
【はじめに】昨日(21日)付の記事で紹介したABC部数の変化を示した節の挿入箇所に誤りがあり、本文の中で使った数値と整合しない箇所がありました。訂正すると同時に、お詫びします。現在は修正されています。今日の記事では、2017年度における3月、4月、5月の3カ月間における部数の変遷を毎日新聞のケースで検証してみる。
21日付け記事で述べたように、4月と10月のABC部数は、新聞広告の媒体価値を高めるための基礎データとなる。特別な意味を持つ。そのために4月と10月になると、新聞社の販売政策により「押し紙」が増える傾向があるというのが、販売関係者らの証言である。
筆者はこの証言の検証を続けている。
次に示すのは、2017年度の3月から5月における毎日新聞のABC部数である。結論を先に言えば、証言どおりになっている。
3月:3,008,548(-5,234)
4月:3,050,253 (+41,705)
5月:3,003,814(-46,439)
3月には前月比が-5,234だったが、4月に一気に(+41,705)になっている事実が読みとれる。そして5月には-46,439で元の水準に戻っているのだ。読者は、不自然だと思わないだろうか。4月の部数をかさ上げすることで、紙面広告の媒体価値を高めることを狙っているとしか思えない。
これが日本の新聞人がやっていることなのだ。
◇海外でも部数偽装はあったが・・・
確かに、海外でも部数の偽装問題が発覚したことはある。たとえば米国テキサス州の日刊紙『ダラス・モーニング・ニュース』は、1980年の半ばにライバル紙の『タイムス・ヘラルド』紙から、発行部数偽装で告発されたことがある。2004年になって同社は、日曜版を11.9%、日刊紙を5.1%水増ししていたことを公式に認め、広告主に2300ドルを払い戻している。
毎日新聞の場合、「押し紙」率は5%や11%の水準ではない。70%を超えている販売店(大阪府豊中市の蛍池販売所と豊中販売所・高屋肇氏が経営)も、過去にあったのだ。
今後、毎日新聞社の販売政策は厳重に監視して、広告主に情報提供する必要があるだろう。告発される前に、払い戻すべきである。
【参考記事】毎日新聞は第3種郵便物の認可条件を満たしてない、認可を白紙に戻すのが妥当

読者は、新聞のABC部数(出版物の公称部数を示す数字)が、毎年4月と10月になると不自然に増える事実をご存じだろうか。筆者はこの話を販売店の取材の中で知った。そして最近調査に着手したところである。
このたび2003年度から2008年度までの調査が終わったので、その一部を紹介しよう。実に興味深い事実が判明した。結論を先に言えば、新聞人による組織的な、部数偽装の疑惑が浮上したのだ。
4月と10月にABC部数が増える理由は、これら2つの月(俗に4月部数、10月部数という)に公表されたABC部数が紙面広告の媒体価値を評価する際の基準になるからだ。また、この数字が折込広告の適正枚数としても認定される仕組みになっているからだ。
4月部数と10月部数は、新聞社にとって特別な意味を持っているのだ。数字のトリックこれら2つの月を標的に行われてきたのである。
具体的な例を、全国の新聞発行部数の変化を例に紹介しよう。連続する次の3カ月の数値に注目してほしい。
【2003年度】
3月46,341,033
4月46,517,244
5月46,399,801
3月から4月にかけて部数を一時的に約18万部増やし、5月に再び3月の水準に戻している事実が確認できる。4月部数が特別に高くなるように操作している疑惑があるのだ。4月部数の増加分は、「押し紙」の可能性が高い。
こうしてABC部数を水増しして部数データを「更新」して、紙面広告の媒体価値を高めたり、折込広告の水増しを幇助しているのである。
9月から11月にかけても同じ傾向が見られる。10月部数を高く設定するように仕組まれているのだ。
9月46,175,323
10月46,499,248
11月46,333,321
このケースでも、9月から10月にかけて一時的に約32万部を増やし、11月に約17万部を減部数している。9月の水準にまで戻さなかった理由は、元販売店主によると、新聞記者のボーナスの財源を確保するためである。
◇2004年度のケース
2004年度についても、まったく同じ傾向が観察できる。
【2004年度】
3月46,272,212
4月46,465,978
5月46,328,582
3月から4月にかけて約19万部を水増した疑惑があるのだ。そして5月にはこの水準から14万部ほど減らしている。
9月46,269,854
10月46,609,026
11月46,424,929
おおむねこのような傾向が現在まで延々と続いてきたことが、調査の結果判明した。詳細については、いずれ別媒体で公表したい。
◇新聞のタブー「押し紙」
部数を水増しする手口は、改めていうまでもなく、「押し紙」行為である。「押し紙」とは、適正な予備部数と新聞の実配部数を合計した部数を超えて搬入される新聞の事である。適正な予備部数は、慣行的に搬入部数の2%とされてきた。かつてはそれが新聞業界の内部ルールになっていた。
たとえこのルールを度外視しても、古紙回収業者が数日に1度の頻度で回収しなければならないほど多くの新聞が搬入されていれば、それは実配部数でも予備紙でもないわけだから、すべて「押し紙」ということになる。
新聞関係者は、過剰になっている新聞には押し売りの証拠がないから、「押し紙」ではないという詭弁を根拠に大量の新聞を販売店に買い取らせてきたが、正常な販売店経営に必要な部数(実配部数+予備紙)を超えた部数は、理由のいかんによらず、すべて「押し紙」である。そして独禁法に抵触する。
この「押し紙」を利用して、新聞人は販売収入だけではなく、広告の媒体価値までかさ上げしてきたのである。もちろん、それが「折り込め詐欺」の温床にもなっている。筆者は20年以上に渡って、「押し紙」政策を批判してきたが、彼らはまったく聞く耳をもたない。
大半の新聞学者も「押し紙」問題をタブー視している。
2017年11月20日 (月曜日)

新聞に対する消費税軽減の適用に疑問を呈する小泉進次郎議員(自民党)の発言が話題を呼んでいる。J-castニュースは、小泉議員の意見表明を次のように伝えている。
2017年10月22日投開票の衆議院議員選挙で、神奈川11区で当選した自民党の小泉進次郎氏(36)が各テレビ局の選挙特番の生中継で、新聞が「軽減税率」の対象となっていることに異議を唱えた。
小泉氏はこれを主張し続けているにも関わらず、テレビや新聞ではなかなか報じてもらえないと訴えた。生中継を活用した国民への訴えに、「よく言った」などと反響を呼んでいる。(J-castニュース)
現代ビジネスも、小泉議員の意見を次にように報じた。
私は軽減税率全体を見直していいと思いますよ。その中で特におかしいのは新聞です。(新聞社は)消費税の増税を社説でも求めているんです。なのに自分たちは負担しないんですよ。ぜんぜん筋が通らないですよね。(略)
衆議院の財務金融委員会で私は質問し続けたんです。なぜ新聞だけが一足飛びに軽減税率に入るのかと。麻生太郎大臣は『広くあまねく情報を均質に伝えている』と言いましたが、それならネットメディアやNHKだって同じでしょう。(略)
では新聞ならばどこまでが範囲なのかと問えば、『週2回以上発行している新聞』にいつの間にか決まった。しかし、これらの質疑は、いっさい新聞で報じられませんでした。(現代ビジネス)
◇メディアが創った若手のホープ
的を得た意見表明で、新聞関係者は反論できないのではないか。正論である。しかし、こうした形の意見表明が内包している別の側面にも注意しておく必要がある。別の側面とは、政治家による新聞社経営の根幹にかかわる弱点の指摘は、メディアに著しい萎縮をもたらし、安倍内閣に対する批判的報道を押さえ込む効果があるという点である。
つまり小泉議員は、新聞が加計学園汚職などの問題を安倍内閣に批判的な立場から報道するのであれば、新聞に対する軽減税率の適用を見直すこともありうるとほのめかしているとも解釈できるのだ。
筆者は、小泉議員が本気で新聞に対する軽減税率の適用を見直す策動に出ることはあり得ないと見ている。と、いうのも小泉議員の人気は、実はメディアによって創られたものであるからだ。中味はともかくとして、若手のホープのような印象を宣伝してきたのはメディアである。
新聞社は自社の紙面が批判されも何の痛痒も感じない。「見解の相違」で説明がつくからだ。これに対して経営上の汚点、特に法的に問題があるもの、たとえば「押し紙」問題や「折り込め詐欺」を指摘されると手痛い。対抗策としてはスラップ訴訟ぐらいしかない。軽減税率の適用問題は、法的には汚点がないが、新聞社と新聞販売店の運命を左右しかねない重大問題なのだ。
と、いうのも新聞各社が販売店に強制している「押し紙」にも軽減税率がかかるからだ。「押し紙」には、購読者がいないわけだから、自腹を切って消費税を負担するのは、販売店と新聞社である。それゆえに新聞人は軽減税率の適用を求める運動を展開してきたのである。新聞が持つ文化的な価値を理由として、軽減税率適用を正当化する主張は嘘である。
こうした構造と状況の下で、小泉議員は軽減税率の適用を見直す可能性をほのめかしたのである。が、繰り返しになるが、小泉人気はメディアによって保たれてきたわけだから、本気で軽減税率の問題を白紙に戻す意思がないのは明らかである。
それに軽減税率の問題は、自民党にとってはメディアコントロールの有力な道具になっているわけだから、新聞がジャーナリズム性を強力に発揮しない限りは、白紙に戻すことはありえない。
両者のなれあいと茶番劇の構図は際限がない。
◇新聞業界が消費税軽減税率にこだわる本当の理由
なお、新聞に対する軽減税率の適用問題については、拙著『新聞の凋落と「押し紙」』の次の章で詳細に論じている。
第7章 軽減税率をめぐる議論
第8章 新聞業界が消費税軽減税率にこだわる本当の理由

このところメディア黒書に対する嫌がらせが激化している。複数の人から筆者のメールアドレスを使った「成りすましメール」が、次々と送られて来るという連絡があった。実態を報告してくれた人の中には、メディア黒書の記事を校閲するなどの支援をしてくれている人も含まれている。
「成りすましメール」は、一年以上前から続いているが、一時期は下火になっていた。最近になって再び活発化している。犯人のシッポは掴んでおり、どうやらメディア黒書との「100年戦争」を希望しているようだ。
「押し紙」問題は、21年に渡って報道してきたが、別のテーマで長期の報道に踏み切ることもあり得る。
参考までに、「成りすましメール」のヘッドの部分をいくつか紹介しておこう。xxmwg240@ybb.ne.jpが筆者のメールアドレスである。denjiha-kankyoというのは、筆者が運営委員を務めている「電磁波からいのちを守る全国ネット」のドメインである。
◇編集工房のウエブサイト
メディア黒書への嫌がらせはこれだけではすまない。メディア黒書と連動した編集工房のウエブサイトが、筆者が気づかないうちに、800ページを超えるアダルトサイトに変身していたのだ。ある種の「乗っ取り」である。
編集工房のウエブサイトは、筆者の氏名や頭文字が入ったドメインを使っていた。そのドメインの有効期限が切れる直前に、更新していれば、このような「攻撃」は避けられたが、更新が遅れ、その隙をついて、何者かが、筆者の名前が入った編集工房のドメインを取得し、800ページという大規模なアダルトサイトを構築したのである。
筆者がドメインの更新をタイムリーに実施しなかった点は、不注意として認めざるを得ないが、ドメインの管理会社から、「更新通知」を受けた記憶がない。メールの受信記録にも残っていない。たとえ編集工房のドメインが無効になり、別の誰かがそのドメインを取得するにしても、編集工房はブランド企業ではなく、わざわざそれを取得しなければならない正当な理由はないはずだ。嫌がらせとしか考えられない。
筆者が、アダルトサイトの所有者というストーリーを組み立て、それに伴いドメイン関連情報を捏造し、筆者をわいせつ罪で告発する意図でもあるのかも知れない。
実際のアダルトサイトを確認したい読者は、(xxmwg240@ybb.ne,jp)まで連絡を頂きたい。URLをお知らせします。旧「編集工房プレンサ」のドメインがそのまま使われている。
この問題は現在取材している。単行本を計画中だ。取材を兼ねて、警察に調査を依頼することも検討している。ノンフィクションライターとしては願ってもないテーマだ。
2017年11月15日 (水曜日)

日本における報道の自由に対して、世界で懸念が広がっているようだ。時事通信が、14日付けで、「日本の『報道の自由』に懸念=5年ぶり審査で国連人権理」と題する記事を掲載している。
米国は、放送局の電波停止権限を規定する放送法など「メディアに対する規制枠組みを懸念」しているとして、政府から独立した監督機関の設立を提言。オーストリアやブラジルなどもメディアの独立性や特定秘密保護法に懸念を示した。日本側は「政府が不当な圧力をかけた事実はない」と反論した。
日本での報道の自由をめぐっては、人権理のデービッド・ケイ特別報告者が5月に調査報告を公表。特定秘密保護法や放送法の改正を勧告していた。
◇政府広報費でメディアコントロール
記事によると、政府は「不当な圧力をかけた事実はない」と反論しているが、報道に対する圧力は、直接的に観察できるものではない。電波停止権限を政府が握っている構図自体が、メディアに対する圧力なのだ。
この種の圧力は他にもある。たとえばメディア向けの政府広報予算である。政府広報費は、国内メディア向け(内閣府分)のものだけでも年間50億円を超えている。
政府に批判的な報道をすれば、内閣府は政府広報費をカットすることを仄めかすだけで、メディアをコントロールできる。それゆえに現在の広告依存型のメディアでは、ジャーナリズムに限界がある。したがって世論調査の数字などは、捏造されているという前提に立って論考すべきだろう。
本来、こうした問題はオープンに議論しなければならないはずだが、日本のメディア研究者は、基本的にそれを避け続けてきた。最も肝心な問題には、一歩も踏み込めないのが実情なのだ。言論の自由に関して世界から警告されたことの責任は、彼らにもある。
◇メディア企業に見る経営上の汚点
メディア企業のビジネスモデルに汚点があれば、それを口実に公権力から圧力をかけられるリスクが高まる。その結果、公権力の批判が出来ない。あるいは自粛する。こうした構図の具体例をもうひとつあげてみよう。
次の動画は、水増しされた折込広告が、段ボールに梱包されて、新聞販売店から搬出される場面を撮影したものである。
このような行為は、日本の新聞社のほとんどで日常化しいる。、明らかな詐欺行為である。筆者は、これを「折り込め詐欺」と呼んでいる。広告主が知らないだけで、あたりまえに行われてきた。当然、「折り込め詐欺」は、刑事告訴・刑事告発の対象となる。
かにり全国一斉に警察が「折り込め詐欺」を摘発すれば、新聞社は経営の基盤を完全に失ってしまう。倒産する社も続出するだろう。
新聞社と公権力の関係を、メディアコントロールという観点から客観的に見ると、公権力は「折り込め詐欺」を放置することで、新聞社やその系列テレビ局の報道に介入しているのである。新聞紙面やテレビ番組で政権を転覆させかねない政府批判を展開すれば、メディア企業は「折り込め詐欺」やその温床となっている「押し紙」問題を指摘され、経営基盤を失うだろう。
それゆえに公権力(この場合は、政府、警察、公取委、裁判所)は「折り込め詐欺」に対しても「押し紙」に対しても、メスを入れるよりも故意に放置する政策と取ってきたのである。莫大な「押し紙」関連資料が公取委の手に渡っているのに、公取委が動かないこと自体が不自然だ。この問題についてもオープンに議論すべきだろう。
◇議論の大前提として客観的事実の把握
余談になるが、このところ新聞社の衰退が再びメディアで話題になっているが、その根拠のひとつが、ABC部数の激減である。しかし、ABC部数の減少と新聞の衰退を結びつける論法は正しくない。と、いうのもABC部数には、「押し紙」が含まれているからだ。
筆者が販売店を取材した限りでは、激減しているのは、新聞の実配部数ではなく、むしろ「押し紙」なのだ。新聞の実配部数は微減である。高齢者の増加や死亡に連動して減っているのが実態だ。
新聞の衰退を象徴する最も大きな現象は、実は折込広告の激減である。折込広告の需要がなくなった結果、「押し紙」で生じる損害を、折込広告の水増し収入で相殺できなくなっているのだ。つまり従来のビジネスモデル-「押し紙」による折込広告の水増しで販売網を維持するモデル-が崩壊し始めているのである。これが新聞衰退の本質的な部分なのだ。
一体、新聞を論じる場合に、正確な実配部数を把握する作業を怠って、客観的な検証などできるはずがないのだ。ところがこのあたりまえのことを怠っているのが、日本の新聞学者である。議論の前提として、客観的なデータの把握が不可欠になるはずだが、「押し紙」をタブー視して、ABC部数=実配部数という完全に誤った前提で議論しているのだ。同志社大学教授の浅野健一氏ら少数の例外はあるが、肝心のこうした人々は大学からも排除されるようだ。
2017年11月14日 (火曜日)

産経新聞の報道によると、安倍内閣の支持率が不支持率を上回った。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は11、12両日に合同世論調査を実施した。安倍晋三内閣の支持率は47・7%で、前回調査(10月14、15両日)から5・2ポイント上昇した。不支持率は前回比3・9ポイント減の42・4%で、2カ月ぶりに支持率が不支持率を上回った。■出典
読者は、世論調査の数字にどの程度の信頼をおいているだろうか。安倍内閣に批判的な立場を取っている筆者としては、支持率が下がれば嬉しく、上がれば残念な気持ちがする。が、それは一次的な心の浮き沈みで、基本的にはメディア企業による世論調査は信用していない。
世論誘導するために、政界や財界と暗黙の情交関係を前提として、新聞人が、あるいはテレビ人が数字を捏造している可能性を疑っている。調査の裏付けが公表されないことが疑惑の根拠である。完璧なフェイクニュースが成立する温床があるのだ。数字を捏造しても誰も知りようがない。
政府広報費(新聞広告やテレビCM)は、内閣府分だけでも、年間で50億円を超えており、報道内容そのものが、政府よりになったり、政府に都合のよいデータが公表されていると考えるのが妥当だ。これが日本の権力構造を構成する勢力による連携した世論誘導なのだ。
メディア関係者による世論調査がいかにデタラメかを示すひとつの例を紹介しよう。
◇新聞協会と時事通信の関係
日本新聞協会は2012年11月に、「消費税が引きあげられた際の軽減税率導入について」の世論調査を実施した。そして、国民の8割が生活必需品に対する軽減税率適用を求め、新聞・書籍に対しても、その4分の3が賛成しているという結果を発表した。これを根拠として、新聞人たちは新聞に対する軽減税率の適用を求める世論形成に邁進したのである。
■調査結果
ところがこの調査について筆者が調べたところ、とんでもない事実が判明した。この調査は、実は新聞業とは関係のない第3者が実施したものではなく、中央調査社という時事通信に近い会社に委託したものだった。中央調査社の正体が分からない読者は、この調査が公平中立なものであると勘違いしかねない。
中央調査社の社長は、時事通信の大室真生社長である。また、中央調査社の支部の所在地は、次のようになっている。
札幌支社(時事通信社内)
仙台支社(時事通信社内)
名古屋支社(時事通信社内)
大阪支社(時事通信社内)
広島支社(時事通信社内)
福岡支社(時事通信社内)
支部はすべて時事通信の中に置かれているのだ。
改めて言うまでもなく、時事通信は日本新聞協会のメンバーである。つまり「消費税が引きあげられた際の軽減税率導入について」の世論調査は、第3社が実施したのではなく、新聞に対する軽減税率導入を強く求めている新聞人が実施したのも同然なのだ。当然、みずからに都合のいい数字を捏造した可能性が生じる。この種の調査は、第3者が実施するのが道理なのだ。
日本新聞協会は、「押し紙」問題で明らかなように、新聞の実配部数を平気で捏造して発表してきたわけだから、世論調査の数字を捏造しても、良心の呵責は感じていないだろう。
【写真】日本新聞協会

今世紀最大の環境問題は、電磁波である。その電磁波による人体影響に関して、東京都の小池知事はまったく認識がないようだ。重大なリスクを知らないままLEDの普及や無電柱化を進めている。恐ろしいとしか言えない。
電磁波の「電」とは電気のことである。その電気が空間に放たれたものが電波である。電気や電波には、影響が及ぶ領域がある。炎に手を近づけていくと、熱を感じる領域があるように、電気や電波にも、影響が及ぶ範囲がある。この領域を「電場」という。
こうした性質をもつ電磁波を被曝した場合に、どのような人体影響が現れるのかを、環境保全の視点や医学的な視点などから検証する作業が、電磁波問題である。現在、その対象になっている主要なものは、スマホ、LED、家電や送電線の電磁波である。さらに原発のガンマ線なども含む。将来的には、電気自動車からの電磁波や自動運転で使われる電磁波も問題になりそうだ。
電磁波の分類はエネルギーの大小によって行われているが、いずれの領域の電磁波も「有害」とする見方が欧米では定説となっている。昔は、エネルギーの低い家電の電磁波などは安全とされていたが、現在では、エネルギーの大小にかかわらず危険という認識が定着している。
しかし、電磁波問題は電話会社や家電メーカ、それに電力会社など実に多種多様な企業の利権が絡んでいるので、現在の「広告依存型」ジャーナリズムの下では、ほとんど報道されない。報道されないので、大半の人々は、電磁波にリスクがあるという認識すらも欠落している。
◇極低周波と小児白血病
電磁波に関する無知は政治家も例外ではない。小池ゆりこ知事は、無電柱化の計画を積極的に推進している。この計画では、送電線を地下に埋めることになるわけだが、地中のかなり深い部分に送電線を埋め込まないかぎり、通行人や道路沿いの建物で生活する人々は、地面から電磁波に被曝することになる。
と、いって電線を地中深く埋めることは、コストの面で不可能だ。となればせいぜい50センチか1メートルの深さになりそうだ。
送電線の電磁波は極(超)低周波である。極低周波は、小児白血病の原因のひとつとされている。1980年ごろから、極低周波と小児白血病の関係が疫学的に関連付けられるようになっている。また、脳腫瘍との関係も指摘されている。
しかし、メディアにはそのような認識はない。認識があっても、大口広告主に配慮して、リスクを指摘できない。それどころか、小池氏の「挑戦」を無批判に垂れ流している。
東京都は10日、「小池知事と語る、東京の無電柱化」と題したイベントを東京・新宿区の都庁で開催。約400人が参加した。小池百合子知事のほか放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏、元文化庁長官の近藤誠一氏がコメンテーターとして参加した。(リスク対策.com )
「無電柱化を巡っては去年12月、国や事業者などに無電柱化を促す法律が成立しました。また、知事選の公約の1つに「無電柱化」を掲げた小池知事も今年6月、都内で電柱の新設を禁止する条例を成立させるなど無電柱化の推進に力を入れています。」(TBS)
◇青色LEDで昆虫のさなぎが死んだ
小池知事は、LEDの危険についてもまったくの無知としか言いようがない。東京都は現在、白熱灯からLEDに切り替える運動を進めている。白熱灯を持参すれば、無料でLEDに交換してくれる。(ただし、個数は1人1個)。
LEDは、赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫の5色がある。さらにこれらの色を組み合わせることで、ほとんどの色を人工的に合成できる。
省エネで環境にもやさしく、新世代の光のようにPRされているが、その反面人体への深刻な影響も懸念されているのだ。特にスマホやパソコン、それに照明器具などに使われる青色LEDには健康上のリスクが高い。
2014年12月に東北大学大学院農学研究科の堀雅敏准教授らのグループが、青色LEDに殺虫効果があるという研究結果を英国の『Scientific Reports』に発表した。昆虫のさなぎに特定の波長を持つ青色や緑色に近いLEDを放射したところ、さなぎが死ぬことが分かったのだ。細菌とは異なり、さなぎが死ぬわけだから、人体に対する影響にも注視する必要がある。
実際、事務所の照明を青色LEDに切り替えたところ、体調が悪くなったという例も数多く報告されている。
目に対する悪影響も深刻だ。青色LEDが、失明に至る加齢黄斑変性の原因であることは、ほぼ定説になっている。
LEDについても不勉強なメディアが多く、日テレ(読売系)は、10日付けで次のようなニュースを配信している。
東京都は10日から白熱電球とLED電球を無償で交換する取り組みを始め、小池知事とピコ太郎さんがPRした。
東京都が始めたのは白熱電球2個とLED電球1個を無償で交換する取り組みで、LEDの普及と家庭での省エネを促進するのが目的。イベントにはPR動画で小池知事と共演しているタレントのピコ太郎さんが参加し電球の交換方法を実演した。 ■出典
【参考記事】危険が指摘され始めたLED照明(ブルーライト)による人体影響、理学博士・渡邉建氏インタビュー①
◇電磁波とは何か
電磁波についての説明は、2017年2月11日付けのメディア黒書から、以下に引用しておこう。
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そもそも電磁波とは何だろうか。最低限必要な範囲で、電磁波の正体を説明しておこう。
電磁波の「電」とは電気のことである。その電気が空間に放たれたものが電波である。しかし、電気や電波には、その影響が及ぶ領域がある。炎に手を近づけていくと、熱を感じる領域があるように、電気や電波にも、影響が及ぶ範囲がある。この領域を「電場」という。
電波は、われわれの生活に利便性をもたらした。携帯電話やスマホはその典型と言えよう。通信の革命と言っても過言ではない。が、その背景にある負の側面、あるいは「闇」の部分は、マスコミによってすっかり隠されている。
マスコミの大口広告主である電気・通信業界の権益がからんでいるからである。
電波による交信で絶対に欠くことができないものがある。それはアンテナである。電波は
アンテナから発せられ、アンテナで受け止められる。それゆえに携帯電話の普及には、携帯基地局の設置が絶対的に必要になるのだが、この基地局が住民と電話会社のトラブルのもとになっているのだ。
次に電磁波の「磁」について考えてみよう。「磁」は何を意味するのだろうか。「磁」とは磁気、あるいは磁場を意味する。磁石が鉄を引き寄せることは周知であるが、その際に働く吸引力が「磁気」で、磁気が及ぶ範囲のことを「磁場」という。
電流が流れると、その周りには「電(場)」と「磁(場)」が発生する。電磁波とは、電気によって生じる「電場」と「磁場」を伴った波のことである。電波の形状と性質をより厳密に描写した言葉ということになる。
ちなみに単純に電磁波=電波と理解しても許容範囲である。枝葉末節にこだわりすぎて、物事を複雑に解釈すると、かえって電磁波問題を理解する妨げになりかねない。
電磁波問題とは、人体が電磁波(電波)を被曝し続けたときに生じる被害を公害の観点か
ら指摘することである。広義に捉えれば、電磁波による人体影響だけではなく、生態系への影響も電磁波問題の範疇に入る。
電磁波問題の検証作業には1年、2年、あるいは5年、20年という長い歳月を要する。短期間の電磁波被曝では影響が現れなくても、長期にわたる被曝により影響が現れる場合もあるからだ。携帯電話の普及が始まったのち、長い歳月を経て、ようやく基地局の危険性が指摘されるようになったのも、安全性の検証には、長期の被曝による人体影響を調べる必要があったからである。
電磁波はエネルギーが低いものでは、家電機器などから漏れる「低周波電磁波」がある。また高いものでは、レントゲンのエックス線や原発のガンマ線など、さまざまな種類がある。従来は、ガンマ線やエックス線などエネルギーが高いものについては、遺伝子に対する毒性があると考えられてきたが、既に述べたように、最近では全ての電磁波に毒性があるという見解が主流になってきた。
このあたりの事情について、電磁波研究の第一人者である荻野晃也氏は、『携帯電話基地局の真実』の中で次のように述べている。
これらの電磁波のうちで、原爆の被爆者・被曝者などの研究から、「電離放射線(黒薮注:電離放射線とは、ガンマ線やX線を指す。詳しくは後述する。)が特に発癌の危険性が高い」と思われてきたのです。ところが、最近の研究の進展で「電磁波全体が危険な可能性」があり、「共通した遺伝的毒性を示す」と考えられるようになってきたのが、現在の「電磁波問題」の本質だといってよいでしょう。
また、北里大学の名誉教授・宮田幹夫氏らがまとめた『生体と電磁波』にも、次のような記述がある。
エックス線もガンマ線も電磁波である。人工の電磁波に比べてエネルギーが非常に大きいため、物質への浸透性が強く、生体へのダメージも非常に大きい。しかし、極低周波から超高周波まで、人工電磁波も生体へのダメージは大きく、身近にある場合は障害を生じる。放射線と電磁波はメカニズムが異なるが、同じように体内にフリーラジカルを生産し、DNAを破損してがんの原因を作る点では、同じような環境汚染源としてみることができる。
広島と長崎に投下された原爆の影響で、癌や白血病が増えたこともあって、かねてからガンマ線と癌の関係は定説となってきたが、実はマイクロ波など他の種類の電磁波でも、遺伝子に対する見解が変化してきたのである。
◇電磁波の分類
既に述べたように電磁波には、ガンマ線、X線、マイクロ波など様々な種類があるが、これらは何を基準に分類されているのだろうか。結論を先に言えば、それは電波の波打ちの頻度である。1秒間に打つ波の頻度、つまり周波数の違いにより、電磁波は分類され、ヘルツという単位で分類される。
波打ちの頻度が多ければ多いほど、周波数が高いことになる。少なければ少ないほど周波数が低いことになる。
たとえば電力会社が供給する電気の周波数は、東日本で50ヘルツ(一秒に50回)、西日本では60ヘルツ(一秒に60回)である。一方、携帯電話(第3世代)の周波数は、2000MHz(メガヘルツ)である。これは一秒間に20億回の波打ちが発生することを意味している。この領域の電磁波は、マイクロ波という呼び方で分類されている。
さらにガンマ線の周波数は、「10の19乗」から「23乗ヘルツ」にもなる。
従来から、ガンマ線やX線など極めて周波数の高い電磁波は、電離放射線と呼ばれている。「エネルギーが高く、分子や原子を構成する電子を『バラバラに離してしまう(「電離」といいます)』」(荻野晃也著、『携帯電話基地局の真実』)電離作用を伴うからだ。それが遺伝子を傷つけたりする。
これに対して、赤外線、マイクロ波、低周波電磁波など、ガンマ線やX線に比べるとはるかにエネルギーが低い電磁波は、電離作用を伴わないので非電離放射線と呼ばれる。
現在、電離放射線に遺伝子に対する毒性があることを否定する研究者はいない。それはすでに定説となっている。
これに対してマイクロ波など非電離放射線の毒性については論争がある。既に述べたように、すべての種類の電磁波が人体に悪影響を及ぼすという考えが有力になってきたものの、現在の時点では論争に決着が着いているわけではない。
従って「予防原則」に基づいて、危険性を想定した対策を取っておかなければ、後に、取り返しがつかない悲劇を生む可能性がある。
次に示すのが電磁波の分類図である。
携帯電話に使われているのは、マイクロ波と呼ばれる領域の電磁波である。たとえば広く普及している第3世代携帯電話の周波数は、2000メガヘルツである。これは1秒間に20億回の周波が観測されることを意味する。電子レンジは、約25億回。とてつもない波の動きが熱エネルギーを発生させる。
こうした高周波の電磁波を携帯電話の受話器から直接に、あるいは携帯基地局の周辺で長期に渡って浴び続けたとき、人体影響が生じるリスクがないのかを考えるのが、俗にいう携帯電話の電磁波問題である。従って、パナウエーブ(白装束集団)の考えとはまったく性格が異なる科学である。
当然、長期にわたる科学的な観測が不可欠になる。たとえば10歳でスマホを使い始めた子供が、30歳になったとき、あるいは40歳に、さらには老齢に達したとき、電磁波被曝による負の影響を受けていないか、というような長期の問題なのだ。
◇安全基準
長期にわたる被曝を前提としているのか、電磁波問題に敏感な欧米では、地方自治体が独自に電磁波強度の基準を設定している。そのうちのいくつかを、日本の総務省が定めている基準値と比較してみよう。対象は1800メガヘルツの基地局である。
日本:1000μW/cm2
イタリア:10μW/cm2
スイス:6.6μW/cm2
EU:0.1μW/cm2(提言値)
ザルツブルグ市:0.0001μW/cm2(室内目標値)
この数値を見ただけで、総務省がいかに電話会社のビジネスに貢献しているかが明らかになる。数値の大きな差異から異常な実態と言っても過言ではない。ちなみにザルツブルグ市の値でも、通信は可能だ。
◇携帯電話基地局の周辺で奇形
携帯電話の基地局が設置された後、直近の場所に次々と奇形植物が出現したという報告が複数ある。
そのうち筆者が直接取材した長野県木曽町で撮影した写真(奇形のヒマワリ=地元住民が撮影。奇形のナスビ=黒薮が撮影)ものを紹介しよう。
電柱の上に基地局を設置した後、設置場所の畑や近くの民家の庭で奇形植物が表れた。同じ現象が毎年続き、基地局が撤去された後、出現しなくなったので、原因が基地局のマイクロ波だった可能性が高い。
【参考資料】
■講演要旨(馬奈木昭雄弁護士)『人体実験を許すな。~携帯電磁波の危険性~』
■『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 』(黒薮哲哉、花伝社)

ロシア革命から100年が過ぎた。11月7日の革命記念日には、世界各国で記念行事が行われた。本文の上に掲載した写真は、喜びを表現するベネズエラの人々の姿だ。Telsulのツイッターで紹介されたものである。
日本のメディアも、さすがにこの世界史上の大事件をテーマとした記事を掲載している。日本共産党の志位委員長は、時事通信の記事の中で、革命後のソ連共産党の方針を批判しながらも、
「民族自決権の旗を初めて無条件に掲げて実行した。暮らしと経済という点では、社会権という問題を初めて掲げた。社会保障という言葉が初めて出てきたのもここからだ」
と、ロシア革命そのものには、高い評価を与えている。
志位委員長が指摘しているように、社会保障の概念が生まれた背景には、社会主義思想の広がりがあった。資本主義の路線を走る国々が、社会主義のプロパガンダに対抗するために、福祉国家をめざす必要性に迫られて、弱肉強食の資本主義が修正されていったのである。その意味で、ロシア革命が世界史の中で果たした役割は計り知れないものがある。
◇ソ連の崩壊と社会主義
ところがソ連が崩壊した1991年ごろから、社会主義の思想を排除する動きが世界的な規模で広がった。「社会主義の思想は間違いだった」とする見方が、ソ連崩壊という重い事実を背景に、圧倒的な説得力をもって世界を支配しはじめたのである。
日本共産党も、社会主義思想を全面的に打ち出すよりも、資本主義の枠内での民主的な改革という方向性を重視するようになった。特に最近は、立憲民主党などとの共闘などを考慮して、その傾向を強めている。
資本主義の枠内であっても、民主主義を成熟させれば、それだけでも日本は高い経済力をバックに豊かな福祉国家を実現できるわけだから、共産党の方針が間違っているわけではないが、その結果、大半の国民には、共産党とたとえば立憲民主党の違いが理解できなくなった。新自由主義の導入か拒否かをめぐる政策などでは、異なるが、政治学者でもなければこうした詳細までは検証しない。マスコミにいったては、まったく理解していない。
このような状況は、小選挙区制の下では、共産党に極めて不利に働く。事実、10月の衆議院選挙では大敗した。そこから小選挙区制を疑問視する声もあがっている。
◇日本共産党の敗退
衆議院選挙の結果については、さまざまな評論が出ている。その中には、共産党について厳しい評論をしている人もいる。たとえばBJpressに掲載された「いつまで『党勢拡大』?共産党の懲りない選挙総括」と題する評論の筆者である。
今回の選挙についてこの評論家は、
比例代表で850万票という目標は、440万票に終わった。得票率15%以上という目標も、7.91%に終わった。比例で第3党どころか、自民党、立憲民主党、希望の党、公明党に次ぐ、第5党であった。すべてが目標のほぼ半分にしか到達しておらず、どう取り繕っても惨敗というしかない。
と、厳しい事実を指摘している。
共産党は過去に躍進と後退を繰り返してきたという。「共産党の激しい浮沈ぶりを見ていると、この政党は本当に必要とされている政党なのか、疑問を持たざるを得なくなる」という。そして最後にマルキストにとって、決定的ともいえる一打を打ち下ろして、反共ぶりを露呈する。
社会主義革命を掲げた政党の党勢拡大などあり得ないことをそろそろ受け入れるべきである。
この評論家は筆坂秀世氏である。共産党の元国会議員でセクハラで共産党を除名になった人である。
◇新しい政治モデル
しかし、筆坂氏が主張するように、社会主義の思想は本当に無意味になったのだろうか。最近、日本でもマルクスを再評価する動きが生まれているし、たとえば今世紀になってのち、ラテンアメリカでは、新自由主義の限界を克服するために左派の政権を選択する動きが顕著になっている。筆者が取材してきた中米では、ニカラグアとエルサルバドルが左派政権の国である。
中国は高い経済成長をバックに、先月の共産党大会で「新しい社会主義」の方向性を打ち出した。おそらく中国は近い将来に、新しい(と、いってもマルクスの社会科学の理論が間違っていたということではないが)社会主義のモデルを示す可能性が極めて高い。
キューバも経済封鎖さえ解除されれば、極めて豊かな国家になるだろう。経済的な苦境にある現在でさえ、医療や教育など、人間の尊厳を守るための基本政策は充実しているが、さらに発展するはずだ。米国は、その影響が他のラテンアメリカ諸国へ波及することを警戒して、いまだに経済封鎖を解除しないのである。
一方、日本の資本主義は完全に行き詰まっている。子供を育てるために、朝から深夜までアルバイトを掛け持ちしている母子家庭の主婦がいるありさまだ。餓死する人もいる。「姨捨山」が現実になりかねない。その対極で、株で大もうけして笑いが止まらない大企業がある。
ロシア民衆が帝政ロシアを倒してから100年。その後のソ連共産党の愚策やその原因を認識した上で、社会主義について再考する価値は十分にあるのではないだろうか。

メディア黒書のシリーズ「折り込め詐欺」の実態。8回目は、(株)マルイ・ウエストランドの折込広告である。撮影は2011年。同社の折込広告が、水増しされ、配布されないまま、段ボール箱に詰められて廃棄されている場面を紹介しよう。
同じようなことが、多くの新聞社の販売店で行われている。その温床になっているのが「押し紙」である。
「押し紙」とは、新聞社が新聞販売店に対して、搬入する新聞のうち、配達されないまま回収される新聞のことである。たとえば2000部しか配達していない販売店に3000部を搬入すると、過剰になった1000部が「押し紙」である。偽装部数ともいう。
ただし、予備紙(配達中の破損などに備えて余分に確保しておく新聞で、通常は、搬入部数の2%)は、「押し紙」に含まれない。
公正取引委員会の見解は、実際に配達する新聞の部数に予備紙をプラスした部数が、正常な新聞販売店経営に必要な部数であって、それを超えた部数は、機械的にすべて「押し紙」と定義している。従って梱包されたまま回収されている新聞は、不必要で予備紙とは定義することができない。明らかな「押し紙」である。
新聞社は、「押し紙」についても、卸代金を徴収する。
【参考動画】
2017年11月08日 (水曜日)

毎日新聞の報道によると、トランプ大統領と安倍首相のゴルフ外交をどう記録するかをめぐり政界で議論になっているらしい。同社の報道は、「一般論として言えば、記録に残す必要のある外交上のやり取りは残すのが通常だ」とする管官房長官の談話を紹介した上で、次のように問題点を指摘する。
ただ、外務省幹部は「同行した通訳が全部を聞き取れたわけではない」と説明。首脳間の親密な関係と、記録の必要性が相反する可能性が浮き彫りになった
ゴルフ外交で日米の首脳が何を話し合ったのかを正確に記録できないことを問題視しているのだ。
◇正常な感覚の喪失
毎日新聞の見解は、逆説的に言えば、正確に記録できればゴルフ外交は問題ないというものらしい。しかし、筆者は毎日新聞が指摘している問題以前に、ゴルフをしながら国の方向性を決めるという発想そのものが重大な間違いだと思う。ゴルフをしながら、主観的な思索に耽ったり、新しい発想の誕生に期待することは自由である。が、そこに国策の決定、あるいは決定へ向けた方向性の国際的な合意が加わるとなれば話は別だ。国の進路は、国会で議論して決めるのが議会制民主主義の大原則なのである。
国権の最高機関である国会を経ずに、国策を決定するのは独裁国家である。フィリピンのマルコスが、インドネシアのスハルトが、ニカラグアのソモサなどが採用してきた手法である。共謀罪が施行された後、日本にも影のように独裁者の足音が近づいているのである。
国費を使ってゴルフをすることが許されるのか、国会で議論する必要があるだろう。ゴルフ外交をどう記録するかは、2次的な問題である。ゴルフ場を歩き、クラブを振りながら国策を決めること自体がどうかしている。しかも、話し合いの内容を記録に残さないというのだから、議会制民主主義のルールを逸脱している。
◇木を見て森を見ない日本のメディアの報道
トランプ大統領に関する報道は、日本と海外では随分と温度差がある。日本のメディアの基本的な誤りは、朝鮮が「諸悪の根元」であるという大前提を作っていることである。この偏見を前提にして、日米韓がどう対応していくのかという視点でニュースを制作しているのだ。もちろん日刊ゲンダイなど、別の視点で報道をしているメディアもあるが、大半はトランプが「善」で、金正恩が「悪」という紋切り型の構図である。
が、海外ではそうではない。たとえば典型例を示すと朝鮮の友好国・キューバのPrensa Latinaは、6日付けの記事で、「朝鮮の核問題でトランプ米国大統領は、挑発的な発言を繰り返し、ワシントンのいかなる方針も支持するとする日本の支持をとりつけた」と米国に批判的な視点を採用している。
本当にトランプが「善」で、金正恩が「悪」という構図が正しいのか、再考する必要がある。
筆者は、トランプ大統領の方にむしろ問題があると考えている。米国という国家の歴史と性質からして、朝鮮半島の問題は、米国の側から扇動している可能性が極めて高い。事実、米国は日本や韓国で軍事大国化を進めてきた。日本における米軍基地の拡張や改憲の動き、それから日の丸を手にして安倍首相を支援する極右翼の台頭などが、かつて日本軍に侵略された朝鮮の脅威にならないはずがない。
日本の主要メディアは、「木を見て森を見ない」誤りを犯している。歴史も見ていない。朝鮮半島での不安定要因を作っているのは米国の側なのだ。そのことは米国が過去に繰り返してきた海外派兵と暴力の歴史を検証するたけでも十分だろう。今回の朝鮮問題もラテンアメリカ諸国や中東と同じ線上にあるのだ。

本日発売の『紙の爆弾』が、「山口敬之元TBS記者レイプ疑惑に『不起訴相当』検察審査会の内幕」と題する筆者のルポを掲載した。ジャーナリストの伊藤詩織氏が山口氏にレイプされたとして刑事告訴し、最終的に検察審査会が「不起訴相当」の議決を下した事件を中心に、検察や検察審査会の腐敗ぶり、また安倍官邸との癒着ぶりをレポートした内容である。
このうち検察審査会については、過去にPC上の架空の審査員が架空の審査会を開き小沢一郎氏に対して「起訴相当」議決を下していた疑惑などを取りあげた。この事件の疑惑の根拠については、メディア黒書で繰り返し取りあげてきた通りである。また、鳩山一郎検察審査会では、裏金づくりが行われていた。
これら二人の民主党(当時)の政治家は、民主党が政権の座にあった当時、検察審査会の陰謀で下野させられた疑惑があるのだ。そして両人とも、検察審査会の元締めである最高裁事務総局との戦いを放棄した。伊藤詩織さん事件にもおなじ脈絡はないのか?
【参考動画】小沢一郎を強制起訴に追い込んだ 検察審査会と最高裁の闇 〜『最高裁の罠』の著者・志岐武彦氏に聞く〜
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『紙の爆弾」が掲載した今回の記事は、全6ページ。冒頭の部分を紹介しておこう。
天国から地獄へ落ちたような経歴の持ち主である。一九六六年東京生まれ。慶應大学を卒業してTBSへ入社。後にワシントン支局長。一六年に退社してフリージャーナリストになったが、準強姦事件を起こした疑いが浮上して、一躍、時の人になった。起訴はまぬがれたが、安倍官邸との距離が異常に近かったことや、森友・加計事件で警察・検察の信用が地に堕ちていたこともあり、不起訴の背景についてさまざな憶測が流れた。
自書『総理』によると、安倍首相と知り合いになったのは、小泉内閣の時代、安倍首相がまだ官房副長官の任にあった時期である。番記者として「出会った当初からウマが合った」という。「時には政策を議論し、時には政局を語り合い、時には山に登ったりゴルフに興じ」る間柄だった。「安倍晋三という政治家の栄光と挫折そして復活を、足かけ16年にわたって至近距離で見てきた」のである。麻生副総理とも親密で、海外の宿泊先で麻生氏が「人払い」をした後、二人だけで政治談に耽った。その場で、麻生氏から安倍氏への秘密のメッセージを託された。
このように安倍内閣の閣僚たちとの親密な関係を武器に、山口敬之氏はTBSの時代の二〇〇七年、安倍首相辞任をスクープした。
そのはながた記者の髭とメガネの顔が、地下鉄やJRなどの車両に吊された『週刊新潮』の中吊り広告で、公衆の目に曝されるようになったのは、今年の春である。・・・・・・・・・・・・・・

意外に知られていないが、日刊紙を発行する新聞社の中には、第3種郵便物の認定を受ける資格がないのに、受けている新聞社がある。第3種郵便物とは、「国民の文化向上に資する定期刊行物の郵送料を安くして、購入者の負担を減らすことで入手の便を図り、社会・文化の発展に役立つことを目的とした」(ウィキペディア)郵便物である。
改めて言うまでもなく、出版物の全てが適用対象になるわけではない。適用条件は、郵便法第22条などを根拠としており、日本郵政のウエブサイトによると、8つの要件を満たす必要がある。
■出典
8要件のうち、新聞社が抵触する可能性が高いのは、次の要件である。
7,1回の発行部数に占める発売部数の割合が8割以上であること。
発行部数のうち8割が実際に販売されていることが、第3種郵便物に認定される条件になっているわけだから、「押し紙」(配達されないノルマ部数で、ABC部数をかさ上げすることを主要な目的としている)が2割を超えると、第3種郵便物の認定取消になる。
◇2割を優に超える毎日新聞の「押し紙」
中央紙の場合、「押し紙」率は2割を超えている、あるいは過去には超えていたというのが定説になっている。一部に、読売の代理人・喜田村洋一弁護士(自由人権協会代表理事)のように、読売には1部も「押し紙」は存在しないという主張を本気で展開してきた人々もいるが、近い将来には、こうした主張が完全な誤りであったことが立証されると、筆者は確認している。事実、真村訴訟では、読売の「押し紙」政策が認定されている。
第3種郵便物の取消対象として、弁解の余地がないのは、毎日新聞社である。次に紹介するのは、毎日新聞の「押し紙」の実態を示す決定的な内部資料である。2004年に外部にもれたもので、MyNewsJapanや『FLASH』でも紹介された。
資料のタイトルは、「朝刊 発証数の推移」。
赤文字の「店扱い部数」:全国の毎日新聞販売店へ搬入される新聞部数を示している。約395万部である。
赤文字の「発証」:「発証」とは、販売店が読者に発行する新聞購読料の領収書である。約251万枚である。
つまり395万部が販売店に搬入されているのに、領収書は251万枚しか発行されていないのだ。両者の差異にあたる144万(部)が、「押し紙」である。率にすると36%である。
この数字は2002年10月のものである。12年前のデータであるから、新聞離れが急速に進んでいる現在の時点では、さらに「押し紙」が増えている可能性が高い。「押し紙」問題は深刻化している。
次の記事は、大阪府の毎日新聞・蛍が池店と豊中店に「押し紙」が約7割に達していた決定的な証拠を紹介した記事である。
【参考記事】毎日新聞の2店、「押し紙」70%の決定的証拠、実際の全国総部数は150万部前後か?
つまり2002年10月の段階で、毎日新聞はすでに第3種郵便物の特権を得る資格を失していたのである。
毎日新聞は、「押し紙」問題に対して警戒心が強く、2009年には「押し紙」を追及していたフリーライターを誹謗中傷する記事を掲載している。第3者機関とされている同社の「開かれた新聞委員会」(上智大学の田島泰彦教授ら)も、「押し紙」問題にはタッチしなかった。
しかし、毎日新聞の「押し紙」は、ほぼ隠蔽できなくなっている。販売店サイドから批判の声があがってきたからだ。
【参考動画】毎日新聞の「押し紙」回収風景

