊田真紀子衆院議員がマネーロンダリングの手口で675万円の還付金を受け取っていた、同じ新潟の森裕子議員と共通の手口

◇森氏によるマネーロンダリング一覧

参考までに森議員のマネーロンダリングの詳細を表にしたものを紹介しておこう。作成は、『財界にいがた』と志岐氏である。

2018年05月02日 (水曜日)

インターネット上にある上の写真。(■出典)これは「釘バット」と呼ばれているらしい。野球選手にこの写真を見せたところ、

「こんなものは野球では使わない」

と、言われた。

「野球部の体罰用に作られたのではないですか」

「こんなバットは野球人に対する侮辱だよ。何に使うのか知らないが」

「人をしばく時に使うと聞いています」

「とにかく野球とは関係ない」

野球愛好家にとっては、嫌悪を催すものなのだ。

「釘バット」の写真検索

バットを握りしめているのは、立憲民主党の有田議員である。同党でこの種の「凶器」を規制する法案を検討しているのだろうか。目的がよく分からないが、こうした暴力(殺人)を引き起こしかねない凶器こそ、法律で厳しく規制すべきではないか。言論の規制は慎重にしなければ、出版業そのものが成り立たなくなるが、このような凶器の規制は急ぐべきだろう。

「釘バット」は在日韓国人に対するヘイトスピーチに反対しているカウンターグループの一部で、威嚇の道具として利用されているそうだ。有田氏と立憲民主党は早急にこうした凶器の使用を規制するために動くべきだろう。

ちなにみ次のウエブサイトにも、「釘バット」を手にした男の写真が掲載されている。参考までに紹介しておこう。

しばき隊が関西に学生支部K.A.R.S(カーズ)を設立、メンバー募集中 

コメントはしないが、ただ、「しばき隊」は現在はすでに解散しているとの情報があることは補足しておこう。自由法曹団常任幹事の神原元弁護士の次のツィートが裏付けである。


 

2018年05月01日 (火曜日)

マスコミ報道によると、米山隆一新潟県知事の辞職に伴う新潟県知事選で、野党6党が菊田真紀子衆議院を統一候補に選ぶ方針のようだ。

立憲民主、希望、民進、共産、自由、社民の野党6党は、米山隆一新潟県知事の辞職に伴う知事選(5月24日告示、6月10日投開票)に、無所属の菊田真紀子衆院議員(48)=新潟4区=を統一候補として擁立する方向で調整に入った。大型連休明けにも正式に要請する。関係者が27日、明らかにした■出典・産経新聞

◇森裕子・菊田真紀子の新潟組

菊田氏について、実は重大な汚点があることを読者はご存じだろうか。マネーロンダリングの手法を駆使し、過去5年間で、675万円の政治献金還付金を懐に入れていたのだ。

メディア黒書で繰り返し報じてきた森裕子氏の手口とまったく同じである。森氏は現在、志岐武彦氏による刑事告発により、新潟検察の捜査対象になっている。起訴される可能性が高い。

【還付金制度】議員が代表を務める地元の政党支部などへ有権者が政治献金を行った場合、税務署で所定の手続きをすれば、寄付した金額の30%が戻ってくる。たとえば1000万円を寄付すれば、300万円が戻ってくる。

 ただし、租税特別措置法の41条18・1は、還付金制度の例外事項として、「その寄付をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定めている。この条項を無視して、議員が自らの政党支部に寄付すれば、マネーロンダリングになってしまう。1000万円を寄付すれば、資金が1300万円にふくれあがることになる。

菊田氏は、この方法で2016年度までに675万円の還付金を受けている。

【参考記事】代議士・菊田真紀子政党支部に所得税還付675万円!(『財界にいがた』)

政治献金の還付金問題といえば、森裕子議員と高市早苗議員のケースが検察の調査対象になったことでクローズアップされているが、実は、この2名だけではない。他にも同じことをやていた議員がいるのだ。その一人が森氏と同じ新潟県選出の菊田氏である。

野党は、米山隆一氏を擁立して当選させたが、途中で県政放棄という事態を招いた。結果論になるが、人選が誤っていたのである。そして今回、再び金銭問題を起こした人物を知事候補に選ぼうとしている。

 

■写真:(左)森裕子氏、(右)菊田真紀子氏

2018年04月30日 (月曜日)

李信恵氏(文筆業)が、16日付けで、鹿砦社に対し、同事件を記録した『カウンターと暴力の原理』など4冊の書籍の販売禁止や550万円の損害賠償などを求める裁判を大阪地裁に提起した。

発端は、2017年9月に、鹿砦社が李氏に対して、ツイッターなどで名誉を毀損されたとして、300万円と謝罪広告などを求める裁判である。今回の李氏による提訴は、それに対する反訴である。代理人は上瀧浩子弁護士と、自由法曹団常任幹事で元「しばき隊」の隊員の神原元弁護士である。

神原元弁護士には、『ヘイトスピーチに抗する人々』(新日本出版社)というタイトルの著書があり、在日韓国人に対する反差別運動にもかかわっている。また、植村隆氏が櫻井よしこ氏を訴えた裁判では事務局長を務めている。

◆鹿砦社が李氏に起こした裁判

鹿砦社が起こした裁判については、『デジタル鹿砦社通信』に次のような報告が掲載されている。

既に9月12日の本通信で予告しましたように当社は9月28日、大学院生リンチ事件加害者側当事者で、この夏連続して当社とこの代表・松岡に対し誹謗中傷、侮辱、名誉毀損発言を行った李信恵氏を「被告」として大阪地裁に損害賠償300万円と謝罪広告等を求め提訴いたしました(第13民事部。平成29年ワ第9470号)。ようやく訴状が李信恵氏本人に送達されましたのでここにご報告させていただきます。これに先立つ本通信8月2日、同30日、9月12日号をも併せてご参考にしてください。

鹿砦社が問題としている李氏の表現や発言には次のようなものがある。

「鹿砦社はクソですね。」

「鹿砦社の人は何が面白いのか、お金目当てなのか、ネタなのかわかんないけ
ど。ほんまに嫌がらせやめて下さい。(中略)私が死んだらいいのかな。死にたくないし死なないけど。」

「クソ鹿砦社の対立を煽る芸風には乗りたくないなあ。あんなクソに、(以下略)」

「鹿砦社からの嫌がらせのおかげで、講演会などの告知もSNSで出来なくなった。講演会をした時も、問い合わせや妨害が来ると聞いた。普通に威力業務妨害だし。」

「この1週間で4キロ痩せた!鹿砦社の嫌がらせで、しんどくて食べても食べても吐いてたら、ダイエットになるみたい。」

「鹿砦社って、ほんまよくわかんないけど。社長は元中核派?革マルは?どっち?(中略)クソの代理戦争する気もないし。」

■出典:デジタル鹿砦社通信

◆M君リンチ事件とは

鹿砦社と李氏の係争の原点は、メディア黒書でも既報したM君リンチ事件である。「しばき隊リンチ事件」、あるいは「主水事件」とも呼ばれている事件だ。この事件に関するツィートを含む表現が争点になっているのである。従って係争の構図を理解するためには、まず、M君リンチ事件そのものを把握しておかなければならない。

事件は、2014年12月、在日韓国人に対するヘイトスピーチなど差別に対する反対運動を展開しているカウンターグループ(広義のしばき隊)の内部で、金銭疑惑に関する問題が引き金となり、Mさんが集団リンチを受け、ひん死の重傷を負ったというものである。リンチの現場には、5人がいた。そのうちのひとりが李信恵氏であった。


金銭疑惑というのは、ヘイトスピーチを繰り返す極右勢力から、カウンターメンバーが金銭を受けたとする噂だ。Mさんがそれを指摘したところ、謝罪を求められたのである。

警察は事件を重くみて、5人のうち、李氏を含む3人を検察に書類送検した。このうち李氏を除く2人は、刑事処分を受けたが李氏は、処分を受けなかった。

Mさんは、これに納得できず5人に対して損害賠償を求める裁判を大阪地裁へ起こした。大阪地裁は、3月19日に、5人のうち3人に損害賠償を命じる判決を下したが、この3人に李氏は含まれていなかった。また、5人による共同不法行為も認められなかった。

形のうえでは、Mさんの勝訴であったが、李氏に対する損害賠償が認められなかったことや、共同不法行為が否定されたことにMさんは納得できずに控訴した。

Mさんの主張は、最初に襲いかかったのは、李氏であるというものである。一方、李氏はそれを否定している。

しかし、ここからが肝心なのだが、李氏に対する損害賠償が認められなかったとはいえ、李氏の次の言動は、判決で事実認定された。以下の引用文にある「原告」とは、改めていうまでもなく、Mさんである。Mさんは、深夜に5人により酒場に呼び出されたのである。

被告普鉉が原告を迎えに出て、同月17日午前2時頃、原告及び被告普鉉が本件店舗内に入ったところ、出入口に最も近い席に坐っていた被告信恵が、原告に対して「なんやのお前」などと言いながら、原告に詰め寄り、その胸倉をつかんだ。これに対し、被告普鉉が、直ちに「まあまあまあ、リンダさん、ごめんな。」と言い、被告金も「店やし、店やし。」などと言いながら、被告信恵を制止して、原告から引き離した。 

金銭疑惑について話し合うために来たのであるから、6人が深夜に酒場で「会議」を行ったことになる。リンチが発生した状況だけを見ても、尋常ではない。

ちなみに、引用した李氏の行為が、暴力に該当するかどうかは、検討してみる
必要がある。現場にいた他のメンバーが、Mさんの「胸倉をつかんだ」李氏を、M君から「引き離した」わけだから、少なくとも暴力に訴えようという意図があったたことは間違いないだろう。

ところが李氏ら被告が敗訴した3月19日の夜、見方によっては一種病的なツィートが投稿されたのだ。投稿の主は、神原元・自由法曹団常任理事だった。神原氏は、自身のツイッターでM君リンチ事件があったこと自体を全面的に否定したのだ。

  「しばき隊リンチ事件」「主水事件」「M君事件」等と称された事件に判決が下りた。結論は、共謀なし。李信恵さんの責任はなし。一部に誤った認定はあったが、原告のストーリーは全て否定された。「しばき隊がリンチ事件を起こした」等とデマに踊った人々は猛省すべきである。今後、誹謗中傷は許さない  ■出典


神原弁護士は、「原告のストーリーは全て否定された」、「『しばき隊がリンチ事件を起こした』等とデマに踊った人々は猛省すべきである。」と述べているのである。集団による暴力があった事実を否定したのだ。


神原弁護士はこのツィートを酒場から発信したのである。

以上が事件の概要である。つまり整理すると、関連する2つの事件が同時進行しているのである。まず、鹿砦社と李氏の表現をめぐる裁判。それから、その発端となったM君と李氏を含む5人のカウンターメンバーによる暴力事件。今回の提訴は、前者に属する反訴であるが、その前提となっているのは、M君リンチ事件をめぐる報道だ。

 

◆李氏からの請求内容

李氏の反訴の請求内容は、次の通りである。

(1)550万円と金利の支払

(2)M君リンチ事件を記録した4冊の書籍の販売禁止。(『ヘイトと暴力の連鎖』、『反差別と暴力の正体』、『人権と暴力の深層』、『カウンターと暴力の病理』)

(3)『デジタル鹿砦社通信』に掲載された17箇所の記述の削除

(4)訴訟費用の負担と、仮執行宣言

◆李氏が名誉毀損と主張している表現

李氏は、訴状の中で、どのような表現を名誉毀損の対象としているのだろうか。詳細は、改めて報告するが、わたしが興味を覚えた記述をいくつか紹介しよう。

「上の写真は、『リンチ事件』に関わった李信恵」

「M君が店に到着すると、李信恵から『なんやねん、お前!おら!』と怒鳴りつけられ、顔面を一発殴られる」

「李信恵が加害者となった『M君リンチ事件』」

「この‘内部リンチ事件´の発生のきっかけを作ったのは、これまで世に出た数々の証拠から考えて、李信恵が被害者M君に最初に手を出した‘暴行’だったと推測される」

「M君リンチ事件加害者の李信恵」

「李信恵ら対リンチ加害者5人との訴訟」

「リンチがあったという事実ははっきりしましたが、主犯格の李信恵(誰が見ても伊藤が主犯格とは思えないでしょう)の共同不法行為が認められなかったのは大いに疑問です」

名誉毀損裁判では、訴えられた側が、記述の真実性、または真実相当性を立証する責任が負わされる。わたしの見解を述べれば、いずれの記述も、少なくとも真実相当性はある。Mさんが起こした裁判の中でも、暴力事件が発生して、その現場に李氏がいて、Mさんの胸倉を掴むなど不穏当な言動に及んだことは認定されているのである。

◆言論活動に対する挑戦状

李氏が起こした裁判の請求事項に、書籍の販売禁止が含まれていることは極めて重大だ。しかも、それが4冊にも及ぶ。書籍の普及は、出版社の使命である。販売を禁止するなどということは、最大の侮辱であり、独裁者の国でさえも、そうした事態が起きれば、しばしば国際問題になる。書籍の販売禁止の要求をすることは、言論活動に対する挑戦状にほかならない。

まして、李氏は文筆家である。表現の自由に関しては、寛大でなければならない。

また、この裁判の代理人を務めている神原元弁護士は、自由法曹団の常任理事である。自由法曹団は、本来、言論の問題に関しては、慎重な姿勢を取ってきたはずだと理解しているのだが、方針が変わったということなのだろうか。

一体、誰が言論の自由を殺しているのだろうか。

2018年04月27日 (金曜日)

新潟地検は、20日、市民運動家の志岐武彦氏が提起した森裕子議員(自由党)に対する刑事告発を受理した。これにより志岐氏が、問題視している森議員の政治資金集めの手口について検察の再調査が始まる。

告発の容疑は、政治資金収支報告書の虚偽記載(政治資金規正法違反)と詐欺である。

事件の詳細については、2月22日付けのメディア黒書の次の記事に詳しい。

志岐武彦氏が森裕子議員を新たに刑事告発、政治資金収支報告書の虚偽記載疑惑などで

◇読売に中止を約束したが・・・

森議員に対する刑事告発は、今回で3度目である。1回目と2回目は、筆者も原告に加わり、政治資金の還付金制度を悪用したマネーロンダリングを理由として告発した。新潟地検は告発を受理したが、捜査のすえ不起訴の決定を下していた。

そこで志岐氏が、今年の2月に別の容疑で新たに森議員を刑事告発したのである。

メディア黒書で繰り返し伝えてきたように、1回目と2回目の刑事告発では、政治献金の還付金制度を利用した不正工作が告発の対象となった。

【還付金制度】議員が代表を務める地元の政党支部などへ有権者が政治献金を行った場合、税務署で所定の手続きをすれば、寄付した金額の30%が戻ってくる。たとえば1000万円を寄付すれば、300万円が戻ってくる。

ただし、租税特別措置法の41条18・1は、還付金制度の例外事項として、「その寄付をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定めている。この条項を無視して、議員が自らの政党支部に寄付すれば、マネーロンダリングになってしまう。1000万円を寄付すれば、資金が1300万円にふくれあがることになる。

森氏は、2013年に読売新聞からこの問題を指摘され、今後は中止することを公言した。ところがその約束を守らなかったのだ。そのことを志岐氏は問題視しているのである。

◇最初は森氏を起訴する予定だった可能性

森裕子議員は、過去12年間で9100万円を自身の政党支部へ寄付している。寄付のたびに還付金を受け取る手続を踏んでいれば、最大で2730万円の還付金を受けたことなる。地方都市であれば、一戸建ての家が買える金額だ。

政治家による同じ手口は、高市早苗前総務大臣の収支報告書などでも確認できる。これについても高市氏の地元である奈良地検に詐欺で刑事告発を行った。奈良地検は、それを受理したが、最終的には、森議員のケースと同様に不起訴としている。理由は明らかにしていない。

筆者は検察が、有力政治家である右翼の高市氏を不起訴にするために、森氏も同様の扱いにしたと見ている。野党の森氏だけを起訴すれば、高市氏に忖度した疑いがかかるからだ。調査当時の検察官と志岐氏との録音記録から、最初は森氏を起訴する予定だったことが伺える。貴重な録音である。

筆者らが高市氏を刑事告訴しなければ、森氏が起訴されていた可能性が高い。それほど露骨な手口が観察できる。

メディア黒書では、繰り返しこの問題を報じてきた。次のリンク先で全記事を閲覧できる。

 

政治家によるマネーロンダリングの実態