1. Andrew Korybko

Andrew Korybkoに関連する記事

2026年08月16日 (日曜日)

米国は「AUKUS+」を通じて、アジアで「NATO 3.0」構想を実行しつつある

米国は、中国への抑止力を強化するため、日本やフィリピンなどの同盟国に、これまで以上に大きな防衛上の役割を担わせようとしている。この記事では、米国が欧州でロシアに対して構築してきた安全保障の仕組みをアジアにも応用し、AUKUSや既存の同盟関係を結びつけた「AUKUS+」とも呼べるネットワークを形成しつつあると分析する。

 

執筆者:アンドリュー・コリブコ

米国は、ロシアに対して用いてきた地域的な封じ込めモデルを、中国に対しても再現しようとしている。

米国のエルブリッジ・コルビー国防次官(政策担当)は8月上旬、東南アジア歴訪の最初の訪問地であるマニラで、重要な演説を行った。この演説は、米国が「NATO 3.0」という考え方をアジア地域に持ち込むことを事実上表明したものだといえる。

【黒薮注】NATO 3.0:ここではNATOの変遷を意味して、NATO 1.0は冷戦期、NATO 2.0は冷戦後、そしてNATO 3.0は、米国だけに負担を集中させず、ポーランド、日本、フィリピンなどの「前線国家」により大きな防衛負担を担わせ、米軍と一体化した地域的な抑止網をつくる段階。

続きを読む »

2026年08月15日 (土曜日)

ロシア高官が言及した「日本がロシアにもたらす脅威」の高まり

ロシアのアンドレイ・ルデンコ外務次官が、日本の安全保障政策に対する警戒感を強めている。米国の短・中距離ミサイルシステム「タイフォン」の日本への一時配備や、ウクライナとのドローン技術協力が進めば、千島列島やサハリン、太平洋艦隊司令部のあるウラジオストクが脅威にさらされる可能性があるとの見方だ。こうした動きは、ロシアと中国、北朝鮮の軍事・安全保障協力を加速させる可能性もある。一方で、日露関係改善の余地も残されている。日本をめぐる北東アジアの新たな安全保障構図と、その行方を左右する米国の思惑について、政治アナリストアンドリュー・コリブコが解析する。

執筆者:アンドリュー・コリブコ

日本が米国の短・中距離ミサイルシステム「タイフォン」を一時的に配備していることに加え、ウクライナの最新鋭ドローン技術に関心を示していることは、千島列島(クリル諸島)、ウラジオストクにあるロシア太平洋艦隊司令部、そしてエネルギー資源が豊富なサハリンにとって、大きな脅威になり得る。

続きを読む »

2026年08月04日 (火曜日)

ウクライナがロシア全土の上空でスターリンクやスターシールドの使用を許可される可能性はどの程度あるだろうか?

ウクライナ戦争の勝敗を握るキーパーソンの一人は、疑いなくイーロン・マスクである。スターリンク(Starlink)とは、マスクが率いる SpaceX社が展開している衛星インターネット通信サービスのことで、スターシールド(Starshield)はStarlinkの軍事情報機関向けバージョンである。ドローン攻撃に不可欠だ。ゼレンスキー は、スターリンクをロシア領内への攻撃にも利用したいと考える一方、マスクは認めない。こうした状況に打開策はあるのか?アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)が解析する。

続きを読む »

2026年08月01日 (土曜日)

KorybkoからMAGAへ――重要な論点に関するロシアの政策を手短に整理する

MAGA支持者の間で「ロシアは自分たちが反対する勢力を支持している」との見方が広がっているとして、地政学アナリストのアンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)氏が反論する。中国やイラン、イスラエル、ウクライナなどを例にロシア外交の実際の立場を整理し、その誤解が生まれた背景について自身の見解を示している。

執筆者:アンドリュー・コリブコ

私は、トランプ氏がエスカレーターを降りて出馬を表明した頃から(いくつか政策面で意見の違いはあるものの)MAGAの支持者であり、同時に「ロシア人ではない親ロシア派」であることにも誇りを持っている。そのため、MAGAの仲間に向けてロシアの政策に関する事実を整理し、新たに広まりつつある誤った認識を正したいという特別な責任を感じている

続きを読む »

2026年07月22日 (水曜日)

ドイツが計画する8,000億ユーロ規模の再軍備を進める要因とは何か

日本で急速に進む軍事大国化の流れは、ウクライナをめぐる紛争を媒体として、ヨーロッパでも起きている。次のアナリシスは、かつての日本の同盟国ドイツの動きに焦点を当てたものである。

執筆者:アンドリュー・コリブコ

イデオロギー上の動機、経済的利益、そして個人的な利害が、支配層であるリベラル系の支配層による重大な決定の背景にある。この決定によって、ドイツはロシアによって、アメリカに代わる最大の脅威と見なされる存在になるとされている。

英紙フィナンシャル・タイムズは7月初め、「ドイツ、歴史的な方針転換として再軍備のため8,000億ユーロを借り入れへ」と報じた。その背景には、アメリカが進める「NATO 3.0」という構想がある。この構想では、NATO加盟国であるヨーロッパ諸国に自国の安全保障についてより大きな責任を負わせようとしている。

続きを読む »

2026年07月17日 (金曜日)

ニューヨークタイムズが「日本におけるロシア人のスパイ活動」を報じた真の狙いは

ニューヨーク・タイムズが報じた「日本におけるロシアのスパイ活動」を扱う記事は、日本国内でロシアへの警戒感を過度に高め、対ロシア強硬政策を正当化することが目的である。筆者は、その結果として、日本が情報機関の強化や軍備増強を進め、それに対抗してロシア・中国・北朝鮮の軍事協力が一層強化される可能性を指摘する。以下の論評から西側メディアが果たす負の役割も垣間見える。

 

執筆者:アンドリュー・コリブコ

その狙いは、日本社会と政府の双方に反ロシア的なスパイ・ヒステリー(スパイをめぐる過熱した危機感)を煽り、より強硬な対ロシア政策を正当化させることにある。その結果、トランプ2.0が日本を取り囲むように構築した新たな「緩衝地帯」の一翼を担い、この島国が北東アジアにおけるロシア封じ込めにおいて、より積極的な役割を果たすことになるのだ。

続きを読む »

2026年07月15日 (水曜日)

ブダノフ氏、民族的に純粋な国家を目指すウクライナ民族主義者の幻想を打ち砕く

執筆者:アンドリュー・コリブコ

皮肉なことに、彼らが実際に築き上げたのは「ファシストの理想郷」ではなく、リベラルな暗黒社会だった。

「ウクライナ民族主義者組織(OUN)」と、その武装部門である「ウクライナ蜂起軍(UPA)」は、民族的に純粋な国家を目指してポーランド人などを大量虐殺した組織であり、「マイダン」後のウクライナの建国の父と位置づけられている。

【黒薮注】マイダン:本来はキエフの独立広場を指すが、現在では一般に2013~2014年にウクライナで起きた大規模な反政府運動を意味する。

続きを読む »

2026年07月08日 (水曜日)

ポーランド、ウクライナがもたらす地政学的課題をようやく認識

執筆者:アンドリュー・コリブコ

ポーランドを代表する保守系新聞『Rzeczpospolita』が、ウクライナとの地政学的競争を取り上げた。

ポーランド人ジャーナリストのマレク・クタルバは、「ヴォロディミル・ゼレンスキーは欧州の政治舞台でドナルド・トゥスクの立場に取って代わろうとしている」と題する記事を執筆した。

【黒薮注】ドナルド・トゥスク:Donald Tusk(ドナルド・トゥスク)は、ポーランドの首。欧州統合を重視する中道・リベラル派の代表的政治家。

続きを読む »

2026年07月04日 (土曜日)

ポーランド、銃弾を一発も撃つことなく迅速にウクライナを「非ナチ化」できる可能性、しかしトゥスク首相はそれを断行しない。

執筆者:アンドリュー・コリブコ

トゥスク首相がすべきことは、NATOからウクライナに入る軍事・技術関連輸入品の90%について、ポーランドが通過国としての役割を果たすのをやめると脅すことだけである。そうすれば、供給を断たれる前にウクライナが要求に応じるには十分だろうし、仮にそうならなくても、その直後には応じる可能性が高い。しかし、彼にはそれを実行するつもりがない。

続きを読む »

2026年06月30日 (火曜日)

ウクライナによる相次ぐ対ロシア攻撃、戦略というより単なる演出

執筆者:アンドリュー・コリブコ

主な狙いは、欧米で戦争疲れがますます明らかになる中、印象深い映像を生み出すことで、ウクライナへの支援を維持・拡大し、またイランでの敗北を受けて11月の中間選挙を控えるトランプ氏の政治的立場に影響を与えることだ。

ゼレンスキー大統領は最近、自国がロシアのウラル地方や西シベリアに対して行った長距離攻撃を誇示した。これに先立って、数か月にわたりサンクトペテルブルクへの散発的な攻撃が続いた後、モスクワに対する大規模な攻撃も実施されていた。また同大統領は、ロシアに対してウクライナ紛争の凍結を受け入れるよう圧力をかけることを目的とした40日間に渡る働きかけを開始すると発表しており、その期間中には同様の攻撃がさらに数多く行われる可能性が高い。こうした最近の動きは、EUがウクライナ向け900億ユーロ融資のうち、最初の32億ユーロを支払った時期とも重なっている。

続きを読む »

2026年06月24日 (水曜日)

「トランプ第2期政権による対ロシア消耗戦が本格化する前に、ロシアはウクライナに勝利しなければならない」

執筆者:アンドリュー・コリブコ

この厳しいシナリオの中で、ロシアに残された選択肢は二つしかない。ひとつは、特別軍事作戦の目的どおりウクライナを完全に無力化し、そこから生じるNATOの脅威を根本的に取り除くこと。もうひとつは、「安全保障の保証」と引き換えに、天然資源産業などロシアの重要産業の持分をアメリカに売却することである。

昨年秋には「アメリカはロシアに対する代理的な消耗戦をさらに強化しようとしている」と指摘されていた。そして今、トランプ大統領が、自ら署名したG7共同声明に沿ってロシアへの圧力を強める姿勢を示したことで、そのシナリオが現実になりつつある可能性がある。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』によれば、その戦略は大き

続きを読む »